たかどの まどか

高殿円

神戸市生まれ。二〇〇〇年に『マグダミリア三つの星』で第4回角川学園小説大賞奨励賞を受賞しデビュー。『トッカン―特別国税徴収官』『上流階級』はドラマ化され話題に。近著に『コスメの王様』。

採れたて本!【エンタメ】
 自分が働いて稼いだお金を、一体何のために使いたいか。そう問われると、皆が「幸せのため」だと答えるのではないだろうか。鞄や服を買うのも、生活用品を買うのも、家族で暮らす場所を買うのも、休日に過ごす旅行先の宿泊を買うのも、すべて自分や周囲の人間の幸せが手に入ると思っているからだろう。しかし他人や時代の空気に流されず、何が
 一流百貨店の外商部を舞台にした人気のお仕事小説シリーズ『上流階級』も、はや四巻目! ちょっと三巻分の主人公・鮫島静緒を振り返ってみますと! 一巻目で静緒は、パティスリーのバイトから一流百貨店外商部の正社員となって芦屋の個性的なセレブたちを相手に月に1500万円ノルマ達成に奮闘し、大嫌いな同僚の桝家修平(ゲイ)と同居す
『上流階級4』冒頭ためし読み
第一章 外商員、部下を持つ 「おめでとう、ついに年商三億行きましたね」 帰宅したら、ナパバレーと顔のいい年下の恋人ではない男がソファに寝っ転がって鮫島静緒を待っていた。「なにしてんの?」「なにって、お祝いですよ。今日は代休だし水曜だし、百貨店の人間は朝から店じまいがすり込まれてるんです。働いてるのはあなたくらい」「……
「推してけ! 推してけ!」第17回 ◆『コスメの王様』(高殿 円・著)
評者=中江有里(俳優・作家) 二匹の「子狸」が大化けした物語 コスメティックスの語源はコスモス=宇宙であると著名な画家から聞いたことがある。人間はこの地球上で自分たちが異質の存在であると知り、化粧(コスメ)をすることで宇宙との同化を試みたという。日常的な化粧を壮大な宇宙と絡めて考えることはないが、化粧は単に身だしなみと
高殿 円『コスメの王様』
故郷・神戸を舞台にした、華やかな物語を書きたかった 故郷の神戸をがっつり舞台にした、華やかな物語を書きたいとずっと思っていた。前作『グランドシャトー』では、おかげさまで大阪のいいところをぎゅぎゅっと濃縮して書き切れたことにとても満足したし、夜の街というデリケートな題材ではあったので地名や地域をそのまま書くことに難しさは
◎編集者コラム◎ 『上流階級 富久丸百貨店外商部Ⅲ』高殿 円
 百貨店の外商部って、ふだん私たちはなかなかお付き合いありませんよね。私は一度、某有名作家のご自宅に伺っているときに、某有名百貨店の外商部員二人が、キラキラのアクセサリーが詰まった箱を開けて、作家の奥様に、「これは限定10点もののネックレスで、奥様には絶対お似合いですよ」と満面の笑顔で勧め、奥様が「そうなのね。で、おいくらかしら?」とお聞きになると、「はい、300万でございます。いつもご贔屓いただいているので、精一杯勉強させていただきます」というやりとりを聞いて卒倒しましたが、さらに、私が座っていたカーペットは2000万で外商さんから購入されたと聞いて、汚したらたいへん!と、思わずカーペットからとびのいて、床に避難した記憶があるくらいです。
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女性らしさではなく、自分らしさで勝負したい。  老舗百貨店の外商員として男社会のなかで奮闘する高卒、中途採用、バツイチ、アラフォー女子の主人公・鮫島静緒。顧客は日本有数の高級住宅地・芦屋のセレブたち…
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竹内結子主演でドラマ化され話題となった『上流階級 富久丸百貨店外商部』が、ついに文庫化されました。ファンのみなさま、お待たせいたしました!この作品は、日本一の高級住宅地がある街としても知られる兵庫県芦屋市を舞台に、百貨店の外商部で働き始めた女性が、月1500万円のノルマを抱えながらセレブなお客様相手に奮闘する日々を描いたお仕事小説です。
高殿円
 すべての始まりは、自身初となる新聞小説の依頼が舞い込んだことだった。 「最初は週一回刊行の子ども新聞で連載を、という話だったんです。うちには小学四年生の息子がいるんですけど、まぁ頭の中はドッヂボール