今月のPick UP
「WEBきらら」好評連載。瀧井朝世さんによる、作家インタビュー!
きっかけは小さな訂正記事
元神戸新聞の記者として、ジャーナリズムの世界に身をおいていた塩田武士さん。新作『歪んだ波紋』は、現役の新聞記者や元記者たちを主人公に、さまざまな"誤報"とその後を描く短篇集
一人の男が世界の運命を握る
サラリーマンの鈴上誠一がある日帰宅途中の電車を途中下車すると、そこは見知らぬ小さな町だった。一見普通の住宅街だがどこか勝手が違うその場所が、実は異界だと気づくのに時間はか
おばあさんを書きたかった
函館の小さなスナックのママ、野原ゆかりは六十七歳。実は彼女、元はミラクル・ローズという名で売り出していた、昭和ムード歌謡の歌手。ヒット曲のタイトルは『無愛想ブルース』。そん
漠然とした世界の断片を書き留める
一行一行を慈しみたくなる。小川洋子さんはそんな小説を書く。新作短篇集『口笛の上手な白雪姫』もまた、そんな文章が詰まっている。おさめられているのは二〇一五年から一七年
商店街で革命を起こす!?
福島の田舎町の商店街で、一人の老人が改革に乗り出す。仕立て職人の彼が試みたのはコルセット「コール・バレネ」の製造。その美しさに目を留めたのは、一人の男子高校生だった──。川
ランチ+酒+夜間のお仕事
「昔から担当してくれている集英社の編集者に、“今回の本はこれまで書いてきた要素を全部盛り込みましたね”と言われて。確かにそうだなと思って。食べ物の話だし、変わった職業が出てく
北の山中で熊に遭遇する親子
河﨑秋子さんの職業は作家であり、羊飼いだ。大学卒業後にニュージーランドで緬羊飼育技術を1年間学んだあと、北海道で酪農を営む自宅で緬羊の飼育・出荷をしている。
知らなかったボリビア移民の歴史
池上永一さんといえばさまざまなエンターテインメント作品を発表するなかで、石垣島を舞台にしたマジックリアリズム的小説『風車祭(カジマヤー)』や、琉球王朝
隣のおばさんはゴリラ!?
三月。十五歳になった小春は、〈若い人間として生きられる、これが最後の一年だ〉と憂える少女。色で占いをする〈色見〉の祖母の影響で、自分も絵の具を使
ある日突然イメージが降りてきた
海を行く小舟が向かう先に小島がある。その島に〈ぼく〉はずっといる。島から出てはいけないと言われているのだ。理由は〈ぼく〉の顔が化け物だから──。谷崎由依
日常の中で触れる訃報の数々
長嶋有さんの『もう生まれたくない』は大学に集まる職員や学生たちが、同じ訃報を目にするという共通点で連なっていく群像劇だ。きっかけのひとつは、別名義でミニコ
29歳ライターの仕事と友情とお稽古
2015年に第31回太宰治賞を受賞した伊藤朱里さんが、待望の第2作を発表した。タイトルは『稽古とプラリネ』。主人公は3年間勤めた銀行を辞め、副業でやっていたライタ
不思議な城に集められた少年少女
「何人もの読者の方に、“この本は『冷たい校舎の時は止まる』のアンサーだと思いました”と言われました。デビュー作から読んでくれている人が待っていたものが書けたのかな、と思
あの連続不審死事件がきっかけ
交際していた男性が次々と不審な死を遂げていることが発覚、物的証拠のないまま無期懲役を言い渡されて控訴審を控えている女、梶井真奈子。週刊誌記者の町田里佳は拘置所の彼女に手
大正時代、北の地を目指した人々
2008年に「女による女のためのR‐18文学賞」大賞を受賞、映画化もされたデビュー作『自縄自縛の私』(「自縄自縛の二乗」を改題)、『フィッターXの異常な愛情』などの
天真爛漫な一人の天才とその親友
島崎哲には親友がいる。雪踏文彦、通称せった君。小学生の頃、勉強ができなくて周囲から馬鹿にされていたせった君だが、島崎がピアノを弾く姿を見ただけで同じ曲を弾いてみせて周