幻の『映画・魔界水滸伝』のキャストが存在!?その気になる内容とは…

以下、「魔界水滸伝」第7巻「あとがき」より(全文引用)

えー、前おきが長くなったが何のことかというと、私の前にある恐るべきノートがひとつ! ありまして! それは「魔界水滸伝シリーズ、一九八一、七、六〜」と書いてある──ま、創作ノートなのだが、その、ラストのページがこっそり二つに折ってありまして、それをあけると、ななぬわんと、私がこのシリーズを書きながらじょーだんで考えた! 幻の映画「魔界水滸伝」のキャスト! が書いてある、とおぼしめせ。

わーはははは。見たい? 見たいでしょう。見たくない人、自分のイメージが、イメージが、という人は、即ここで読むのやめること。(これだけ何回も忠告してんだからアンフェアだ、なんていうなよー)

ただし言っときますが、これを書いたのは三年前です。それをお忘れなく。

うわわわわ。ついに許されざる大公開(見るなってば)覚悟はいいか。

えー。安西兄弟からいきます。

安西雄介……原田芳雄

安西竜二……安岡力也

ま、このへんはそんなショックでもないでしょ。

白鳥夏姫……小林麻美(私すごく好きなのですよね、彼女)

麻生まり子……かとうかずこ(首ちぎられる役でゴメン)

藤原華子……白石加代子(おお適役! ではないかと思ふ)

葛城秌子……坂東玉三郎(そろそろ死んできました? でも要するに、ふつうの、そのへんの女優じゃできない、ということだよね。ま、お気になさらずに──若気のいたりです)

結城大和……ジョージ紫(ただし昔の、髪の長いときの。知らん人も多いでしょう。沖縄のロック・グループ「紫」「マリナー」のリーダー、キーボードです。カッコよかったんだい。私ファンでコンサート、むろん東京でやったのだけだが、全部通ったもんです。パープルのコピーやっててね。まだやってたりして(そこがこわい)どういうわけかこの上にいったん「沖雅也」と書いてマッ殺してあります。私、沖雅也大ファンだったのです、くすん。なんたって生きててほしかった)

さて、問題はこのあとです。

伊吹涼……佐藤佑介

だってそう書いてあるんだもん! 私知らないもん! 知ーらない、知ーらないっと。

三年前の分はこれで全部です。ふーたや伽倻子さんのとこはあけてあります。思いつけなかったんだな。少し足しときます。(従ってこれは現在の悪趣味)

加賀四郎……これは実在のモデルがおりますからパス。あ××まきょ××××うというひとです。大藪さんの解説とか某新井素子の「グリーン・レクイエム」の解説などしとる。ついでに余談ながら、先日栗本慎一郎先生にお会いしたところ、「魔界水滸伝」を読んで頂いとりまして、

「あの加賀四郎のモデル、ホントはボクでショ。ボクなんでショ。そうでショ」

と迫られてしまった。読んでて、加賀サンが出てきたら、「あッおれが出てきた」と思われたのだそうで(どういう意味かって。知りませんってば)いやー世の中には凄い人というのもけっこう何人もいるもんですねえ。(やーいバラしてやったぞ)

で、カメレオン、左文字徹さんは顔がナイのだからパスです。地は杉浦直樹などよいと思うが、彼は草薙三四郎の方があうかな。

伽倻子ことカルラちゃんは今なら誰ですかね、この人意外と難しいね。

北斗多一郎さん(MY LOVE)は、もう誰がなんたって片岡孝夫さんで決まり。

こーへーちゃんは水谷豊か、ショーケンか、そんな感じがよいと思う。

北斗のばっちゃまはわりと日本の年とった女優さん(とえんきょくないいかた)なら誰でもよいと思う。

茨木さんは、リサ・ライオンに日本語勉強させたいとこですが、「里見八犬伝」の好演により、夏木マリさんをおしちゃう。

小角ちゃん(もうけ役よ)はどうしましょうか。思いつかなかった。

実にチョイ役(今のところ)ですが個人的にヒイキしてる柴文明君はぜひひとつ、沖田浩之君にお願いしたい。

野々村《クモ》さんは、ウチのキャラのヒゲオヤジみたいなお人で、よくさがすとものすごーく、あっちにもこっちにも出てくるのですよ、知ってました? とうとう化け物にされちまいましたが、愛着のあるキャラなのです。思いつかなかった。

あとメインのキャラでいうと、山の天狗さんとか《少佐》とか、ツァトゥグァとか、ま、考えるだけムダなのでやめよう。ついにさいごまで思いつかなかったのはふーたでありまして、十四、五の役のつとまるトシであれだけよくいえばカンロクのある、わるくいえばナマイキな少年は今の日本にはおらんと思います。

ま、これはとにかく悪夢だと思って即忘れて下さい。もういっぺんいっとくけど私だって別にこのイメージ・キャストで書いてるわけじゃないからね。あとから遊んでるだけよ。

(P+D BOOKS/「魔界水滸伝」第7巻より引用)

 

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『みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記 』
『寺山修司からの手紙』