警察小説

『脳男』シリーズ待望の新作。といっても、今一つピンとこない方もいるかも。それもそのはず、前作から何と一四年ぶりの第三作なのである。 『脳男』は二〇〇〇年の第四六回江戸川乱歩賞受賞作で、愛宕市という中部地方の架空の都会を舞台にした話。市警の茶屋警部は街を震撼させている爆弾魔を逮捕しにアジトへ乗り込むが、つかまえたのは犯人
今月のイチオシ本【警察小説】
 芸能界の事件を捜査する警察小説は数あれど、本書のように芸能そのものにまで突っ込んだ作品は稀少ではないか。警視庁捜査一課殺人犯捜査七係の伴奏は上司の命で、向こう一ヵ月ほど別捜査に当たることに。沖縄県警の手伝いをしろというのだ。上京してきた刑事、渡真利猛は一九年前、人気ロックバンド・メアリーのギタリスト、
「警察小説大賞」連動企画 ◇ 誉田哲也が明かす「警察小説の極意」前編
 2017年に創設された警察小説大賞も第三回を迎えた。今後も、警察小説のさらなる隆盛、そして革新を願うなか、応募者たちはいかなる姿勢で執筆に臨めばいいのか。女性刑事を主人公に据えた「姫川玲子シリーズ」、また「〈ジウ〉サーガ」では警視庁特殊急襲部隊を登場させるなど、常にジャンルに新風を吹き込んできたのが誉田哲也氏である。名実ともに警察小説のトップランナーの誉田氏に、「創作の極意」を聞いた。
今月のイチオシ本【警察小説】
『ドッグデイズ 警部補 剣崎恭弥』 柏木伸介 祥伝社  ハードボイルド・ヒーローといえば、卑しい街を一人ゆく騎士的存在だったが、一九七〇年代、アメリカではベトナム戦争で心身に傷を追った
今月のイチオシ本【警察小説】
『ワトソン力』大山誠一郎 光文社  ワトソン力のワトソンとは、かの名探偵シャーロック・ホームズの友人で相棒のこと。本書の主人公和戸宋志は、自分から一定の距離内にいる人間の推理力を飛躍的
今月のイチオシ本【警察小説】
『トツ!』 麻生 幾 幻冬舎  この夏話題になったTVドラマに『MIU404』がある。MIUとは〝Mobile Investigative Unit〟の略称。すなわち犯罪事件の初動捜査
kain-shoei
 日本社会の闇をも露呈させた新型コロナウイルス禍。貧富の格差も深刻で、政府には早急な補償対策が突きつけられた。社会の歪みを露にするのはしかし、コロナ禍だけではない。刑事事件はその最たるものだ。本書は忌
HiironoZankyo
 ある短篇が文学賞を受賞、それを収めた本もロングセラーとなる。長岡弘樹にとってそんなブレイク作に当たるのが、『傍聞き』だ。女刑事の親子のドラマを描いた同作はその後シリーズ化されたとばかり思っていたが、
Enkan
 予期せぬコロナウイルス禍の影響で開催が危ぶまれる東京五輪。可否を判断するタイムリミットは五月下旬といわれるが、さてどうなるか。一方、五輪を題材にしたミステリー小説界はというと、開催を前提にしたテロ犯
gap
 主人公は〝ごんぞう〟というと、どこかの田舎のおっさんの話のようだが、これは隠語でやる気のない、自主的窓際警官のこと。本書はその異色の男たちの姿を描いた第一回警察小説大賞受賞作だ。  神奈川県警の新米
sanzui
 警察の内部には様々な隠語があって、中にはガサイレ(家宅捜索)やマルガイ(被害者)のように一般化している言葉もある。本書の表題もそのひとつで、サンズイは汚職絡みの政治案件を指す。  主人公の園崎省吾は
mokuhihan_
 警察小説を読み馴れた読者は、つい非日常的な犯罪を求めがちなのではないか。やたら血腥い連続猟奇殺人とか。だが、いつ身の回りで起きても不思議のないような類でも、思いも寄らない真実が浮かび上がってくる事件
tokusatsu
 謎解き探偵という言葉はよく目にするが、謎解き刑事というのはあまり見ない。刑事コロンボ系のキャラクターは意外に少ないもので、まして主人公が大藪春彦のヒーローばりのタフガイ刑事だったりしたらなおさらだ。
kid-shoei
 警察小説だからといって刑事が主役とは限らない。警務課などの事務方や鑑識係など捜査に携わらない警察官もいるし、本書の主人公・城戸護に至っては香港のカメラ屋の店主。警察官ですらない。  ただ四四歳とはい
janne-shoei
 警察小説で相棒ものというと、まず警視庁と所轄署の刑事コンビが思い浮かぶ。そこにさらにベテランと新米とか、男と女という要素が加味されコンビキャラが出来上がるわけだが、本書のそれは男=タフガイ刑事と女=
yuenikeikanhamimamoru-shoei
 犯罪捜査は二人一組が基本。オーソドックスな捜査小説は従って、相棒ものに最適であり、どういうキャラクターをつがわせるかがポイントとなる。その点、無口で武骨なタフガイと、お喋りで泣き虫な名家のお坊ちゃま
tokyorondo-shoei
 機密保持のため長らく秘密のヴェールに包まれていた公安警察。その実態はしかし、近年徐々に明かされるようになり、逢坂剛の百舌シリーズ以来、小説でも公安ものに挑む作家が増えてきた。本書は警察小説の最前線を
tsumetaiori-shoei
 警察小説の舞台で一番多いのは東京。では一番少ないのは? そういう統計があるのかどうか知らないので回答は不能だが、日本海側のどこかなのではないだろうか。冬は犯罪発生率が低そうだし、そもそも元から治安が