ハクマン 部屋と締切(デッドエンド)と私 第38回
最近の漫画業界の
餓死スピードは速い。
どう考えるべきなのか。
餓死スピードは速い。
どう考えるべきなのか。
作品にとっては健全な方向だが、漫画家は大変である。
何故なら、終わるのが早くなっている割には、はじめるのが簡単になっていないのだ。
「とりあえずやってみよう」というノリで連載をはじめさせてもらえるなら良いのだが、ネームを何本も描いて、担当のOK、編集長のOKが出ないと開始できないという点はあまり変わっていないのだ。
それにもかかわらず終わるスピードだけが上がっているので、苦労してはじまった連載がすぐに終了決定されてしまう、という、漫画家がさらに心折れやすい状況になってきているのである。
しかし、漫画家にとって悪い時代でしかないというわけでもない。
正直、打ち切りを宣告された時、連載継続のために動こうとは思ったが、同時に別の方法で続けることも考えたからだ。
今は、出版社に打ち切られたり本を出してもらえなかったりしても、自分で電子書籍を出したり、クラウドファンディングで費用を募ったりと、収入を得ながら続きを描く方法を模索することができる。
決して、出版社や編集者は悪意で様子見すらせず作品を終わらせようとしているわけではなく、出版界もそうせざるを得ない状況なのだと思う。
しかし作家にとっては「厳しすぎる判断」には違いないので、作家の出版社に対する不信感やヘイトが大きくなっていくのではないかという気がする。
だが、出版社や編集者が敵になったというわけではない。
「最初から敵でしかない」のだ。
敵とわかっていながら、利害が一致していると判断したから一緒に行動していたにすぎない。
お互い利がなくなったなら「敵が裏切った」などと、当たり前のことにいつまでも腹を立てるのではなく、1人で戦うことを考えた方がまだ建設的なのである。
(つづく)