耽美な世界にドキドキ。女性作家によるBL風小説8選。

男性同士の悩ましげな表情や意味深な会話、「友情」と呼ぶにはいささか濃密すぎる間柄から、深い関係を妄想するBL風作品を紹介します。ついついうっとりとしてしまうような、耽美的な表現にあなたもドキドキしてしまうはず。

悩ましげな表情や意味深な会話、「友情」と呼ぶにはいささか濃密すぎる間柄……、そんな少年、青年同士の恋愛を題材とした小説や漫画のジャンル、「BL(ボーイズラブ)」。

しかし、「興味はあるけど、どれから読めばいいのかわからない」という方も多いはず。そこで今回は、明確にはBL作品とはされていないものの、「ふたりはもしかして……?」と深い関係を妄想してしまう作品の数々を、5つの要素をもとにしたレーダーチャートとともに紹介します。女性作家ならではの、耽美的な表現に酔いしれてください。
 

【チャートの項目説明】

■ピュア
大切に守りたくなるほど、ふたりの関係性が純粋無垢である度。

■妄想
思わせぶりな展開や、描写そのものからにじみ出る色気に、ついついふたりの深い関係を妄想してしまう度。

■衝撃
心の整理がつくまで「待って。一旦深呼吸させて」と言いたくなるような、強い衝撃が味わえる度。

■美しさ
描写そのものが持つ美しさを堪能できる度。

■切なさ
今の関係が続かないことをお互いにどこかで悟っているような物悲しさがある度。

 

1.「気になるなら、後で染めてやる。けど、けっこうきれいだぜ」/『No.6』

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【あらすじ】
幼い頃に知能面で最高ランクと認定され、理想都市“No.6”の高級住宅街“クロノス”に住むことを許可されていた紫苑しおん。紫苑は12回目の誕生日の夜、ずぶ濡れで怪我を負った少年、“ネズミ”を匿ったことを理由に特権階級を剥奪される。それはNo.6に隠された秘密をめぐる事件の幕開けだった……。

『バッテリー』や『THE MANZAI』をはじめ、少年同士の関係を描く作品を多く執筆している、あさのあつこ。代表作のひとつ、『No.6』は理想都市“No.6”に暮らす少年、紫苑が12歳の誕生日に、謎の少年、ネズミを助けたことから物語が大きく動き出します。

台風が吹き荒れる夜、紫苑は部屋に侵入したネズミから脅されます。首を絞められかけたにも拘わらず、紫苑は怪我の手当てを申し出るのでした。

「警戒心はある。恐怖心もある。危険なことは、怖いし嫌だ。二階の窓から断りもなく入ってくるやつを善良な市民だと信じるほど、お人よしでもない」

「きみが凶暴そうな大男なら、すぐに警報装置を鳴らしてた。でも、きみはチビで女の子みたいで、今にも倒れそうな顔色をしていた」

紫苑が、ずぶ濡れで腕も首も細く、自分より小柄な侵入者に対して抱いた感情は「恐怖」ではなく、「庇護欲」でした。銃弾がかすった傷口に麻酔を打って縫合し、着替えや食べ物を与えたばかりでなく、自分のベッドまでも提供します。

そんなふたりの出会いから4年後、紫苑は職場の先輩が突如老化し、そのまま死に至る様子を目撃します。第一発見者の紫苑は政府から殺人の容疑をかけられ、連行される途中でネズミに助け出されます。やがて自身にも謎の老化現象が起こりますが、ネズミの処置によりなんとか一命を取り留めた紫苑。しかし、後遺症として白髪化、皮膚に赤い蛇行跡が生じたことを知り、絶望するのでした。

ネズミは、黙って紫苑の顔を見詰め、髪の毛を軽くつかんだ。
「気になるなら、後で染めてやる。けど、けっこうきれいだぜ。それに」
ネズミの指が、胸の紅い跡をすっとなぞった。
「紅いヘビを身体にまきつけとくのも、なかなかに艶っぽい」
「きみに言われても嬉しくない」
「おれも、あんたの裸を見てても嬉しくないさ。服を着ろ。温かい特製スープと肉を食わせてやる」

変わり果てた自身の姿に落ち込む紫苑に対し、ネズミは「けっこうきれいだぜ」、「なかなかに艶っぽい」と声をかけます。そのたどたどしい褒め方は、どこか意味ありげです。お互いの裸を見ていることを踏まえると、ふたりの関係はそう簡単なものではないようにも思えてきませんか?

 

2.唐突なわりに、あっさりとは終わらない。/『白昼堂々』

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【あらすじ】
由緒ある華道家元に生まれ、跡継ぎとなることが決まっている原田凛一。凛一は体調不良により高校の入学試験を諦めるも、自分とよく似た従姉、省子が凛一の替え玉として密かに試験を受けていたことを知る。凛一はその借りを返す名目のもと、省子のふりをして出かけた先で省子のかつての恋人、氷川に出会う。

耽美な作風や、旧字体をもとにした流麗な文章で多くの読者を魅了する作家、長野まゆみ。その作品には男性同士の恋愛を描いたものが多く、この『白昼堂々』は『碧空』、『彼等』、『若葉のころ』と続くシリーズの第1作目です。

入学試験の替え玉受験の借りを返すため、省子のふりをして出かけた凛一は、省子の男友達だった氷川と出会います。周囲の同級生の反応から、省子と氷川が以前付き合っていたことを知った凛一は対応に困りますが、打開策を見つけられないまま公園でボートに乗ることに。何の疑いもなく凛一を省子だと信じた氷川は、思いがけない行動に出ます。

「マスクを取れよ。どうせ、たいした風邪ぢゃないんだろう、」
凛一も、そろそろ真実を明かすつもりだったので素直にマスクをはずした。氷川が疑いを持ったからには、取りつくろってもはじまらない。これまでのことは謝って、事情を話せばいい。案外気楽にかまえていた。ところが、氷川は凛一の予想しなかった動きに出た。
いきなり抱き寄せて、キスをする。強引だった。唐突なわりに、あっさりとは終わらない。そのあいだ凛一は、ボートの揺れ具合を、転覆するのではないかというほどに感じていた。

キスをしたのが省子ではなく、省子の振りをした凛一であると氷川が知った後も、ふたりは友人として関係を続けていきます。やがて氷川は凛一の周囲にいる男に嫉妬し、凛一も氷川が自身の中で特別な関係になっていることに気がつきます。

凛一は親を早くに亡くしており、幼くして死を意識していました。さらに「華道の家元を継ぐ」という形で行く末が決定していることもあり、自由な生き方をあきらめる投げやりな性格です。だからこそ、自分が氷川に惹かれていることを自覚しながら、「この恋は諦めなければいけない」と言い聞かせています。

思いがけない出会いから、お互いの関係が発展していく……、『白昼堂々』で、そんなふたりの様子を堪能してみてはいかがでしょうか。

 

3.私が『報われない恋』に身を滅ぼすような人間に見えるか?/『月魚』

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【あらすじ】
老舗の古書店「無窮堂むきゅうどう」の若き店主である真志喜ましきとその友人・瀬名垣せながき、幼い頃に起きた古書をめぐるある事件以降、密かな罪の意識を共有し続けてきた。ある日、山間の集落に古書の査定に向かったことから、止まっていたふたりの時間が動き始め……。

三浦しをんの『月魚』は、「水底の魚」、「水に沈んだ私の村」、「名前のないもの」の3篇からなる、“古書”をテーマにした連作小説です。

老舗の古書店の若き店主・は本のことしか考えていない典型的な“本の虫”で、中性的な容姿も合わさり、どこか浮世離れした雰囲気の人物。その幼馴染で卸専門の古書店の店主である瀬名垣は、派手で陽気、ことあるごとに真面目な真志喜をからかう人物として描かれています。

真志喜も瀬名垣も古書を売買することを生業としていますが、あるとき、1冊の本を大切にしすぎる真志喜に対し、瀬名垣がこんな助言をします。

「(前略)本は商売道具だ。俺たちを通り抜けていくだけだからな」

「本はあくまでビジネスの道具であり、愛着を持ちすぎてもよいことはない」と真志喜に語る瀬名垣。しかし真志喜は、彼にこう返します。

ようやく真志喜は、うっすらと笑ってみせた。
「私が『報われない恋』に身を滅ぼすような人間に見えるか?」

「それはおまえだろう、瀬名垣」

真志喜と瀬名垣は一見気の合わないライバルのようでいて、“本を愛している”という点においては同じ気持ちを共有できる親友同士。ふたりは互いを尊敬し、人間的に愛しているにも関わらず、幼い頃に起きた“ある事件”に縛られ、素直になれないままでいます。

古書の査定をめぐって少しずつ変化していくふたりの関係はもちろん、すぐに真志喜の髪に触れたがる享楽的でちょっぴりチャラチャラした瀬名垣と、それをクールにあしらいながらも時折照れを見せる真志喜。正反対のタイプでありながらも、自分にない要素を認め合う関係に読者は萌えてしまう……『月魚』は、“バディ萌え”を感じる、極上の“BL風”小説です。

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4. 声も出ないのを、ベッドに突き倒し、ブラウスの残骸をひきはがす。/『真夜中の天使』

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【あらすじ】
芸能界きっての敏腕マネージャー・滝俊介が、場末の音楽喫茶で出会った痩せっぽちの少年。サロメのような妖しい美貌と甘い声をもつ、ジョニーこと今西良をスカウトした滝は、次第に良に心奪われていくのだった。

『グイン・サーガ』や『魔界水滸伝』をはじめとする重厚なテーマのシリーズ作品でも知られる栗本薫の作品、『真夜中の天使』。あやうい魅力を持った美少年、今西良がマネージャーの滝俊介に見出され、半ば強引に芸能界で売り出されていく過程が描かれています。

“自分で抱く気にならない新人はプロデュースできない”と公言する、敏腕マネージャーの滝。その背景には“切り売りする人間の美味をたしかめるため”という狙いがありました。一方で芸能界という過酷な世界でのし上がろうとする新人たちもまた、マネージャーをただの踏み台としか見ていません。彼らの関係は、冷え切ったビジネスライクなものでした。

新人を「奴隷」としか見ていなかった滝は、「逸材」と考えていた良もこれまでの新人と同様に自分の支配下に置こうとしていました。

「やめて––滝さん、やめて」
良は喘ぎながら、かすれ声をふりしぼった。滝はその細首を両手につかみ、猛烈にゆさぶった。声も出ないのを、ベッドに突き倒し、ブラウスの残骸をひきはがす。
白いほっそりとしたからだがむき出され、良はおおいかぶさってくる滝のからだをはねかえそうと弱々しくもがいた。

滝は良をマネージャーという立場から支配していたものの、次第に良の持つ魅力に抗えず、やがて立場が逆転します。『真夜中の天使』は、そんなふたりの関係の変化を、ギラギラとした芸能界のゴシップ感とともに味わえる濃密な作品です。

 

5.水がじわりとしみるように、感情のにじんだ目だった。/『笑えよ』

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【あらすじ】
どこにでもいる普通の女子高生、柏木葉かしわぎ よう。クラスメイトの男子で同じ予備校に通う橋立とひょんなことから親しくなった葉は、彼が同性の仲平に恋愛感情を抱いていることを打ち明けられる。

第6回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞した『笑えよ』。「女のひとがだめなんだ」という告白シーンから幕を開けるこの物語では、クラスの人気者である仲平に対し、成績優秀で穏やかな性格の橋立が抱く恋愛感情がみずみずしいタッチで描かれています。

人影はイスに座っていた。あの席は確か仲平が座っていた席だ。だがイスに座るうしろ姿は、どう見ても仲平のものではなかった。仲平にしては背が高すぎる。
(中略)
なんだろうあの目は。橋立はいつも、長い背を丸めて教室の端で寝てばかりいる。成績上位者に自分の名前が載っていても自慢したりせずに穏やかな顔でいる。それが私の橋立に対する印象だった。だけど、あの目はなんだ。机をなでる橋立は顔こそ能面のようだったが、とても切実な目をしていた。水がじわりとしみるように、感情のにじんだ目だった。見てはいけないものを見た気がした。しかし目が離せなかった。

橋立が抱く、仲平への思いが表れたシーンは、どこか物悲しさを感じます。誰もいない予備校の教室で、ひっそりと相手の机をなでる橋立。彼が思いを寄せる仲平もまた、人に言えない秘密がありました。そんなふたりと、彼らを観察する葉。いびつで奇妙な3人の姿に、読者は青春時代の眩しさを感じずにはいられないでしょう。

 

6.「俺、おまえの名前好きなんだ。」/『ネバーランド』

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【あらすじ】
伝統ある高校の男子寮、松籟館しょうらいかん。冬休みで多くの寮生が帰省するなか、美国、寛司、光浩の3人は帰省せずに松籟館に残る。さらに松籟館へ度々遊びに来る同級生、統も加わったクリスマス・イヴの晩、統の驚くべき告白をきっかけに4人が抱えた心の傷が明らかになっていく。

昨年、『蜜蜂と遠雷』で第156回直木賞、第14回本屋大賞を受賞したことで時の人となった恩田陸。『ネバーランド』はさまざまな事情を抱え、傷ついた4人の少年の姿を鮮やかに描いています。

登場人物は過去の出来事により女性恐怖症に陥った美国よしくに、両親が離婚調停中である寛司、両親が心中し路頭に迷った経験を持つ光浩、幼いころ母を死に追いやったことを告白するおさむと、いずれも傷を負った少年たち。

美国は当初、どこか人を侮辱する様な態度をとっていた寛司に良い印象を持っていませんでした。しかし、体育祭のリレーの練習をしている際、ふとしたきっかけでそれまでの印象ががらりと変わります。

ぱしっと叩きつけてくれよ、美国。俺の掌におもいっきりな。
なぜか癪に障る奴だと感じていたのは、彼が何か言う度にいちいち自分の名前を呼ぶせいだと気付いたのはその時である。
おまえさあ、なんでいちいち俺の名前最後に呼ぶんだ?そんなに連呼しなくたって俺に言ってるって分かるよ。
寛司はちょっとだけ驚いた顔をした。そのあと、スカッと笑った。
そうか、そうだな。今まで気が付かなかったよ。俺、おまえの名前好きなんだ

『ネバーランド』では、「名前が好きだ」と美国に言ってのける寛司や、「肌きれいだな。触っていい?」と急に光浩の顔に触ろうとする美国など、「もしかして?」と勘違いしてしまうような描写が見られます。さわやかな青春ミステリーでありながらも、そんな妄想がふくらんでしまうのが『ネバーランド』の持つ魅力です。

 

7.あの隙間には、いつも、どんなものが入り込むのだろう。/『ジェントルマン』

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【あらすじ】
容姿端麗、文武両道。誰からも愛されるジェントルマンの漱太郎そうたろうが持つ裏の顔は、冷徹な犯罪者のそれだった。美しいまでに残酷な性質に魅せられてしまった同級生、夢生ゆめおは偶然、共犯者となり、やがては漱太郎を「愛し守り抜く」と誓うのだった。だが、漱太郎の心に潜む闇は夢生の想像をはるかに超えたものであった……。

男女の恋愛からジュブナイル作品(12〜19歳の少年少女向けの作品)まで、幅広いジャンルで人気を博している山田詠美。『ジェントルマン』には、タイトル通り、容姿端麗で誰からも好かれる漱太郎が登場します。

漱太郎は、時折、指でマーカーやボールペンを弄ぶ。煙草を吸うかのように、はさんで口許に持って行くこともある。唇は、薄過ぎもせず厚過ぎもせず、ほど良く乾いている。そこにペンの先が当たると、すぼまる。あの隙間には、いつも、どんなものが入り込むのだろう。きっと、上等なものなんだろう。手間をかけて調理された食べ物とか、香り高くいれられた紅茶とか、きちんと箱に並べられたチョコレートとか。そういうチョコレートには、上に薄い紙がかかっている。その匂いだけは嗅いだことがある。とても気高いカカオの気配がするんだ。夢生は、いつのまにか、漱太郎に、自分の手のとどかない憧れの世界を見ている。

夢生は授業中の漱太郎の唇をじっくりと観察していますが、果たして好意を抱いていない相手を、ここまで観察するものでしょうか? また、それは夢生が漱太郎に、性的な魅力を感じていることの表れにも思えます。そんな唇に入り込む食べ物の匂いを妄想する描写に、読んでいるこちらまでクラクラすること請け合いです。

 

8. 「甘ったれるな。慰めてほしいだけだろ。」/開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―

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【あらすじ】
18世紀ロンドン。外科医ダニエルは、違法な手段によって手に入れた検体の解剖を弟子たちと行っていた。ある日、司法の目を逃れようと暖炉に隠した令嬢の死体が、四肢を切断された少年と顔を潰された中年男性という異常な屍体に変わっていた。治安判事からの要請を受け、捜査に協力するダニエルと弟子たち。彼らは、事件の背後に恐るべき事実が隠されていたことを知る。

児童文学作家としてデビューした後、推理小説や幻想文学などジャンルを問わず精力的に作品を発表し続ける皆川博子。『開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―』は18世紀のロンドンを舞台に、外科医と個性豊かな弟子たちが奇怪な事件を調査する物語です。

ダニエルの弟子は容姿端麗なエドワード(エド)と、天才的な絵の才能を持つナイジェル。皮肉っぽい言葉の多いエドワードと、気弱で心優しいナイジェルは、対照的なキャラクターとして描かれています。

「それも、ナイジェルが自分を責める理由の一つなんです」エドが言った。「でも、仕方ないことでした。僕はナイジェルが小さいことを気にしすぎるって、終始小言を言ってたから。ナイジェルは声をかけにくかったんです」
「すぐに下りてみればよかったんだ」つぶやくナイジェルに、
「それはもう、気にするなって言っただろ」エドの声が荒くなった。「甘ったれるな。慰めてほしいだけだろ。お前のせいじゃないって、何度言わせたいんだ」
「ごめん……」

ふたりの男性キャラがいた場合、どちらがより積極的なのか、どちらが受け身なのかは非常に重要な要素。それらが如実に表れるのは、ふたりのやりとりに他なりません。おどおどするナイジェルと、不器用にフォローするエドの会話からはふたりの関係性が透けてきます。

直接的に恋愛関係が描かれているものではなかったとしても、「こっちのキャラは意外と押しに弱そうだな」、「気弱に見えて、実は積極的だったりして」と会話のふとした描写に萌えてみるのも悪くないかもしれません。

 

ついついその先を妄想してしまうような、思わせぶりな関係。

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BL作品ではないものの、ついつい妄想を広げてしまいそうな作品の数々、いかがでしたか?「これは確実に特別な関係!」と言いきれるものから、「もしかして……!」とニヤニヤしてしまいそうな作品まで、実にさまざまだったはず。

あなたもぜひ、深い関係が垣間見えるようなBL風小説の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。

初出:P+D MAGAZINE(2018/03/31)

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