【おすすめ】読書が進む快適な居心地。都内のブックカフェに行ってみた。
居心地の良い空間で読書をすると、リフレッシュできるものです。本好きにはたまらない、雰囲気あるお店がたくさん。お店ごとの特色もさまざまな、都内にあるブックカフェを紹介します。
「読書が好きな人はカフェが好き」そんなイメージはありませんか?
コーヒーを片手に小説を楽しむ……、映画のワンシーンにもよくありますよね。
「自宅で本を読むと集中できない」、「美味しいコーヒーや紅茶を飲みながら優雅なひと時を味わいたい」、「カフェの雰囲気が好き」など、様々な理由からカフェで読書をする方が多くいると思います。
近年では自分で本を持ってこなくてもお店で本を借りるか購入して、そのままカフェゾーンで読書を楽しむことができるブックカフェが増えてきました。図書館のようにずらりと本が並んでいて、好きな本を選んで読むことができるお店と、試し読みをしてから気に入った本を購入することができるお店があります。そして読書にぴったりのドリンクやデザート、軽食をのんびりと楽しむことができます。お酒を嗜むこともできるお店もあるので、仕事帰りに軽く1杯お酒を飲みながら読書タイムを楽しめます。
老舗から新しくできたカフェまで、居心地の良いブックカフェを紹介します。
【マイルストーン/高田馬場】
学生街・高田馬場の駅から歩いて5分ほどの場所にある、ジャズに関わる本が1,000冊以上置いてあるジャズ喫茶です。
粋な和服を纏った店主が迎え入れてくれる店内で、まず目に入るのは壁一面の本とレコード、そして大きなアンプとスピーカー。
心地良いジャズがBGMとして流れ、音楽と読書を同時に楽しむことができます。小説だけではなく、雑誌と漫画も置いてあるので、その日の気分に合わせて選べます。
高田馬場で一番古い老舗ジャズ喫茶として、昔から変わらずに営業をしているこの店は固定ファンも多く、開店と同時に来店して読書を楽しむ人もいます。
ウイスキーがずらりと並んだカウンター席もあり、夜はバーとして美味しいお酒を飲むこともできます。からあげやシュウマイ、おでんもあるのでお仕事帰りの晩酌にもぴったりです。
ジャズ好きな店主のおすすめの本は『ジャズ日本列島』
日本中のジャズ喫茶をまとめた40~50年前の本で、現在は販売していない貴重なガイドブックです。
・おすすめメニュー
自家焙煎珈琲/550円
ピザトースト/400円
完熟自然コーヒーであるブレンド・ナチュラルは、薫り高く、コクと甘みをぎゅっと凝縮させた深い味わいです。
ふわふわのピザトーストは5センチもの厚みがあり、たっぷりとトマトソースがのっていてボリューム満点。ボリューミーですがふわふわの食感なので、ぺろりと食べることができます。
壁に並んでいる本とレコードは販売もしていて、本を購入するとドリンクが100円割引となります。
本が好きな方はもちろん、喫茶店やジャズが好きな方にもおすすめです。
住所:新宿区高田馬場1-23-9イガリビル1F
電話番号:03-3200-4513
営業時間:月~金 12:00~23:45 土・日・祝 13:00~23:45
定休日:月曜日
【よるのひるね-夜の午睡-/阿佐ヶ谷】
中央線の阿佐ヶ谷駅にひっそりと佇む「よるのひるね-夜の午睡-」は、夕方から営業を始めるブックカフェ&バーです。コーヒーからアルコール飲料まで、様々なドリンクとフードも充実の大人の隠れ家です。
本棚には古書、イラストレーター・長尾みのるの画集、独特な絵柄の漫画も多いので、1人の世界に浸りたい方にも人気です。
昭和レトロ感ある落ち着いた店内にはカウンター席とベンチがあり、どちらも雰囲気が異なるため、その日の気分で選んでゆったりとくつろげます。
楽器や、ポスター、本などなど……。店主の好きな物が溢れたお店は、トーク・ライブ、ワークショップなどのイベントで使用することもできるそうです。
店主のおすすめの本は、名作古書の復刊や特色のある新刊書籍の刊行を行うよるのひるね出版部・よるひるプロで復刻した牧美也子による3部作『シリーズ星座の女』より『白百合三代忌』です。
終戦間近に夫を失った悠子が別の男と恋をするも、実は夫が生きていたという事実を知り心が揺れ動く様が描かれており、漫画の完成度が高く史料性もある一冊に仕上がっているとのこと。
「よるひるプロ」は他にも様々な名作古書の復刊をしており、特徴的な漫画や面白い画集も出版しています。なかなか出会えない貴重な本がたくさんあるので、珍しいもの好きの方は心が躍るでしょう。
・おすすめメニュー
ホットバタードラム/600円
体の中からじんわりと暖まりながら読書に集中できるホットカクテルです。ほんのりとした甘さの中にシナモンの香りがふわりと立ち上り、レトロなブックバーの雰囲気をより一層堪能できます。
コーヒーやパスタやチャーハンなどのご飯もの、デザートもあるので、1人でも友人と食事をしながら読書を楽しむ会を開催するのにもおすすめの店です。
http://yoruhiru.com/
住所:東京都杉並区阿佐谷北2-13-4 1F
電話番号: 03-6765-6997
営業時間:18:30~25:00(L.O 24:30)
定休日:火曜日
【本屋B&B/下北沢】
「下北沢で本を探すならここ!」とおすすめしたい書店があります。
ブックコーディネーターの内沼晋太郎さんと、博報堂ケトルの嶋浩一郎さんが協業で開業した本屋B&Bは、「これからの街の本屋」というコンセプトの新刊書店です。
「本屋B&B」(B&BはBook&Beerの略)という名前の通り、ビールはじめとする各種ドリンクを飲みながら本棚を見て回ることができます。本棚にジャンル表記がなく、お目当ての本を探すにはゆっくりと店内を見て回ることになります。そのため、あまり触れたことのないジャンルの本とも出会うことができます。店員が置きたいこだわりの本だけを置いているため、どのジャンルも個性的な本が揃っています。
おすすめの本は、本屋B&Bが初の出版プロジェクトとして刊行した、『下北沢について』シリーズと、幻冬舎文庫『もしもし下北沢』です。
いずれも、下北沢にゆかりのある作家・吉本ばなな(※当時はよしもとばなな)による作品です。
『下北沢について』は、2016年にまとまって1冊の書籍となり、幻冬舎から発売されています。
どちらも表紙には、下北沢にゆかりのあるイラストレーター・大野舞のイラストで、『もしもし下北沢』では、下北沢の街並みを描いています。下北沢のことを肌で感じられる1冊です。
・おすすめメニュー
サントリー ザ・モルツ 生ビール/500円
GUEST BEER/内容・値段日替わり
季節のブレンド珈琲/500円
定番の生ビールもありますが、イベントや季節に合わせて、限定のゲストビールも登場します。
コーヒーはスペシャルティコーヒー豆専門店CAFÉ FACONの季節ごとのブレンドで、3ヶ月に1回内容が変わります。注文された方には、そのブレンドをイメージした、作家や詩人によることばのカードが貰えます。
本屋B&Bでは毎日イベントを開催しています。リンクにある「本日のB&B」というページに記載されているイベント情報をご覧下さい。
http://bookandbeer.com/
住所:東京都世田谷区北沢2-5-2 BIG BEN B1F
電話番号:03-6450-8272
営業時間:12:00~23:00(L.O 22:30)
定休日:年始のみ
【本と珈琲 梟書茶房/池袋】
東京メトロ有楽町線 池袋駅直結のビル・Esola池袋の4階にある「本と珈琲 梟書茶房」は、ドトールコーヒーの新業態で、「かもめブックス」代表の柳下恭平さんが選んだ1000銘柄以上の販売書籍と約2000冊近くの閲覧可能な蔵書がある、ほぼワンフロアの広々としたアンティークテイストのブックカフェです。
「Caffee meets Books~あらたな本との出会い」がテーマで、読書をしながらゆっくりコーヒーを飲むための空間作りにこだわっています。
おひとり様席で読書に没頭できるアカデミックエリア、オープンなラウンジ、ゆったりできる2名がけの図書エリアなど、様々な趣向が凝らされたエリアに分かれています。読書、カフェ、お食事メインなど、様々な目的に合わせて利用しやすいブックカフェです。
梟書茶房の1番の特徴は、表紙が隠された本がずらりと並んだ本棚です。カバーをとるまではどんな本なのかわからないようになっていて、表紙に書いてある推薦文を読んで気に入った一冊を見つけ出すのは、宝探しのようでワクワクします。推薦文には次読むのにおすすめの本も書かれていて、何度も本棚に手が伸びてしまいます。
一冊一冊にナンバリングしてあるので、誕生日や記念日、来店日などの数字に合わせて本を見つけるのもおすすめの選び方だそうです。誕生日やイベントの時などに人にプレゼントするのもおしゃれですね。
図書エリアにはかもめブックスの柳下恭平さんが選んだ本が約2,000冊近く(店内の蔵書全体の数)が並んでいて、自由に手に取れます。
・おすすめメニュー
本と珈琲のセット/1,500円~
数量限定販売で「偏愛」、「孤独」等、ブックマスターである柳下恭平とコーヒー賢人である菅野眞博が毎回共にテーマを決め、テーマに合わせて選んだ梟叢書と、コーヒー好きを唸らせるこだわりの叢書ブレンドが楽しめるセットです。
デザート付きの時もあり、写真のセットに含まれるシフォンケーキは本型になっています。過去にテーマにされていたバックナンバーの詳細はHPに掲載されていますので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
https://www.doutor.co.jp/fukuro/
住所:東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola(エソラ)池袋 4F
電話番号:03-3971-1020
営業時間:10:30~22:00(L.O 21:30)
定休日:無(ビル休館日に準ずる)
おわりに
ブックカフェには店ごとのこだわりがあり、図書館とは違って、食事も楽しめます。お1人様はもちろん、本好きカップルのデートの場としてもおすすめです。
お気に入りの本を見つけて読み切れなかった場合も、購入できるお店なら、購入して自宅でゆっくりと続きを読むことができます。
いつもとは違う空間で、ゆっくりと読書を楽しみたい方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
初出:P+D MAGAZINE(2019/02/15)