熱血新刊インタビュー

丸山正樹『ワンダフル・ライフ』
 聴覚障害を題材にした社会派ミステリー「デフ・ヴォイス」シリーズで知られる丸山正樹が、作家デビュー一〇年の節目となるタイミングで渾身の勝負作『ワンダフル・ライフ』を発表した。四組の男女からなる物語の内側に、自身の実人生をも取り込んだ本作は、ミステリーの要素が盛り込まれながらも人間ドラマとしてかつてない高みに到達している
冲方 丁さん『アクティベイター』
 本屋大賞第一位に輝いた時代小説『天地明察』や日本SF大賞受賞の「マルドゥック」シリーズで知られる冲方丁が、現代日本を舞台にした国際諜報アクション小説『アクティベイター』を発表した。全五二〇ページに及ぶ物語のすみずみに、今年でデビュー二五周年となる小説家が培ってきた、エンターテイナーとしての矜持が刻まれている。
島本理生さん
流されない恋愛   直木賞作家・島本理生が、同賞を受賞した『ファーストラヴ』以来二年半ぶりに長編小説『2020年の恋人たち』を発表した。 恋愛小説の名手の新作にして、「恋愛小説」の可能
貴志祐介さん『我々は、みな孤独である』
自分はなぜ自分なのか 『黒い家』『悪の教典』などで知られる貴志祐介が、実に七年ぶりとなる長編『我々は、みな孤独である』を刊行した。  主人公たる私立探偵にもたらされた「前世の殺人」を巡
凪良ゆうさん
世界が滅びても、人は絶望しない  ボーイズラブの分野で確かなキャリアを築き、一般文芸で刊行した初めての単行本『流浪の月』で、凪良ゆうは二〇二〇年本屋大賞受賞の戴冠を得た。 待望の受賞後
ミステリーで「世界を作る」  日本の昔話を基にしたミステリー短編集『むかしむかしあるところに、死体がありました。』は各種ミステリーランキングで軒並みベスト10入りし本屋大賞にも初ノミネ
池上永一さん
沖縄の連立方程式 『バガパージマヌパナス』で第六回(一九九四年度)日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビューして以来、池上永一は自身のルーツである沖縄が舞台の小説を書き継いできた。 三
松居大悟さん『またね家族』
「家族」という概念に小説だから向き合えた  きっかけは、昨年執り行われた父の七回忌だった。かつて余命宣告を受けた父、自分と同じくものづくりをしている母、父の会社を継いだ二歳年上の兄──実人生の中で四人
誉田哲也さん『妖の掟』
 警察小説に新潮流を作り出した姫川玲子シリーズや〈ジウ〉サーガなどのベストセラーを送り出してきた誉田哲也は、一方で、青春小説や犯罪小説などジャンルを横断し続けてきた作家でもある。なかでも伝奇ロマンと位置づけられるデビュー作『妖の華』は異彩を放つ。『妖の掟』は、その十七年ぶりとなる続編だ。 
武田綾乃さん『どうぞ愛をお叫びください』
ゲーム実況が題材の小説はいつか書こうと決めていた  テレビゲーム等を実況しながらプレーし、その画面を録画・編集して動画投稿サイトにアップする──。『どうぞ愛をお叫びください』は、二〇〇〇年代後半に興隆
李 龍徳さん『あなたが私を竹槍で突き殺す前に』
 物語は、衝撃的な一文から始まる。 〈排外主義者たちの夢は叶った〉  その世界では特別永住者制度は廃止され、外国人への生活保護が違法となり、現実では二〇一六年に公布・施行されたヘイトスピーチ解消法も廃
薬丸 岳さん『告解』
 二十歳の大学生・籬翔太が、バイト仲間と居酒屋で痛飲している場面から物語は始まる。雨脚が強まるなか埼玉北部にある実家へ深夜に帰宅すると、恋人の綾香から携帯にメールが届いた。『直接会って話がしたい』。『
有川ひろさん
 自衛隊、土木建築会社、県庁観光課、児童養護施設……。さまざまな職業のリアルを、主人公の人間的成長と共に描くお仕事小説は、有川ひろの代名詞であり十八番だ。最新作『イマジン?』では、映像制作会社および撮
上田秀人さん
 上田秀人が「STORY BOX」にて連載『新陰の大河 上泉信綱』をスタートさせたのは、昨年の夏だった。数々の剣豪を生んだ柳生新陰流の始祖・上泉信綱を主人公にした同作は、第二巻で柳生石舟斎(二代目)を
壇蜜さん
 芸能活動開始とともに始めたブログを今も定期的に更新し、すでに一〇冊以上もの随筆の著書を持つ。「書くこと」を表現手段の一つと位置付けてきた壇蜜が小説家デビューするのは、必然だったと言えるだろう。むしろ
小川 哲さん
 文庫版が刊行されたばかりの『ゲームの王国』は、カンボジアが舞台だった。上巻はフランスから完全独立後の一九五六年より始まる、同国の血なまぐさい現代史をベースにしたリアリズム小説だが、下巻では一気に二〇
法月綸太郎さん
 デビュー第二作『雪密室』(一九八九年)に始まり、日本推理作家協会賞受賞作を含む短編集『法月綸太郎の功績』(二〇〇二年)や第五回本格ミステリ大賞を受賞した『生首に聞いてみろ』(二〇〇四年)など、ミステ
川越宗一さん
 九州にルーツを持ち大阪で生まれ育った著者が、北海道の先住民族たちの物語を書くことになったきっかけは、夫婦旅行だった。妻のリクエストで二〇一五年夏に北海道へと足を運んだところ、知られざる歴史と出合った