エンタメ小説

今月のイチオシ本【エンタメ小説】
 まず最初に言っておきます。本書を読むにあたっては、空腹時を避けるべし! 空きっ腹にしみすぎて悶え苦しむことになります。ほどよく小腹を満たしてから、お読みくださいませ。  本書の主人公は二人。一人は、
shojyo-shoei
 タイトルは、今や伝説のロックスターであり、27歳で自らの頭を撃ち抜いて亡くなった、ニルヴァーナのボーカル&ギタリスト、カート・コバーンの言葉からとったもの。めっちゃカッコいい!  物語のプロローグは
Yosonoshima
 芳朗と蕗子の碇谷夫妻が、友人でミステリー小説家の野呂晴夫と、東京から離島に移住してくるところから、物語は始まる。芳朗、蕗子、野呂、三人はそれぞれに〝秘密〟を隠していて、その〝秘密〟は、物語が進むにつ
Oppai
 本書は第十一回小説宝石新人賞を受賞した本山聖子さんのデビュー作で、若年性乳がんを患う、百花、菜都、柚子、三人三様のドラマを描いた連作短編集だ。  夫も自分も子ども好きだったため、半年前に結婚した直後
Utsukushii_Niwa
 屋上に、縁切りにご利益があるという「御建神社」があるため、周りの人たちからは「縁切りマンション」と呼ばれているマンション。そこに住う、神社の宮司でもある統理と、彼と離婚後、再婚した前妻夫妻の遺児、百
snack_sakaba
 本書は、第九十六回オール讀物新人賞受賞作「姉といもうと」を含む7篇からなる短編集で、作者の嶋津輝さんのデビュー作でもある。帯コピーにある、森絵都さんの「どっかりしていて、愛嬌がある小説」(「姉といも
kenjusho
 四歳の時に、実の父を旗本奴による無宿人狩りで喪い、明暦の大火では育ての父を喪い、天涯孤独の身となったりょうすけ(六維了助)は、ひょんなことから水戸光國と出会う。光國は、自らが率いる、捨て子たちからな
dan_osano_
 歌人としては、第60回「短歌研究新人賞」、第12回「(池田晶子記念)わたくし、つまり Nobody 賞」、第63回「現代歌人協会賞」受賞、と錚々たる受賞歴を持つ気鋭の作者が書いた初の小説は、凶暴なま
teiji-shoei
 現在TBS系で放映中のドラマの原作『わたし、定時で帰ります。』の続編である。前作でヒロイン・東山結衣の前に立ちふさがったのは"ブラック上司"だったが、今作では"ブラッククライアント"と結衣が教育を担
 婚約者の坂庭真実が、西澤架のもとに泣きながら「助けて」と電話をかけて来たのは二ヶ月前だった。実は真実はストーカー被害に遭っていて、そのストーカーが自分の部屋に上がり込んでいるみたいだ、と。その夜以来
arimurake-shoei
 文子は有村家三兄妹の末っ子で、独身のイラストレーター。姉の美香子は終末期在宅医療の専門医で、看取りのプロ。美香子には夫と中学生の息子がいる。兄の優は寝具店の店長で、名前の通り兄妹のなかでは一番優しい
higumanokitchen
 大学で応用化学を学んだ樋口まりあは、就活で人生初めての挫折を味わう。それまでは、試験という試験を優秀な成績でクリアして来たまりあだったが、三十数社に及ぶ就職試験には悉く失敗したのだ。すべての会社に「
midorinonakade-shoei
 主人公の青木啓太は、北の大地にあるH大学工学部の学生だ。東京の実家を離れ、大学の自治寮である緑旺寮で暮らす生活も三年め。大学ではフィールドワークを主とするサークルに籍を置き、それとは別に、Ambit
watashigadareka-shoei
 高齢化社会どころか、超高齢化社会となっている今、私たちが直面しているのは「介護」の問題だ。とりわけ、昔からの風習が根強く残っている地方では、「長男の嫁」がその矢面に立たされている。本書はそんな「長男
atowokesu-shoei
 祖母の葬式で帰郷していた主人公・浅井航は、東京に戻ってきたその足で、祖母を偲んで一杯だけ飲もう、と自宅の最寄駅にある小体な小料理屋に立ち寄る。カウンター席に座り、ビールを飲んでいた航は、常連と思しき
kamiawanaikaiwato
 嫌いな相手が太っているとして、その相手に向かって「ブタ!」と言うのは意地悪。天真爛漫な笑顔で、「ねぇ、どうすればそんなに太れるの?  私、いくら食べても太れないから、教えて欲しいの」と言う
arienaihodourusai
 物語の舞台は、運河のある北の町。具体的な名前は出てこないが、北海道の小樽を彷彿とさせるその町に、小さなオルゴール店はある。その店がちょっと変わっているのは、既製のオルゴール以外に、「ご相談いただけれ
kinematographica
 映画館に行くと、いつもわくわくする。これから始まる二時間余りにどきどきしてしまう。世界が自分とスクリーンだけになって、泣いても笑っても大丈夫。暗闇のなかで一人許されていることの、安心感。その心地良さ