編集者コラム

◎編集者コラム◎ 『WIN』ハーラン・コーベン 訳/田口俊樹
『偽りの銃弾』『ランナウェイ』『森から来た少年』と、近年の3作品を小学館文庫からご紹介してきたハーラン・コーベン。過去33作がNYタイムズのベストセラーリストの1位になり、世界中で45言語・7500万部以上が刊行され、近年はNetflixとのコラボレーションで自身の過去作品群の映像化制作も手がけている、アメリカきっての
◎編集者コラム◎ 『超短編! ラブストーリー大どんでん返し』森晶麿
「僕は死にましぇん!」ではないけれど、昨今は、いっそ派手なまでの恋愛表現というものをめっきり見かけなくなったように思います。そもそも恋愛しない若者も増えているというし、エンタメとしての恋愛ものは今どこに!? そんなエアポケットに生まれ落ちたのが本作、『超短編! ラブストーリー大どんでん返し』なのです。現在9万部のロング
◎編集者コラム◎ 『お龍のいない夜』風野真知雄
「龍さんを斬らはるつもりどすか?」そんなことしたら、あんたの頭にペストルで穴空けてやる。一つやない。指の二本も入るような穴を、三つも四つもな。うちはやると言ったらやる女やで。なんとも物騒な台詞ですが、日本を変えた風雲児・坂本龍馬の妻・お龍(りょう)が、龍馬が襲撃される寺田屋事件が起こる日に、新撰組の近藤勇に会ったときに
◎編集者コラム◎ 『1795』ニクラス・ナット・オ・ダーグ 訳/ヘレンハルメ美穂
心地よい疲労感と別れの寂しさ。歴史ミステリー三部作の完結篇『1795』の編集を終えたときの心境を表すのに、これほどぴったりの言葉はありません。シリーズ第1弾『1793』(単行本版)の編集を本格的にはじめたのが2019年の冬の終わり。その年の6月に刊行し、それから3年をおいて今年7月に『1793』を文庫化、続いて第2弾『
◎編集者コラム◎ 『銀座「四宝堂」文房具店』上田健次
『銀座「四宝堂」文房具店』の編集者コラムをご覧いただき、ありがとうございます。本作の編集業務を担当させていただきましたA田と申します。読んで字のごとく、本作は銀座のとある文房具店を舞台にした物語となっています。前作『テッパン』のご執筆後、「次はどんな作品を作りましょうか」と著者の上田健次先生と話していたところ、「読書が
◎編集者コラム◎ 『海が見える家 旅立ち』はらだみずき
『海が見える家』のコラムを書く機会も、ありがたいことに四度目となりました。思い返せば、はらだみずきさんに、日常に根ざしたサーフィン小説を書いてほしいと依頼したことから、このシリーズがはじまりました。詳細はこちらをご覧ください。そして、前作『海が見える家 逆風』では、主人公の文哉が最後に重大な決心をしました。その想いを伝
◎編集者コラム◎ 『湖上の空』今村翔吾
〝47都道府県まわりきるまで帰りません〟というキャッチフレーズを掲げ、全国の書店、学校、社会福祉施設などを訪問する「今村翔吾のまつり旅」が、先日フィナーレを迎えました。ゴール地点は今村さんの第二の故郷という山形県新庄市。当日行われたイベントには、地元の皆さんはもちろん、遠方から訪れるファンやマスコミ、我々担当編集者らが
◎編集者コラム◎ 『旅ドロップ』江國香織
2019年に刊行されて版を重ねた単行本が待望の文庫になりました。JR九州の旅の情報誌「Please」に連載された短いけれど珠玉のエッセイ36篇に加えて、若い女の子二人のフランスからアフリカへの〈鉄道での旅〉を描いた「トーマス・クックとドモドッソラ」という名篇、さらには単行本未収録だった〈旅をめぐる詩〉三篇を収録した宝物
◎編集者コラム◎ 『犬も食わねどチャーリーは笑う』市井点線
 香取慎吾さん主演で9月23日から公開される映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』を小説化したのがこの作品です。「夫婦って何だろう?」とさまざまな夫婦のカタチを映画のテーマに考えた市井昌秀監督が、約2年の歳月をかけて、脚本を完成させました。脚本を書き始める段階で香取さんの主演が決まり、市井監督は、「平凡な日常を生きる香取
◎編集者コラム◎ 『海とジイ』藤岡陽子
 藤岡陽子さんのデビュー当時の作品『海路』という作品がとても好きでした。そのお話を藤岡さんとしているときに伺うと、その後何年も経つけれど文庫化の予定がない、とのこと。それとは別に、藤岡さんから「是非読んでほしい原稿です」と渡していただいた、文芸誌に掲載された素晴らしい短編。共通するのは、お爺さんが主人公であることと、舞
◎編集者コラム◎ 『私たちは25歳で死んでしまう』砂川雨路
『私たちは25歳で死んでしまう』の編集者コラムをご覧いただき、ありがとうございます。本作の編集作業を担当しました、A田と申します。本コラムを執筆している2022年の8月末現在、東京は急に気温がぐんと下がりましたが、振り返ると、この夏の暑さは異常だったのではないでしょうか。 東京都心の年間の猛暑日(最高気温35度以上)日
◎編集者コラム◎ 『1794』ニクラス・ナット・オ・ダーグ 訳/ヘレンハルメ美穂
 フランス革命期のスウェーデンと聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?名作『ベルサイユのばら』のフェルゼンでしょうか。宝塚ファンの方なら、フェルゼンのボスの〝ロココの文化王〟ことグスタフ三世をイメージされるかもしれませんね。そんな時代を描きながらも、美しく華麗なこれらの世界とは正反対の、街も人々もひたすら暗くて汚い当時
◎編集者コラム◎ 『本を守ろうとする猫の話』夏川草介
 2017年に刊行された夏川草介氏の『本を守ろうとする猫の話』が、刊行から五年半の歳月を経て、いよいよ文庫化されました。本書は海外でも高い評価を受け、これまでにブルガリア、ブラジル、中国、チェコ、ドイツ、デンマーク、カタロニア、スペイン、フィンランド、アメリカ、フランス、イギリス、ギリシア、クロアチア、ハンガリー、イン
◎編集者コラム◎ 『てらこや青義堂 師匠、走る』今村翔吾
 今年1月に『塞王の楯』で第166回直木三十五賞を受賞した今村翔吾さんは、元ダンスインストラクターです。作家を目指したきっかけとして、教え子から「翔吾くん(と呼ばれていたそうです)だって夢を諦めている」と言われたことをインタビューなどでも話しておられるので、ご存じの方も多いと思います。このたび文庫版が発売された『てらこ
◎編集者コラム◎ 『あの日に亡くなるあなたへ』藤ノ木 優
 小学館文庫2022年8月刊『あの日に亡くなるあなたへ』の編集者コラムをご覧いただきありがとうございます。本作の編集業務を担当させていただきましたA田と申します。本コラムを執筆している7月末現在、関東では急に猛烈な雨が降るなど天気が安定しない日々が続いていますが、実は本作、偶然にもこの「雨」が重要なキーワードになってい
◎編集者コラム◎ 『恋文横丁 八祥亭』立川談四楼
 今回の作品の企画がスタートしたのは、6年ほど前のことでした。私が担当する作家さんの単行本を、談四楼師匠が週刊誌の書評で取り上げてくれたのがきっかけです。師匠は立川談志さんの一番弟子として知られる人気落語家であると同時に、「石油ポンプの女」『ファイティング寿限無』などの著作も持つ作家としても著名です。書評のお礼かたがた
◎編集者コラム◎ 『聖週間』アンドレアス・フェーア 訳/酒寄進一
 昨年1月の『咆哮』、7月『羊の頭』に続き、〈ヴァルナー&クロイトナー〉シリーズ第3弾となる『聖週間』が刊行となりました。前作から1年、楽しみに待ってくださった方もいらっしゃるでしょうか。凍った湖の氷の下から金襴緞子のドレスを身に着けた少女の死体発見(『咆哮』)。山頂で男の頭部が銃で吹き飛ばされる(『羊の頭』)。ショッ
◎編集者コラム◎ 『江戸寺子屋薫風庵』篠 綾子
 かねがね、篠綾子さんに書いてもらいたいジャンルがあった。堅苦しくいえば教育問題、平たくいえば、寺子屋の師匠と子どもたちの物語である。カバーの著者略歴にもあるとおり、篠さんは東京学芸大学のご出身である。現在は教育学部の中に学校教育系と教育支援系課程を置いて、教職だけでなく各界に有用な人材を送り出しているが、そもそも同大