ハクマン 部屋と締切(デッドエンド)と私 第88回
才能を見つけるのも大事だが、
才能がないと理解することも
大事である。
自己分析に長けている人は、学生時代に「自分に社会人の才能がない」と気づき、最初から就職という選択肢を持たなかったりする。
こうやって、親戚間に1人はいる何をやっているのかわからないが、何かやって生きている、就職童貞おじさんやおばさんが爆誕するのだ。
こういうと、就職しなくても何となく生きていけるような雰囲気がするが、何となく生きていけなかった人は死んでいるので姿が見えないだけである。
おそらく一定数は死んでいると思われるので積極的にはお勧めしない。
しかし、自己分析ができていたおかげで、最初から就職という自分に向いていない選択肢を外し、自分や周囲の時間を無駄にせずに済んだとも言える。
だが、その時間が無駄だったかどうかを決めるのも自分自身である。
例え、右玉と左玉を入れ替える挑戦に5年の歳月を費やし、結局諦めたとしても「時間をドブに寄付する慈善事業に5年従事した」と思えば、無駄ではない。
実はこのコラムを読んでいる時間も相当無駄なのだが、それを無駄にしたと嘆くか、オレの時間を恵まれない無職にチャリティーしてやったと充実した気分になれるかは自分次第なのである。
(つづく)
次回更新予定日 2022-8-10