◎編集者コラム◎ 『太陽と月 サッカーという名の夢』はらだみずき
◎編集者コラム◎
『太陽と月 サッカーという名の夢』はらだみずき
累計60万部超の「サッカーボーイズ」シリーズ、累計30万部超の「海が見える家」シリーズの著者・はらだみずきさんによる傑作スポーツ成長小説『太陽と月 サッカーという名の夢』が文庫化されました。
「サッカーボーイズ」と「海が見える家」というふたつの大人気シリーズに共通する要素は、登場人物の成長を鮮やかに描き出していること。自分の人生を真摯に見つめ、自分が大切にしたいものは何なのかを考え、そして行動に移す――そんな主人公たちの姿が、多くの読者の心を摑んできました。本作『太陽と月』にもその要素はぎっしり詰まっており、ふたりの少年のひたむきさが読者の心を揺さぶります。
小学6年生のふたりの主人公は、長身フォワードの月人と、小柄な点取り屋の太陽です。性格もプレースタイルも家庭環境もまったく異なるふたりはプロのサッカー選手を目指し、強者たちが集うセレクション合宿に参加。自分と違った個性を持つライバルたちと出会い、成長していきます。
「サッカーボーイズ」シリーズをはじめ、数々のサッカー小説を手がけてきたはらださん。トレーニングや試合中のボールを使ってプレー、身体の動かし方、敵味方の動きや試合展開などの描写は躍動感たっぷりで、脳裏に鮮やかにプレー映像が浮かびます。
そしてこの物語には、ふたりの少年を支える家族という大切な登場人物がいます。月人を練習場へ送迎しながら示唆に富んだ助言を与えてくれる祖父や、太陽とその兄の大地をひとりで育てる母親。夢を追う子どもと生活をともにする家族の視点から読んでも、胸が熱くなること必至です。
そして、文庫のカバーにはなんと、大人気サッカー漫画『アオアシ』の著者・小林有吾さんからイラストをいただきました! 線画でいただいたふたりの少年をどう配置するのか、どうタイトルを載せるのか――試行錯誤の末に完成したデザインは、少年たちの息づかいが感じられつつ、文芸書としての趣のあるものになりました。ぜひ書店店頭で手に取ってお確かめください。
──『太陽と月 サッカーという名の夢』担当編集者より