大島真寿美
「大島小姐~、許留山、つぶれちゃったらしいですよ、知ってます?」
「知ってる~。泣」
これは、約二十年ぶりに繋がった友人とのメッセージのやりとり。
許留山、というのは香港スイーツのお店の名前。私が
◎編集者コラム◎
『ツタよ、ツタ』大島真寿美
ツタのモデルはわたしの祖母だ。
わたしが13歳のときに亡くなったその人が、作家だったとはまったく知らなかった。わたしの知っている祖母は、いつも茶
◎編集者コラム◎
『空に牡丹』大島真寿美
みなさんは自分の両親の半生を、詳しく知っていますか? 祖父母のことは? 曾祖父母のことは? 会ったことのない遠い身内だと、知っていることといえばどこ
──『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』は実在した文楽の作者・近松半二を主人公にした小説です。伝統芸能である文楽をテーマに執筆することになった経緯を教えてください。
大島 最初は「歌舞伎をテーマにした小説