有馬美季子『ご縁おむすび屋 青が咲く』

有馬美季子『ご縁おむすび屋 青が咲く』

江戸時代の婚活アドバイザー・お結の奮闘記!


 私が描いた<ご縁おむすび屋>とは、いわば江戸時代の結婚相談所です。
 ヒロインのお結は婚活アドバイザー兼ウエディングプランナー。縁結びのプロですが、ワケあって独り身。そこはかとなく哀愁を漂わせながらも、相談に訪れる人たちを幸せにするべく、奔走します。
 仕事を手伝ってくれる仲間たちは、同じ長屋に住んでいるヨネやお近、料理人の善吉など。善吉とは仄かによい雰囲気で、二人がどうなっていくのか、作者の私も楽しみです。

 シリーズ第1巻の『青が咲く』では、四つの物語を書きました。
 第一章では、ほし問屋の若旦那がお結のもとを訪れ、縁組の相談をします。ところがお見合いをしても、仕事に関する鰯の話ばかりして、相手には退屈だと呆れられる始末。
 人は好いけれど不器用な若旦那と結ばれるのは……さて、いったいどのような女性なのでしょう。
 第二章では、お結が初めて縁結びをした、友のお千絵のことを回想します。自分を振った男を見返すために、お結に励まされながら、幸せ探しを始めたお千絵。悩みながらもお見合いを繰り返し、ある時、彼女はお結に気持ちの変化を打ち明けます。
 友の言葉にお結は心を打たれ、縁結びを仕事にするまでに至るのですが……お千絵はお結に何と言ったのでしょう。
 第三章では、少し翳のある、魅力的な女の蒔絵師・が相談にきます。現代にも通じるような自立した女性の留衣が嫁ぐのは……いったいナニモノなのでしょう。
 第四章では、年老いた両親に祝言を挙げさせたいと願う兄妹が、相談にきます。両親は貧しい中、必死に働いて自分たちを育ててくれたので、恩返しをしたいというのです。けれども両親は恥ずかしがり、今さら祝言なんて、と突っ撥ねます。
 お結はかたくなな彼らを、どう説得するのでしょうか。

 心温まる祝言から、少し意外な祝言まで、様々な結婚の形を描いてみました。
 サブタイトルの『青が咲く』について、説明させていただきます。皆様ご存じのように、「青」という語には、若い、初々しい、などの意味があります。では歳を重ねれば、青は失われ、みずみずしい思いは枯れていってしまうのでしょうか。
 否。いくつになっても気持ち次第で、青を咲かせることができる。タイトルには、そのような思いを込めました。

 悩める者たちの縁を結んでいくお結の奮闘ぶりと、様々な人たちの幸せ探しを、お楽しみいただけましたら嬉しく思います。

 第2巻では、前シリーズの『花蝶屋の三人娘』でお馴染みのキャラクターが、名前を少し変えただけで、ほぼそのまま登場します。『花蝶屋』をご贔屓くださった皆様、今回のシリーズもどうぞよろしくお願い申し上げます!

  


有馬美季子(ありま・みきこ)
2016年、『縄のれん福寿 細腕お園美味草紙』で、時代小説デビュー。21年に、「はないちもんめ」「はたご雪月花」の両シリーズで、第10回日本歴史時代作家協会賞文庫シリーズ賞を受賞。おもな著作に、「お葉の医心帖」シリーズ、「深川夫婦捕物帖」シリーズ、「小鍋屋よろづ公事控」シリーズなどがある。

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ご縁おむすび屋 青が咲く

『ご縁おむすび屋 青が咲く』
著/有馬美季子

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