◎編集者コラム◎ 『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』福徳秀介

◎編集者コラム◎

『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』福徳秀介


『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』写真
中央が本来のカバー
向かって左が全国的に流通する映画の全面帯、
右が関西だけの限定版全面帯
今回はカバーを3種類作りました。

 この本の親本となる単行本が発売されたのは2021年11月。ジャルジャル福徳秀介さんのデビュー小説だ。この時期はコロナ禍でいったん決まった発売日が延期になったり、イベントも中止になったり。でも、ジャルジャルが念願叶って「キングオブコント」王者に輝いたりもした。

 担当編集としては、「まずこの小説を、なんの先入観も持たないで読んでほしい!」ということが一番の願いだった。福徳さんのこの小説への向き合い方は大変ストイックで献身的でひたむきだった。何度も何度も鬼編集者のもと、改稿を繰り返した。改稿する度に、人並み外れたセンスの片鱗を見せてくれるのだけど、何回目かの改稿で、あの長台詞が登場したときは「やったー!」と思った。(ネタバレです。笑)そこには、是非、注目してほしい。

 いまだに、著者も担当編集も顔を合わせると「本当に良い小説!」と言い合うという珍しい小説だ。まるで親バカのように小説ほめる奴、という感じだろうか。

 今回、映画化をきっかけに文庫化となった。映画は萩原利久さん、河合優実さん、伊東蒼さん、黒崎煌代さんという大注目の若手演技派キャストが勢揃い。初号ラッシュを観た時は、泣けて泣けて席を立てなかった。あの長台詞も、もちろん健在。

 今回、その映画の全面帯ということで、映画の場面写真を豊富に使用した。巻末には、萩原利久さんと河合優実さんの特別対談も収録。こちらも必読です。 そして、その映画の全面帯をめくると……。この、本来の可愛らしいカバーにも是非、注目してほしい。この犬の表情、なんだかとっても和むのです。持っているだけでハッピーになれる、そんな一冊だと信じています。笑

──『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』担当者より

今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は
『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』
福徳秀介
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