幻の『映画・魔界水滸伝』のキャストが存在!?その気になる内容とは…

自らを”あとがき作家”と名乗っていた「栗本薫」ですが、自身の「魔界水滸伝」に、実は幻の「映画・魔界水滸伝」キャスト試案がありました。その一部をP+D MAGAZINEで公開いたします。

小説家以外でもマルチに大活躍していた「栗本薫」

未完の世界最長小説『グイン・サーガ』シリーズや、名探偵・伊集院大介を主人公としたミステリー『伊集院大介』シリーズ、そして現在、正伝全20巻がP+D BOOKSで順次復刊中の『魔界水滸伝』シリーズなど、数多くの代表作があり、熱狂的なファンを持つ、作家・栗本薫。

2009年5月に56歳で亡くなるまで、約35年間で約400冊の作品を発表した“多作”な顔と、SF、ファンタジー、伝奇・時代小説、ホラー、ミステリー、耽美小説など、極めて幅広いジャンルに渡る作品を発表したことで、抜群の人気を誇り、様々なベストセラー作品を生み出しました。

栗本薫

栗本薫といえば、中島 梓名義で、評論活動や作詞作曲、ピアノ演奏、ミュージカルの脚本・演出なども手がけ、TVクイズ番組のキャプテンを務めるなど、マルチな顔を持っていたことでも、知られています。

魔界水滸伝幻の実写、キャストが存在していた・・?

栗本薫ですが、実は、その作品の多くに「あとがき」を付し、デビューからまもない一時期は、みずから「あとがき作家」と名乗っていました。その「あとがき」には、キャラクターの人気投票やファンレター紹介などから、作者の近況報告まで書き連ね、「あとがき」を毎回楽しみに、栗本作品を読んでいたファンも少なくありませんでした。

小学館の文芸レーベルP+D BOOKSで現在発売中の「魔界水滸伝」第7巻の「あとがき」に、栗本薫氏が想像した、幻の「映画・魔界水滸伝」キャスト試案が掲載されているのです。

作家自身が、映画キャストを想定しているのは、たいへん貴重です。
一体どんな配役でしょうか?こちらはのちほど公開いたします。

魔界水滸伝の簡単なあらすじ

「魔界水滸伝」は、H・P・ラヴクラフトの創造したクトゥルー神話のモチーフを取り入れ、地球を侵略しようとするクトゥルーの神々と、それを阻止しようとする神州・日本を中心とする地球古来の神々との闘い、そして神々の圧倒的な力の前に滅びて行こうとする人類の危難を描いた大河小説です。

『野性時代』1981年9~10月号に連載され、1991年6月刊行の第20巻をもって完結しました。カドカワノベルズ版および角川文庫版の表紙、口絵、挿絵は 永井豪氏が担当し、その当時、話題を呼びました。

図1

「魔界水滸伝」幻のキャストをご紹介

それでは、1981年7月に書かれた「あとがき」を見てみましょう。栗本氏が“独断と偏見”で作成したキャスト案には、懐かしの面々が多く登場しますよ。
(貴重な後書きを書かれた通りに全文掲載致します。)
さらに、作品を読んだことのない方向けに、作品の主要キャラクターの解説も掲載しましたので、参考にして下さい。

(次ページへ続く)

『みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記 』
『寺山修司からの手紙』