むちゃぶり御免!書店員リレーコラム*第14回

むちゃぶり御免!書店員リレーコラム*第14回
 お 題 
犯人は誰?? 悩みに悩んで最後はスッキリする、おすすめミステリーは?

 ミステリーの魅力とは登場人物と一緒に推理したり、トリックに驚いたり、真相に辿り着いた時のスッキリ感だったり、衝撃のラストに打ちのめされる体感ではないでしょうか。

 私のミステリーとの出会いは80年代に流行っていた2時間ドラマでした。火曜サスペンス劇場、土曜ワイド劇場などのサスペンスミステリーです。ドラマ原作は横溝正史、江戸川乱歩、松本清張、西村京太郎、赤川次郎、山村美紗など、ミステリーの有名作家たちです。ドラマをきっかけに原作者を知り、カッパ・ノベルス等のミステリー小説にもどんどんハマりました。

 そんな私がおすすめしたいのは、あの2時間ドラマにもしてほしいサスペンスミステリーです。桜井美奈さんのタイトルから刺激的な『殺した夫が帰ってきました』です。

 物語は夫を崖から突き落として殺したところから始まります。5年後、茉菜がストーカーに付きまとわれ家まで着いてこられた時、「ただいま」と夫が帰ってきます。ストーカーは逃げたけれど、殺した夫が帰ってきたほうが断然怖い! ケガの後遺症で一部の記憶を無くしているらしいけど、いつ記憶が戻るかわからないので一緒に暮らしはじめます。しばらくして夫の白骨遺体が発見されたと連絡が来ます。では夫は何者なの?

 この衝撃的な展開の先が気になり、イッキ読み必至です。そして悩みに悩んで最後はスッキリすること間違いなしです。全ての伏線が回収された結末にどう感じるのかぜひ読んでお楽しみ下さい。

殺した夫が帰ってきました

『殺した夫が帰ってきました』
桜井美奈
小学館文庫

清野里美(せいの・さとみ)
現実逃避できるファンタジーや歴史時代小説が好きです。趣味は御城印集め。


【次のお題】
読後スカッとしたい時に読む勧善懲悪なストーリー本
【答える人】
紀伊國屋書店 天王寺ミオ店 木曽由美子さん
 
本連載は、「〇〇な時に読む本」というお題で、書店員の皆様に「推し本」を紹介していただきます。〇〇部分は、前回執筆した方が、次の執筆者に対して提案します。


鈴木るりか『星に願いを』
佐藤 究『幽玄F』◆熱血新刊インタビュー◆