ミステリー小説

Anohi
 物事の表層を一瞥しただけで、つい訳知り顔をしてしまう人間の卑しい浅はかさ。まさきとしか『あの日、君は何をした』は、大鎌を振り被りながら、それはおまえにも当てはまらないか──と終始読み手を問い質すよう
SilverCountry
 冒頭で、渋谷を混乱に陥れた女性ゲームクリエイターが自ら命を絶つ、『虹を待つ彼女』(第三十六回横溝正史ミステリ大賞受賞作/二〇一六年)。人工知能による作曲アプリが普及した作曲家なき世界で、それでも作曲
Tokyo_Hollowout
 東京オリンピック開幕を控えた七月、新聞記者の塚口は、不審な電話を受ける。相手は、開会式の日に都内を走るトラックの荷台でシアン化水素ガス──青酸ガスを発生させるという。すると直後、その予告が嘘ではない
Shikeihyouketsu
 チャリティコンサートが行なわれていた高松駅前の広場で、紙袋に入れられた手製の爆弾が爆発。十二歳の少年が死亡し、十数名の重軽傷者を出す大惨事となった。警察は防犯カメラの映像を手掛かりに、当時十九歳の小
jinmen
 手続きや協議の支援をはじめ、相続に関するマネージメントを請け負う「相続鑑定士」である三津木六兵には、常に行動をともにする〝ジンさん〟なる相棒がいる。濁声の毒舌家で、六兵を「ヒョーロク」と呼んで小馬鹿
gokujounowana
「簡単な雑用から重大な任務まで、なんでもお引き受けいたします」  悪人たちのもとにふいに届く、「便利屋」からの簡素なダイレクトメール。連絡先は携帯の番号のみ。いったい差出人は何者なのか──?  深木章
lastpage
 それまで思い描いていた物語の様相が一変し、大いに驚嘆させられる悦び。ミステリーのなかでも、こうした「どんでん返し」や意表を突く急展開がお好みの向きも多いことだろう。水生大海『最後のページをめくるまで
sister
 十九歳の少女──君待秋ラは、十年ぶりに発見された異能の持ち主「匿技士」だ。彼女の前に立ちはだかる男──麻楠均もまた「匿技士」であり、その手に握られた鉄筋は彼の特殊な能力によって生み出されたものだった
daiseido-shoei
 周木律のデビュー作『眼球堂の殺人 ~The Book~』(第四十七回メフィスト賞受賞作)刊行から早六年。ついに「堂」シリーズが、第七弾『大聖堂の殺人 ~The Books~』で大団円を迎えた。  二
murders-shoei
 総合商社に勤める阿久津清春は、帰宅途中、街灯の光のなかで揉み合う男女に遭遇し、女から助けを求められる。ナイフを持った背広姿の男に襲われているのは、以前に合コンめいた食事会で会ったことのある柚木玲美だ
keidaidehaoshizukani-shoei
 葬儀社、国会議員、新興宗教の教祖、都知事、町役場の広報課etc。二〇一〇年、第四十三回メフィスト賞受賞作『キョウカンカク』(のちに『キョウカンカク 美しき夜に』改題文庫化)でデビューした天祢涼は、多
natsuwotorimodosu-shoei
 東京創元社《ミステリ・フロンティア》は、「次世代を担う新鋭たちのレーベル」として、二〇〇三年十一月にスタートした。第一回配本は、伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー』。以降、米澤穂信、桜庭一樹、道
shisyanoame-shoei
 スケールの大きな──という表現は、謀略サスペンスや冒険小説を評する際に用いられることが多い。だが、周木律『死者の雨 ─モヘンジョダロの墓標─』は、本格ミステリーながら異例ともいえる、まさに"スケール
kiminoomoide-shoei
 持病と不眠症、そして過去の苦い記憶に苛まれ、すっかり人生に絶望していた遠藤達也の前に、「思い出コーディネーター」を名乗る見知らぬ女性が現れる。彼女は、達也が一か月後の八月三十一日に死亡することを告げ
hoshizora-card
 母親との折り合いが悪く、いまは学校を辞めてウェブデザインのアルバイトをしながらひとりで暮らしている十七歳の藍葉。ある日、「私立探偵」だという森田みどりが訪ねてきて、バッグから白い封筒を取り出す。なか
honewotomurau
 川の増水によって抉られた堤防の土中から、人骨らしきものが発見される。警察は事件性を疑うが、調べによりそれが埋められてから数十年経過した、理科の教材などで使われる骨格標本だったことが判明する。いったい
titlegaaru
 ネット上に実名を晒された卑劣な犯罪者たちが"森のくまさん"を名乗るシリアル・キラーにつぎつぎと処刑されていく『公開処刑人 森のくまさん』(宝島社文庫)で、二〇一二年にデビューした堀内公太郎。著者初の
gunkantantei
 昭和十五年、帝大経済学部を卒業して短期現役士官制度に応募した池崎幸一郎は、海軍主計士官となり、金剛級戦艦「榛名」に配属される。山本五十六連合艦隊司令長官の視察を明日に控えたある日、池崎は下士官のひと