東大・早大・慶應……、人気5大学が大激突!『大学対抗書評バトル』白熱レポート!

2018年8月12日(日)、小学館・講堂で、昭和文芸の名作を復刊するP+D BOOKSの3周年を記念して、大学対抗の「書評バトル」が開催されました! 参加大学は、東大、早稲田、慶應、立教、明治学院の人気5大学。審査員長は芥川賞選考委員で作家の島田雅彦氏、ゲスト審査員には、『さよなら、田中さん』が大ヒット中の現役中学生作家、鈴木るりかさん。大激戦の末、見事、1位に輝いた大学は……?

5大学の代表者の熱いプレゼンテーションバトルがスタート!

各大学の選りすぐりの文芸好き・文芸サークルの代表学生1名が登壇し、P+D BOOKSから出ている作家・作品ラインナップの中から1作品を選んで、その魅力や読みどころを、制限時間5分間でプレゼンテーションするこの企画。
緊張の中、発表の順番を待つ登壇者たち。
セレクトした作品は、純文学、同性愛を描いた作品から落語エッセーまで、バラエティに富んだ展開となりました。

トップバッターは、立教大学の加藤ちからさん。
手に汗握る緊張の中、想像よりもスケールの大きな作品を選んでしまったことや、友人がひとり
も応援に来ないことを嘆いたりなど、自虐的な内容で会場を楽しませます。
発表する書籍は、倉橋由美子の『アマノン国往還記』です。

2番目は、慶應義塾大学の末永ひかるさん。
清らかに、流れるような語り口で、はかなくも鮮やかな青春を描いた名作の読みどころを紹介。静かながら、心に訴えかける表現力で、観客を引き込みます。
発表する書籍は、福永武彦の『草の花』です。

3番目は、明治学院大学の小野朝葉あさはさん。
明るく、わかりやすい表現で、幻想的な連作短編集から受けた感銘と、印象に残った言葉を紹介します。
発表する書籍は、福永武彦の『夢見る少年の昼と夜』です。

4番目は、早稲田大学の伊藤詩緒しおさん。
作品のセレクトからも個性十分。まるで落語のよう軽妙洒脱な語り口で、落語の面白さや、作品の魅力を表現します。
発表する書籍は、三遊亭圓生の『噺のまくら』です。

ラストは、東京大学の山川一平さん。
自身が研究する「古典力学」に絡めて、作品を紹介するという高度なプレゼンを披露。一見単純に思えて実は奥が深い作品の面白さを、独特の感性で訴えかけます。
発表する書籍は、河野多惠子の『』です。

個性溢れる5人のプレゼンテーションも終わり、観客や審査員に最も深く訴えかけたのは、いったい誰だったのでしょうか?
動画を見た方は、どのプレゼンが良かったと思いますか?

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審査がスタート! 特別プログラムも大好評!

休憩時間を挟んで行われたのは、『僕の未来だった君へ』が注目の新進作家・鳥海嶺さんによる「番外編書評バトル」。
遠藤周作の『決戦の時』で臨みます。
作品の読みどころはどこか、わかりやすく、そして熱く解説してくれました。

続いて、『さよなら、田中さん』が大ヒット中の、現役中学生作家・鈴木るりかさんのトークショーがスタート。るりかさんの大好きな昭和文学に対する思いや、創作秘話、アイディアの源などについて語ってくれました。
るりかさんの中には、色川武大や、安岡章太郎、遠藤周作の作品など、昭和文豪から受けた影響が息づいているのだそうです。昭和という時代はもう戻らないということによる喪失感、それゆえの愛おしさ、昭和文学の持つあたたかみや深みが、るりかさんにはとても魅力的に感じられるとのこと。そんな昭和文学や古典から物語の着想を得ることもあるというるりかさん。新作の発表も控えているとのこと。とても楽しみですね。

審査結果発表!

いよいよ、最優秀賞、審査員特別賞の発表へ。

会場の皆さんのポイントと、審査員からのポイントを合算し、
なんと1ポイント差という大接戦の末、
最優秀賞は、東京大学の山川一平さん、
審査員特別賞は、早稲田大学の伊藤詩緒さんに決定!

昭和文学の魅力を存分に味わうことができ、若き才能にも触れることができた1日に。
P+D BOOKSはこれからも続々、名作を復刊します。ご期待ください!

初出:P+D MAGAZINE(2018/09/21)

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