【栃木県民マンガ】負けるな!ギョーザランド!! 第4回 栃木県は世界に冠たるB級王国だ! まんが/いちごとまるがおさん 監修/篠﨑茂雄

栃木の神番付を上げるために、自転車のイベントに参加していたチャオズといちまる。ところが埼玉神、群馬神、茨城神も参戦。上位入賞を目指すという。このままでは、チャオズの神番付はさらにダウンしてしまうかも?! がんばれ、チャオズ、イチマル!

 

スポーツ王国を自認する栃木県。
ボクシングの世界チャンピオンや
伝説の横綱を輩出しただけではなく、
バスケットボールや自転車ロードレースなどの
新しいプロリーグでも華々しい成績を収めている。
え? マイナーなB級スポーツだろうって!?
そんなことを言ったら、
かぬまふるさと大使のガッツ石松さんに
おこられっぺよ!

 

マンガ中の記号(※1)などは、マンガのあとに出てくる用語解説「餃子国の歩き方」の番号と対応しています。
 
 











 
 

 

(※1)那須高原ロングライド


 自然が豊か、かつ変化に富んでいる栃木は、サイクリングにうってつけ! というわけで、県内では大小さまざまな自転車イベントが開催されている。○×エンデューロ/クリテリウムといった健脚を競うレース、自然の風景を楽しみながらサイクリングを楽しむ■▲ロングライドなどがあり、基本的にエントリーすればだれでも参加可能だ。
 那須高原ロングライドはコロナ禍による中断を経て、2022年9月に記念すべき第10回目を迎えた人気イベント。那須のショップなどがエイドステーション(休憩所)を出していて、グルメやスイーツも楽しめ、県内外から1500人が参加したとか。
 もっとハードなものがお好みなら、「ぐるとち」はいかがだろうか。なかでも超上級のアラウンド栃木宿泊コースは、那須からいろは坂を登って奥日光へ。そこから南下して鹿沼、佐野を回り、渡良瀬遊水地から北上。真岡、益子とたどって那須に戻る、2日間、355㎞の超ロングライドだ。以前、国際ロードレースとして開催されていたツール・ド・とちぎを一般向けに模様替えしたもので、2022年5月が第1回目。
「栃木 自転車イベント」で検索すると、毎週のように県内のどこかで開催されている。痩せたい、健康になりたい、体を動かしたい、と思ったら、迷わず栃木県にGO!

(※2)宇都宮ブレックス


 Bリーグに加盟するプロバスケットボールチーム。リーグが開幕した2016-17シーズンにいきなり優勝! その後も毎年のように優勝争いに加わっている強豪チームだ。精神的支柱となっているのは、日本人初のMBAプレーヤー・田臥勇太。宇都宮ブレックスの名前は知らなくても、「能代工業の田伏」は耳にしたことがあるだろう。
 2021-22シーズンは見事優勝に輝いた宇都宮ブレックスだが、22-23シリーズは群馬クレインサンダーズ、茨城ロボッツの後塵を拝する苦しい展開。ブレックス(BREAK THROUGHにちなんだ名称)の名のとおり、現状を打破してくれ!

(※3)宇都宮ブリッツェン/那須ブラーゼン


 2021年に始まったプロのサイクルロードレースリーグ。22年は10チームで激しい争いが繰り広げられている。
 もともと、全日本実業団自転車競技連盟(JBCF)が主催していたJプロツアーを、発展解消するかたちで新リーグをつくろうという構想があった。それがコロナの影響もあって棚上げになってしまったこともあり、数チームがJBCFを脱退して、地域密着を掲げるJCLに参加したわけ(でも、リーグ統一に向けて交渉が続けられている)。
 それにしても、栃木にふたつもプロチームがあるのはすばらしい!さすがは“自転車先進県”だなや。

(※4)ガッツ石松/ピストン堀口


 ピストン堀口は真岡市生まれで、昭和初期に活躍した伝説的なボクサー。デビューから47連勝、通算138勝と無敵の強さを誇ったが、太平洋戦争の影響もあって世界タイトルには恵まれなかった。
 鹿沼市生まれのガッツ石松は、バラエティ番組でいじられている姿が印象に残っているかもしれないが、アジア人初のWBC世界ライト級チャンピオンで、5回も防衛したすごい人。ボクシングの解説なんかでも、栃木なまりで「なるほど~」とうならせるコメントをしていた。
 でもね、やっぱり、大ボケぶりがサイコー!「ボクシングに出会ってから、人生観が380度、変わったんです」などの発言がおさめられている『最驚!ガッツ伝説』(光文社)は、疲れた心をこれでもかというほど癒してくれるはず。残念ながら中古でしか手に入らないけど。

(※5)明石志賀之助


 大相撲の頂点、横綱。2022年現在、73人の横綱が誕生しているが、その初代はなんと栃木の人。江戸時代初期に活躍したといわれる明石志賀之助だ。日本相撲協会もちゃんと認定しているのだが、残念ながら実在の人物かどうかは疑わしいらしい。なんたって、身長251cmっていうんだから、ジャイアント馬場が泣いて謝り、アンドレ・ザ・ジャイアントが裸足で逃げだすレベルだ。相撲協会が認定する第2代横綱も栃木出身の綾川五郎次。江戸時代中期の人だが、残念ながらこちらも記録が乏しい。
 伝説ではなく、実際に活躍した栃木県出身の横綱は、第27代の栃木山。大正時代の人で、“近代最強”との呼び声も高い。春日野部屋に「栃○○」という力士が多いが、このしこ名はもちろん栃木山にちなんだものだ。
 で、栃木県出身の横綱は、伝説を含めてこの3名のみ。昭和、平成、令和と3つの時代で横綱が誕生していない。あ~あ。

「負けるな!ギョーザランド!!」は、毎月10日と25日に公開予定です。


 

■プロフィール

まんが:いちごとまるがおさん

田んぼに囲まれた田舎で創作活動を続ける、ひきこもりのおたく姉妹ユニット。栃木県佐野市在住。
姉の小菅慶子(代表)は1985年生まれ。グラフィックデザインから漫画、動画編集、3DCGまでやりたいことはなんでもやる。通信制高校の講師も。趣味はゲーム、ホラー映画、都市伝説。

 

監修:篠﨑茂雄

1965年、栃木県宇都宮市生まれ。大学・大学院で社会科教育学(地理学)を専攻したのち、県立高校の社会科教員を経て、現在は博物館に勤務。学芸員として、栃木県の伝統工芸、伝統芸能、生産生業、衣食住等生活文化全般(民俗)の調査研究、普及教育活動を行う。
著書は『栃木「地理・地名・地図」の謎』(じっぴコンパクト新書)、『栃木民
俗探訪』(下野新聞社)など。

■作者よりひとこと

■今回のお題「スポーツ」

(いちごとまるがおさん)
今回、スポーツバイクを描きながら、はたと思い出したのですが、小学校のときに自転車部に入ってました。あまりに部員がいなくて、本当は吹奏楽部だったのですが、無理矢理先生に入部させられた記憶が……笑 得意と言えるスポーツは水泳ですかね。球技系はぜんぶ苦手です……(がんばります)。

(篠﨑茂雄)
見る方が専門です。地元のチームや選手が出ていると応援してしまいます。サッカーやアイスホッケーも注目の競技です。

初出:P+D MAGAZINE(2022/10/18)

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