国内ミステリ

採れたて本!【国内ミステリ】
 思い返せば昭和の頃には誘拐事件が頻繁に起きていた記憶があるけれども、昨今は監禁目的の場合はともかく、身代金目当ての誘拐は滅多に起きないのではないか。ちょっと前の刑事ドラマでは、逆探知の時間を稼ぐため犯人からの電話への応答を可能な限り引き延ばす描写がよく見られたが、通信解析技術が発達したため今はその必要がなくなっている
採れたて本!【国内ミステリ】
 例えば芦沢央の『許されようとは思いません』や『汚れた手をそこで拭かない』、阿津川辰海の『透明人間は密室に潜む』、曽根圭介の『腸詰小僧 曽根圭介短編集』、矢樹純の『夫の骨』や『妻は忘れない』等々、ミステリ界ではここ数年、高水準なノン・シリーズ短篇集が幾つも上梓されている。中でも、どんでん返しの冴えという点で白眉なのが結
採れたて本!【国内ミステリ】
 本格ミステリにおいて、フェアプレイを重んじることと、意外な真相を表現することとは、実は両立がかなり難しい。というのも、フェアであろうとして丁寧に手掛かりを配置し、謎解きのロジックも厳密であろうとすればするほど、読者が真剣に推理すれば真相が見えてしまうからだ。本格ミステリの歴代名作を思い浮かべても、論理性と意外性を両立
採れたて本!【国内ミステリ】
 ミステリ史上、弁護士を主人公にした小説は大量に存在する(ちょっとしたミステリファンならば、余裕で数十冊くらいタイトルを挙げられるのではないか)。だが、たった一文字違いの弁理士となるとどうだろう。少なくとも私は、弁理士が主人公のミステリの先例を全く思い出せなかった。今年で二十回目を迎えた『このミステリーがすごい!』大賞
採れたて本!【国内ミステリ】
 ある一家の年代記のスタイルで描かれたミステリ小説といえば、海外ではドロシイ・ユーナック『法と秩序』やロバート・ゴダード『リオノーラの肖像』、日本では桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』や佐々木譲『警官の血』といった名作が思い浮かぶ。二○一四年に『サナキの森』で第一回新潮ミステリー大賞を受賞してデビューした彩藤アザミの最新作『不
採れたて本!特別企画◇レビュー担当7人が自信をもって推す!2021年ベスト本
 未曾有のパンデミックで、自由に外出することがままならなかった2021年。人に会えず、家で過ごす時間が増える中で、あらためて本の魅力を実感した人は多いのではないだろうか。果てしない空想の世界へと誘ってくれる壮大な物語、弱った心や孤独に寄り添ってくれる優しい物語、怒涛の展開や謎解きに没入させてくれるスリリングな物語。