町田そのこ

 週末、貴方がフラリと書店に寄ったとします。お気に入りの漫画の新刊チェックも兼ねて訪れる馴染みの書店。「お? 雑誌の表紙だけでも季節感出るものなんだね」店内レイアウトや初々しいレジスタッフの入れ替わりにも、季節の移り変わりを感じてほっこりするのでしょう。そんな時、店頭に積みあがったこの本『星を掬う』が目に留まります。
町田そのこさん『星を掬う』
人生に意義や意味を見出して希望を持ってほしかった 『52ヘルツのクジラたち』で本屋大賞を受賞した町田そのこさんが、待望の受賞後第一作を上梓。『星を掬う』は、幼い頃に出奔した母親と大人になって再会し、一緒に暮らすことになった女性の物語。この二人はもちろん、周囲の女性たちの事情をも交え、さまざまな痛みと苦しみ、やがて見つけ
 小学生のとき、クラス全員が朝食になにを食べてきたのか順番に言わされたことがあった。模範的な朝食のメニューが次々と披露されるなかで、決して裕福な家庭で育ったわけではない私は自分が食べたものを正直に答えられずに前の席の子とまったく同じ味噌汁と魚というメニューを答えた。
『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ/著▷「2021年本屋大賞」ノミネート作を担当編集者が全力PR
 町田そのこさんの『52ヘルツのクジラたち』第一稿を読んだのは、忘れもしない2019年12月末。仕事納めの前日でした。町田さんとはこれが初めてのお仕事、そして初長編作品に挑戦していただいたこともありすぐに読みはじめたところ、もの凄い衝撃を受けたことを今でも覚えています。
思い出の味 ◈ 町田そのこ
 惣菜のコロッケを食べていてふと、必殺技を持っていない事に気付いた。これは旨いと人を唸らせ、己も自信を持って提供できる必殺技的得意料理が、ない。  私の母のそれが、コロッケだ。レパートリーの中で抜きん