警察小説

今月のイチオシ本【警察小説】
 この夏話題になったTVドラマに『MIU404』がある。MIUとは〝Mobile Investigative Unit〟の略称。すなわち犯罪事件の初動捜査に当たる警視庁機動捜査隊の活躍を描いたドラマ
kain-shoei
 日本社会の闇をも露呈させた新型コロナウイルス禍。貧富の格差も深刻で、政府には早急な補償対策が突きつけられた。社会の歪みを露にするのはしかし、コロナ禍だけではない。刑事事件はその最たるものだ。本書は忌
HiironoZankyo
 ある短篇が文学賞を受賞、それを収めた本もロングセラーとなる。長岡弘樹にとってそんなブレイク作に当たるのが、『傍聞き』だ。女刑事の親子のドラマを描いた同作はその後シリーズ化されたとばかり思っていたが、
Enkan
 予期せぬコロナウイルス禍の影響で開催が危ぶまれる東京五輪。可否を判断するタイムリミットは五月下旬といわれるが、さてどうなるか。一方、五輪を題材にしたミステリー小説界はというと、開催を前提にしたテロ犯
gap
 主人公は〝ごんぞう〟というと、どこかの田舎のおっさんの話のようだが、これは隠語でやる気のない、自主的窓際警官のこと。本書はその異色の男たちの姿を描いた第一回警察小説大賞受賞作だ。  神奈川県警の新米
sanzui
 警察の内部には様々な隠語があって、中にはガサイレ(家宅捜索)やマルガイ(被害者)のように一般化している言葉もある。本書の表題もそのひとつで、サンズイは汚職絡みの政治案件を指す。  主人公の園崎省吾は
mokuhihan_
 警察小説を読み馴れた読者は、つい非日常的な犯罪を求めがちなのではないか。やたら血腥い連続猟奇殺人とか。だが、いつ身の回りで起きても不思議のないような類でも、思いも寄らない真実が浮かび上がってくる事件
tokusatsu
 謎解き探偵という言葉はよく目にするが、謎解き刑事というのはあまり見ない。刑事コロンボ系のキャラクターは意外に少ないもので、まして主人公が大藪春彦のヒーローばりのタフガイ刑事だったりしたらなおさらだ。
kid-shoei
 警察小説だからといって刑事が主役とは限らない。警務課などの事務方や鑑識係など捜査に携わらない警察官もいるし、本書の主人公・城戸護に至っては香港のカメラ屋の店主。警察官ですらない。  ただ四四歳とはい
janne-shoei
 警察小説で相棒ものというと、まず警視庁と所轄署の刑事コンビが思い浮かぶ。そこにさらにベテランと新米とか、男と女という要素が加味されコンビキャラが出来上がるわけだが、本書のそれは男=タフガイ刑事と女=
yuenikeikanhamimamoru-shoei
 犯罪捜査は二人一組が基本。オーソドックスな捜査小説は従って、相棒ものに最適であり、どういうキャラクターをつがわせるかがポイントとなる。その点、無口で武骨なタフガイと、お喋りで泣き虫な名家のお坊ちゃま
tokyorondo-shoei
 機密保持のため長らく秘密のヴェールに包まれていた公安警察。その実態はしかし、近年徐々に明かされるようになり、逢坂剛の百舌シリーズ以来、小説でも公安ものに挑む作家が増えてきた。本書は警察小説の最前線を
tsumetaiori-shoei
 警察小説の舞台で一番多いのは東京。では一番少ないのは? そういう統計があるのかどうか知らないので回答は不能だが、日本海側のどこかなのではないだろうか。冬は犯罪発生率が低そうだし、そもそも元から治安が
mukuronokagi-shoei
 名探偵シャーロック・ホームズに対するジェームズ・モリアーティ教授を例に挙げるまでもなく、ミステリーでは敵役の存在も重要だ。警察小説も例外ではない。本書にもジェフリー・ディーヴァーのリンカーン・ライム
shodonokeiji
 日本に警察制度が出来たのは東京警視庁が設置された一八七四年だが、第二次世界大戦後に大きな変化が訪れる。GHQ(連合軍総司令部)の指示で内務省を頂点とするそれまでの組織が解体され、一九四八年の旧警察法
kanzenhanzainoshikaku
 のっけから犯人を明かしてしまうミステリーを倒叙ものという。作品でいうなら、小説よりドラマや映画でお馴染みの『刑事コロンボ』を挙げたほうがわかりやすいだろう。本書は「警視庁歌舞伎町特別分署K・S・Pシ
kurenainoanted
 法医昆虫学捜査官・赤堀涼子の活躍を描く傑作シリーズの第六作である。  警視庁の新たな試みとして専門学者を捜査に加えることとなり、採用されたのが、犯罪現場にいた昆虫の分析研究を通じて真相に迫る法医昆虫
kyouokennome
 映画『仁義なき戦い』を髣髴させる、警察とヤクザの壮絶な戦いを描いた話題作『孤狼の血』の続篇だ。  一九八八年春、広島県呉原市で起きた暴力団の抗争事件は二年たった今もくすぶっていた。抗争に深く関わった