荒野の古本屋

 社会科の選択科目は「政治・経済」だった私にとって、歴史の授業は主に内職または睡眠に充てられた。本を読み、その登場人物を愛し、ストーリーを追いかけるのは何よりも好きだった少女が「歴史」にハマらなかったのは、ひたすら「点」を暗記するだけの作業に楽しさを見いだせなかったからだろう。
 この度、はじめて文庫で本を出版させていただきました。単行本は、これまでも、何度か出版した経験がありましたが、文庫となると、また違う嬉しさがありました。私は、一九九八年に神保町の古本屋に就職したので、その後の茅場町、今の銀座と、かれこれ二十三年のあいだ、本を販売する仕事をしています。また本書にも書いた通り、それ以前も、
◎編集者コラム◎ 『荒野の古本屋』森岡督行
◎編集者コラム◎ 『荒野の古本屋』森岡督行 大都会の明かりを背に、本を携えつつ馬に乗るのは著者の森岡さん。イラストレーターの山口洋佑さんが森岡さん以上に森岡さんな装画を描いてく