歴史・時代小説

Yukihatago
 第二七回鮎川哲也賞を受賞した今村昌弘『屍人荘の殺人』は、各種ミステリ・ベスト一〇の一位を独占するなど高く評価された。同賞の最終候補だったのが、江戸北町奉行所定町廻り同心で「八丁堀の鷹」の異名を持つ戸
Shishinn
 馳星周の初の歴史小説『比ぶ者なき』は、名家の出身ながら政治的には不遇だった藤原史(後の不比等)が、なりふり構わず上を目指すノワール色の強い作品だった。続編となる本書は、前作に登場した不比等の宿敵・長
SHikkiraretaOnna
 伝説のハードボイルド作家だった高城高は、二〇〇九年に明治中期の函館を舞台にした新作の警察小説『函館水上警察』を刊行して復活した。続編『ウラジオストクから来た女』では、ルーツを調べるため函館に来た浦潮
taiheiyou_shokudou
 一九一〇年、全国の社会主義者、無政府主義者が、明治天皇の暗殺を計画したとして逮捕され、傍聴が許されず、証人も呼ばれない異常な裁判で二十四名が大逆罪で死刑(後に十二名は無期懲役に減刑)の判決を受ける大
SeijanoKakera
 先日、ローマ教皇フランシスコが来日され、反核兵器のメッセージを送った。言語学者・川添愛の初の歴史小説『聖者のかけら』は、現教皇が名前を受け継いだアッシジの聖フランチェスコ(英語名フランシスコ)が作っ
yuugennoeshi
 第一五回「このミステリーがすごい!」大賞の優秀賞を受賞した『京の縁結び 縁見屋の娘』で二〇一七年にデビューした三好昌子は、『京の絵草紙屋 満天堂 空蝉の夢』『群青の闇 薄明の絵師』など、江戸時代の絵
hebo
 今の歴史時代小説は二〇代、三〇代の活躍が目立っているが、そこに一九九〇年生まれの新たな若手が加わった。それが、西南戦争を題材にした『へぼ侍』で松本清張賞を受賞してデビューした坂上泉である。作中には、
himiko
 朝日時代小説大賞は、第一〇回での休止が発表された。最年少の二七歳で最後の受賞者となった森山光太郎は、同賞の第七回、第八回でも最終候補になった実力派で、デビュー作の題材は古代史の最大の謎とされる卑弥呼
imodonosama-shoei
『超高速!参勤交代』『駄犬道中おかげ参り』などユーモラスな展開の中に重厚なテーマを盛り込んだ作品で人気の土橋章宏には、『引っ越し大名三千里』や『幕末まらそん侍』など史実をベースにした作品も少なくない。
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 昨年二月、第九回日経小説大賞を受賞した『大友二階崩れ』でデビューした赤神諒は、戦国ものの秀作を立て続けに三冊も刊行した驚異の新人である。その新作は、越前の朝倉家を支えた知られざる名将・山崎吉家を主人
yoshio-shoei
 台湾の現代史を背景にした直木賞受賞作『流』、SF的な設定を導入した『ブラックライダー』など多彩な作品を発表している東山彰良の新作は、幕末維新を舞台にした初の時代小説である。  亀吉が親分の曲三に黙っ
daimyoeshi-shoei
 謎の絵師・東洲斎写楽の正体をめぐっては、これまでも多くの名作が書かれてきた。この謎に、文庫書き下ろしの〈軍鶏侍〉シリーズなどで人気の野口卓が挑んだ本書は、写楽は誰かではなく、写楽はどのように生まれ、
warabenokami-shoei
 今村翔吾は、二〇一七年三月、文庫書き下ろしの〈羽州ぼろ鳶組〉の第一弾『火喰鳥』でデビューした。同シリーズはベストセラーになり、歴史時代作家クラブ賞の文庫書き下ろし新人賞も受賞した。いま最も注目を集め
ookudutome-shoei
『福を届けよ』などお仕事ものの時代小説を発表している著者の新作は、大奥で働く女たちを連作形式で描いている。  大奥といえば、将軍の寵愛を競う美女たちが、ドロドロの愛憎劇を繰り広げているとの印象が強い。
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 松本清張賞は、歴史時代小説に限っても岩井三四二、梶よう子、村木嵐、青山文平ら第一線で活躍する作家を世に送り出してきた。『天地に燦たり』で、松本清張賞を受賞してデビューした川越宗一も、先輩たちに続く存
koinokawaharunomachi
〈耳袋秘帖〉〈妻は、くノ一〉といった文庫書き下ろし時代小説の人気シリーズをいくつも手掛ける風野真知雄は、中山義秀文学賞を受賞した『沙羅沙羅越え』など歴史小説にも名作が多い。戯作者の恋川春町の晩年を描い
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 神田の袋物屋・三島屋で、主人・伊兵衛の姪のおちかが、客から奇怪な話を聞く「変わり百物語」を続ける宮部みゆきのライフワーク〈三島屋変調百物語〉シリーズの第五弾『あやかし草紙』は、第一期の完結篇となる節
mitsunarisaigonokake
 かつては傲慢、非情、戦下手などの悪評が高かった石田三成だが、最近は清廉な武将として人気が高い。本書も、斬新な歴史解釈で三成を再評価している。  天正八(一五八〇)年、三成は、主君の羽柴秀吉から小西行