ためし読み

夏川草介の新刊『始まりの木』 第1話まるごとためし読み!
第一話 寄り道  九月の弘前は、いまだ夏の名残りを濃厚に残していた。  時候はすでに秋の入り口だというのに、照りつける日差しはまるっきり真夏のそれで、駅のホームに光と影の濃厚な陰影を刻みつけていた。