ハクマン 部屋と締切(デッドエンド)と私 第50回
日本は「紙フェチ」国家だが、
コロナの影響でさいとうたかをプロまで
デジタル化するレベルである。
コロナの影響でさいとうたかをプロまで
デジタル化するレベルである。
それとこれはコロナは関係ないのだが、鬼滅の刃に続き、ジャンプの人気漫画チェンソーマンが人気のまま割とタイトな巻数で終了したという。
ジャンプと言えば人気がある限り続き、作者が死んでもAIに描かせるというイメージだったが、どうやら引き延ばしより回転数の方を上げる方針になったようだ。
これはジャンプだけではなく漫画業界全体がそうなっているように見える。
これは不人気作家はより打ち切られやすくなってしまったということだ。
だが逆に言うと、他人がさっさと見切りをつけてくれるというのが漫画の良いところとも言える。
一般企業の社員であれば、一応労働者の権利が守られているということになっているので、そう簡単に解雇はできない。
その代わり「自主退職するかマッドマックス支店に出向するか選べ」というさらなる非道が横行しているとも言えるが、自分がやめると言わない限り居座れる場合も多い。
だがそれ故に、給料が安く、スキルが身につかない仕事をズルズル続けて、気づいたらもう他の仕事には就けない年齢になっているということも多い。
仕事面だけではなく、本来なら2カ月と3週間で別れるべき相手とズルズル3年ぐらいつきあってしまったという経験がある人も多いのではないだろうか。
ダメだとわかっていても、それを自分でやめるというのはなかなか難しいものである。
当然その間に年は取るし、その間にあったチャンスも逃している恐れもある。
その点、漫画は他人が「もうダメだからやめろ」とスッパリやめさせてくれるだけマシといえなくもない。
しかし、漫画を描くこと自体を誰かがやめさせられるわけではないので大差がない気もする。
来年、もしくは今年当連載が「漫画家コラム」から「コラム」というざっくりしすぎな存在にならぬよう、応援いただけると幸いである
(つづく)