ゆっきゅんの毎日今日からちゃんとしたい日記 ☆2026年1月前半★

ゆっきゅんの毎日今日からちゃんとしたい日記2026年1月前半

 1月1日 

 
 昼に起きる。友人が先に公園に着く。自宅の位置的に絶対に私が向かってこない方角を前にして堂々と立って待っていて、誰を待って何を見てんだよと思ったけど、その後ろ姿がなんかかっこよくて写真を撮りながら近づいた。近所の神社、とはいえ結構歩いて、参拝の行列らしきものに並んだ。一人暮らしを始めてから、近くの神社に初詣行ったことなんて今までない。おみくじには「仕事:独自の道で大成する」とある。当たり前だ。チョコバナナを初めて食べた。

 夕方に帰宅。来月映画が公開されるらしいから初めてまどマギを全話見たけど(10話からがやばいね)寝ながら見ると画面が遠い。私の肉体が近寄って解決するよりも、もっと大きなテレビが欲しい。

 正月からMEGとAira Mitsukiの話でやりとりしてたら「ついでにお伺いしたいんですが三戸なつめの音楽活動は追ってましたか?」と質問されて、「一番ありえない回答になってしまうんですが、後追いでしたね」と答えた。『おでかけサマー』が好きな歌。

 1月2日 

 
 萌日ちゃんと秩父の三峯神社に行くための早起き。どう調べても三が日は混雑するって出てきたけど別にそれもいいよねって、昨夜気分が変わって予定を早め、今年をがんばるために今日初詣行くことにした。池袋に集合ってのがまず鬼門。可愛い電車Laviewに乗って秩父へ。三峯神社はバスで西武秩父駅から80分かかる。神社まで3kmくらいの地点まで来ると雪の山道で渋滞超絶徐行になって、バスを降りて歩かないといけなくなった。ここまではインターネットで忠告された通りだったし、雪が綺麗だった。

 今年こそはと入魂のお祈りを終え、お守りを買い、大雪の中で14:30発の帰りのバスに並んで乗った。5分くらい進んだところで、先の道で事故が起きたらしくバスが止まった。動き始めたと思ったらまた5分くらいで止まって、運転再開は未定。それがアナウンスされた瞬間、相槌のような速さで、後ろにいた人が連れに向かって「いい思い出だね」って言った。すごい。普段からあらゆる出来事を前向きに捉える生き方をしている人だと私に思わせるだけの速さがあった。こんな人が隣にいる人生は、かなり助かるのでは。まあ「まじで最悪だね」って言ってほしい時だってあるか。とはいえいい思い出だねマンだって、さすがに4時間半も車内で待たされるとは予期していなかったはずだから、最終的にいい思い出になったと感じたかどうかは知らない。

 いつになったら動くのかわからない車内で二人とも立ちっぱなし。立ってた人の中でしびれを切らして最初に座ったのは私でした、勇気があるから。充電の減りを気にするとスマホをいじるのも限界があり、役に立ったのは私が先週買ったKindle端末と文庫本だった。Kindleの端末は充電がよく持つので私は綿矢りささんの『生のみ生のままで』を読み始めて、たまたま『私をくいとめて』の文庫本を持ち歩いていたので萌日ちゃんに貸した。紙は充電が切れなくて本当に便利だ。だから私は今でも紙の手帳でスケジュールを管理しているのだ。私たちは4時間たっぷり、読書を楽しんでいた。

 運転手が話し始めて、やっとバスが動くのかと思ったら、湖の向こうのバス停に駅直行バスが向かうのでそこまで1時間ほど歩いて行ってくださいとのこと。18時半を過ぎて、もう暗いのに、雪が白くて薄明るくもあった。雪景色の山道は現実から隔絶された趣があり、浮世絵みたいで、広重とかは見た景色をそのままを描いてたんだなーって写真を撮って吞気に話した。

 臨時バスに乗れて、20時半には西武秩父駅について、腹が減り過ぎた私たちはすき家に行った。食べ過ぎたくて食べ過ぎた。あったかい屋内は寒い外に比べて格段に素晴らしい。今年始まったね、何でもできるね、いい思い出だね。

 1月3日 

 
 この日のメモ「大丈夫だよと言われて涙が出るようなときは危険 言われて一人になってから泣くのはもっと危険」

 1月4日 

 
 水戸旅行1日目。正月は東京じゃない場所で過ごしたい。なんとなく水戸に行くって決めてて、暇だから私も行きたいって昨日の真夜中に友達が言ってきて、じゃあ日帰りで来ればってなった。大学の先輩で『いつでも会えるよ』のMVにも出てもらった、モデルのさくら。おとといバスに閉じ込められたんだよーとか話してたらまた電車がひたち野うしくで止まった。今年は乗り物がよく止まる。

 私のネイルがいつも可愛すぎて「店員さんとか会った人とかみんなこれ可愛いって話してくれる、前は髪色とキープの話だったけどそれより先にネイルが来る」って話したら、今は黒髪だけどしばらくハイトーンだった時期のあるさくらが「あのさー、髪色キープって別に大変じゃないよね」と言ってきて爆笑した。そう、そうなの。髪色キープって別に大変じゃないし、苦労じゃないし、もはやキープしようと思ってない。恐れてはない。髪の毛はもみじ。移りゆくいろを愉しむんすわ。

 水戸駅に着いて、春には閉まってしまうらしい書店リコッタへ。90年代ゼロ年代を中心とした少女漫画古書の棚が充実していた。少女漫画の記憶の扉が眩い光と共に開いた。閉じてたことも意識になかった。毎週通っていた耳鼻科で読んだ愛してるぜベイベ★★、紳士同盟クロス、永田町ストロベリィ……。りぼんの新人賞を集めたコミックスを買った。少女漫画については、本当に好きな作家や、この人の描いていることが全てわかる的な感覚になる描き手をもっとこれから見つけられる気がしていて、今年は乱読できたらいいなあ。

 水戸芸術館で磯崎新展。水戸芸術館自体が磯崎新の作品でもあるから、会期中は館内ツアーが企画されていて迷わず参加。普段は見学できない演劇用のホールとか、会議場のカーテンらしきものをよく見るとコンクリートで出来ていたりとか、多くの意匠が西洋の名建築からの引用であったりとか、学芸員さんの解説付きで見られてラッキー。水戸芸術館のシンボルタワーの内部に丸い窓がいくつもある。それを額縁にして見下ろす街はそれぞれ表情が異なるようだった。空が感情っぽい夕方だった。建築の展覧会で私が気になってしまうのはアンビルトと呼ばれる、実現しなかった建築の計画で、空中都市・渋谷計画、空中都市・新宿計画、その模型も設計図も夢の跡すぎてかけがえない感じになった。

 1月5日 


  水戸2日目。さくらは水戸が楽しいみたいで、日帰りをやめて同じホテルのどっかに泊まった。私は締め切りがあったので午前中をホテルで過ごして、さくらは行きたい喫茶店に歩いて行っていた。

 喫茶店実況が届く。老舗に一人で入ったら今年初営業日だったぽいのもあってか常連のシニアが集まっているらしい。誰が死んだとか、どんな病気だとか。特に驚いたり大きく悲しんだりするでもなくカジュアルに情報交換している。よくお店に来ていた仲間をしばらく見ていないって話になってみんなで心配になってきた。一人のおばあさんが店を出て家まで行ったけどピンポン鳴らしても出てこない。店にあった紙の電話帳からどうにか探して電話をかけてみた。電話に出た。よかった。これをリアタイでLINEで聞いた。

 昼ごはんを一緒に食べようと思って、そろそろホテル出るよーどこ行けばいいー?と送ったら、喫茶店で知り合ったホリウチさんが観光地に車で案内してくれるから南口のロータリーに来てもらえる?と電話が来た。あの、本当に申し訳ないんだが、ホリウチさんは誰なんだ。南口をうろうろして車を探していたらさくらが笑顔で大きく手を振ってこっちを見ていた。ホリウチさんが降りてきて後部座席のドアを開けてくれる。はじめまして。ホリウチさんは今日テニスに行くつもりだったけど休みになって喫茶店に行ったらしい。ホリウチさんからしても、さくらも私も誰なんだ。謎メンって大好き。プリクラ撮りたい。

 渋い水戸城跡、擬洋風な旧県庁、お菓子の家みたいに可愛い水戸市水道低区配水塔に連れて行ってもらった。さくらとホリウチさんは喋り続けて、ホリウチさんはたくさんの記憶や知識を教えてくれた。私も全く人見知りではないんだけど、さくらはなんか知らない人と話すのが上手くて楽しそうだった。自分よりもちゃんとしてくれてる人がいる場所では私は頑張らない。こんなときの己の気楽さにこじはる性を感じたりするけど、失礼か。

 随分前に亡くなった夫は世界各国を回る仕事をしていた、願い通りに横浜の海に散骨をした、トランジットで3時間だけ行ったオランダの景色が本当に綺麗だった、孫がサッカーに本気なので親戚で集まってもサッカーの話しかしない、テニスをコートの外から見物してる人がいるなと思ったら梅宮辰夫だった、らしい。梅宮辰夫は水戸出身。

 水戸城の門の前で歩行者にスリーショットを撮ってもらったから、写真を送るためにLINEを交換して帰った。LINEを交換するきっかけだけは何歳になっても変わらないのだ。さくらもホリウチさんも帰って、私は水戸で一人になった。

 1月6日 


 水戸3日目。書店リコッタで買った「ハートの宝石箱」っていう銀色のおもちゃをルアンちゃんに見せたら「おんなじの持ってる」って返事来て、宝石箱が宝石になった。

 
 水戸の隣にある赤塚駅を最寄りとして徒歩25分の距離がある水戸市立西部図書館に行く。赤塚駅はガラス張りのトンネル状に作られていてモダンな建物。西部図書館は二階建て吹き抜けの円形ドーム型建築で、真ん中のソファを中心に書棚、街灯のような長さの照明、閲覧席が同心円状に設置されていて、2階には360度蔵書が並んでいる。聖地巡礼で訪れる人も多いらしく、写真撮影には許可が必要といくつも張り紙が掲示されていた。カウンターで写真撮影を申し込んだら、申請用紙に目的を選択する項目があって「ロケ地巡り」「建築の参考」とか色々あったけど私が「趣味」を選択して提出したら「えー、ロケ地巡りでは、ないんですね……?」と珍しそうに疑われてワロタ。ロケ地巡りの人じゃないのに、映画図書館戦争や他の映像作品で使われた時の資料を見せてくれた。

 1月7日 

 
 写真家の須藤絢乃さん主催の芸術サロン第2回。絢乃さんが所属する恵比寿のギャラリーMEMに写真集・画集・図録・貴重書や奇書をそれぞれ持参してみんなで見識を深めて美的感性を磨く、文化的すぎる会合。今回は東京都現代美術館の藪前知子さん、衣装デザイナーのYUHEIさん、グラフィックデザイナーの鈴木萌日ちゃん、MEMの高橋さんで集まった。

 CRAVITYが卵の殻からベトベトの姿で出てくるフォトブック(ベストK-POP奇書2025)や、フィンランドのアテネウム美術館で見た「ゴシックモダン展」の図録、MEGが表紙のゆるふわガーリッシュなファッションカルチャー誌『森ガールpapier*』創刊号などを部屋から持ってきた。世俗担当のつもりで。

 私の蔵書である八代亜紀の絵画作品集を6人で見ていると、藪前さんが八代亜紀の絵画に登場するシャボン玉や猫などのモティーフや構造についてページをめくるたびに大胆な仮説を次から次へとペラペラと立ててゆくのが面白かった。出オチ扱いしないでくれてみんな本当にありがとう、私は半年前に小田急百貨店の個展まで行ったの。ときどき、小説家や脚本家と話しているとその場でストーリーが動き出して話が盛り上がる流れがある(人による)けど、批評家に見たことないものを見せると感性と知性と解釈とユーモアの水泳みたいなことが起きるのかな。いや、私の周りにそんな映画評論家はいない。藪前さんだからか。一人で部屋で開くよりもずっと楽しくて、一人じゃポテンシャルを引き出し切れていない本があったんだ、本の楽しみ方ってもっとあるんだって発見した!

 1月8日 

 
 悲しいことはなんも起きてない。なんも起こしてないから。朝から夜まであったかソックスを履いた足が冷えたままだった。ダイソー行ってラメ入りの靴べらも買えたし、マツキヨココカラファインの会員登録してみせたし、LINEギフトで赤城文ちゃんがくれたリファのシャンプー届いて、部屋で羽織ってるカーディガンにはキティちゃんいます、紙コップでミロ飲みます、さすが2026年。だから何。キティちゃんいるのは背中だから見えないのね、じゃあ着てないのと同じかな、部屋でバックプリントの服着るのって意味あるんかな。あるか。あるだろ別に。機嫌悪い時だって極端なこと思って気持ちよくなりたくないよね別に。ぜんぜん繊細な感動だって出来るから大丈夫だけど、最近の自分って目の前の事柄に反応してるだけかもしれないなあ……って杜撰なフィードバックしてる場合か。やっぱり年越しって切ないね、だって私は区切りが好きだから年末に考えていたことをもう考えていない。今年はこうするぞって決意したら本当にし始めている。少しずつ新しくなる。どうせ明日になれば普通に元気。じゃあ今日も元気でよかったのにね。幼い頃、「どうせ」って言葉を使うと母親に𠮟られた。「〜のくせに」も禁句だった。わかる。言葉が心と頭の形を作るから。今夜ずっと頭が痛かったのは水分が足りないから。昨日の半分残ったミネラルウォーターをリュックから取り出して飲んだ。水分はまだ足りてない。いつも夜は眠くない。落ち込みたくない、とはいえ落ち込んでる暇はまだあるとも思う。自分から自分への期待でここまで来た自覚あるけど、明日の朝の自分に大きな期待をするのではなく、未来の自分に優しくするような今日を積み重ねて過ごしたいよ。←このあとめっちゃ明日の準備して寝た。

 1月9日 

 
 やはり今日は起きた時から元気でワロタ。昨夜寝る前に、ドラッグストアやスーパーで買ったもの、届いたシャンプーとトリートメントをあるべき場所に配置したり冷蔵庫入れたりして、服も荷物もまとめておけたので、それに従って行動した。絶対に朝に入りたいと考えていた私は、浴槽に入浴剤を撒いてから寝ていた。そうせざるを得ない状況に自分を持っていく。この方法は今後も採用されることがあるのだろうか。なんか、間抜けではあるが、間抜けでも全然いいに決まってる。人目を気にして個人生活をやってるわけじゃないから。

 
「約束の丘」と呼んでいる喫茶店があり、どんなときもそこに行けば必ず仕事が出来る。締め切りが迫ってからたどり着く、約束の丘。その丘に赴くときはいつも、似たような状況にいるのではなかろうかと思える顔をしている仲間たち(ただの、知らない周りの客である)がいることも心強い。自分がそこに行きたくなるのはいつも夜から深夜の時間帯で、夜以外だって締切は十分やばいのに、昼間なぜか行きたくならない。昼間はどこにいたらいいの。だから私は今日「約束の丘S」に目星をつけて確かめに行った。あそこなら、のびのびと作業も読書も執筆もできるのではないか。期待通りだったので、採用。ここを約束の丘Sとす。何度も果たしていきたい。これからは約束の丘(無印)と約束の丘Sを行き来し、自分と誰かの夢を叶える。本を半分読んだ。

 
 夜は高田馬場のビストロ「ラミティエ」で平野紗季子さん、金原ひとみさん、金原さんのエッセイにも出てくる共通の友人のTさんと新年会ディナー。私の書く日記について金原さんが「絶対できる限り実名出して書いたほうがいい」と言ってくれて、そうしようって思った。今何を食べているのか料理名もわからないくらいオシャレだったけど出てくるもの全てが美味しかった。

(次回は3月26日に公開予定です)

 


ゆっきゅん
DIVA・作詞家 1995年岡山県生まれ。青山学院大学大学院文学研究科比較芸術学専攻修了。2016年、ルアンとのサントラ系アヴァンポップユニット「電影と少年CQ」を結成。2021年よりセルフプロデュースでのソロ活動「DIVA Project」を本格始動。アーティストとして楽曲を発表するほか、作詞提供、コラムや映画評の執筆など活躍の幅を広げている。アルバムに『DIVA YOU』『生まれ変わらないあなたを』、最新EPは『OVER THE AURORA』。文化放送「武田砂鉄 ラジオマガジン」水曜後半レギュラー。
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