【ランキング】クリスマス商戦・人気ベストセラー作家の競演! ブックレビューfromNY<第25回>

NY在住のジャーナリスト・佐藤則男が紹介する、アメリカのベストセラー事情と、注目の一作をピックアップするコラムの25回目。今回のランキングは、ベストセラー作家の新作が目白押し、激しい競争に。その中から、初登場の作品に着目します!

<第25回>賞金稼ぎのステファニー、ゾンビに狙われる?

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Hardcore Twenty-Four/ by Janet Evanovich
Putnam. 2017.304ページ. US$28.00

今月のベストセラー事情~クリスマス商戦で人気作家の競演~

今月の「ニューヨーク・タイムズ ベストセラー事情」は、ハードカバー・フィクション部門のトップ10 (2017年12月3日の週)[1] を紹介する。

1.Oathbringer

By Brandon Sanderson
Tor

ファンタジー小説シリーズ「嵐光録」(The Stormlight Archive)3作目。人類は復讐に燃えるヴォイドブリンガーズ(Voidbringers)の再来に立ち向かうことになった。
(ベストセラー初登場)


2.Hardcore Twenty-Four

By Janet Evanovich
Putnam

ニュージャージー州トレントンで首なしの死体が発見され、葬儀社に安置されていた遺体から頭部が無くなる事件が起こった。その後、脳を抜き取られ遺棄されていた頭部が発見された。ゾンビが夜中徘徊し、人間の脳を抜きとっているといううわさがトレントンの街に広まり、バウンティハンター(賞金稼ぎ)のステファニーは、ゾンビ(?)と立ち向かう羽目になった。「ステファニー・プラム」シリーズ24作目。
(ベストセラー初登場)


3.End Game

By David Baldacci
Grand Central

アメリカ合衆国政府はウィル・ロビーとジェシカ・リールに国家の安全と機密に関する数々の危険な任務を与えてきた。この2人を背後で管理していたのが、「ブルーマン」というコード名を持つ男だった。このブルーマンがバケーション中に故郷のコロラドでフライフィッシングをしていたのを最後に忽然と姿を消した。ロビーとリールは捜査に乗り出した。「ウィル・ロビー」シリーズ5作目。
(ベストセラー初登場)


4.The Midnight Line

By Lee Child
Delacorte

リーチャーはウィスコンシン州の小さな町を散歩中、質屋のショーウィンドにウェストポイント(陸軍士官学校)の2005年クラス・リングが飾られているのを見た。小さなリングだったので持ち主は女性だったと推測された。4年間の厳しい訓練の末に手に入れたはずのこのリングを手放さなければならなかったのはよっぽどの理由があったのだろうと考えたリーチャーは、この女性を探し出し、リングを返そうと思った。「ジャック・リーチャー」シリーズ22作目。
(ベストセラー2週目)


5.Rooster Bar

By John Grisham
Doubleday

マーク、トッド、ゾラの3人は、希望に燃えてロースクールに入ったものの、3年生にもなると現実が見えてきた。莫大な学生ローンを抱え、もうけ主義の三流ロースクールを卒業したところで、弁護士試験に受かる可能性はほとんどなかった。怪しげなヘッジファンドの会社が自分たちのロースクールと学生ローンの銀行の所有者だと気付いたとき、この3人は大掛かりなロースクールをめぐる詐欺事件に気付いた。そしてこの詐欺事件を公にすることで、自分たちの学生ローンをチャラにできるのではないかと期待し行動を起こしたが……。
(ベストセラー4週目)


6.Artemis

By Andy Weir
Crown

月の最初で唯一の都市、アルテミスで生活するには大金持ちの旅行者かエキセントリックな億万長者でなければ困難だ。莫大な借金を抱え、ポーターの仕事では、アパートの家賃すら払えない。さて、どうなるか。
(ベストセラー6週目)


7.Origin

By Dan Brown
Doubleday

ハーバード大学の宗教象徴学のロバート・ラングドン教授は元教え子のIT富豪エドモンド・キルシュの招きでスペインのグッゲンハイム美術館のイベントに参加した。そこで《生命の起源》と《人類の運命》に関する重要な科学的発見を発表する予定だったエドモンドは発表直前に招待客の目の前で何者かに暗殺されてしまった。エドモンドの遺志を継いで、ラングドンはこの新発見を世界に公表すべく、エドモンドの開発した「ウィンストン」という名の人工知能の助けを借りバルセロナへと向かった。「ロバート・ラングドン」シリーズ5作目。
(ベストセラー7週目)


8.Two Kinds of Truth

By Michael Connelly
Little, Brown

ハリー・ボッシュはボランティアとしてサンフランシスコ市警の未解決事件に取り組んでいるとき、薬剤師の殺人事件に駆り出された。一方、ロサンゼルス市警(LAPD)時代のボッシュに逮捕され、現在服役中の殺人犯は新たな証拠を理由に、ボッシュにはめられて殺人犯に仕立て上げられたと主張した。この2つの全く関係のないように見えた出来事が微妙に絡まってボッシュに「2種類の真実」を突き付けることになった。「ハリー・ボッシュ」シリーズ22作目。
(ベストセラー3週目)


9.Typhoon Fury

By Clive Cussler and Boyd Morrison
Putman

ファン・カブリーヨ率いるしょぼくれた調査船オレゴン号(実は最新設備で武装している)は5億ドルの価値がある絵画のコレクションの探索をするうちに、フィリピンの反乱軍の司令官と対峙する羽目になった。「オレゴン・ファイル」シリーズ12作目。
(ベストセラー2週目)


10.Every Breath You Take

By Mary Higgins Clark and Alafair Burke
Simon & Schuster

ローリー・モランは仕事では絶好調だ。彼女のテレビ番組シリーズ「アンダー・サスピション」は視聴率も高いし、未解決事件解決の成果もあげている。しかし私生活では、恋人のアレックスとの仲が破綻して孤独だった。ところがアレックスとの破綻の原因になったタレントのライアンが、自分の今の若い恋人が重要参考人になっている殺人事件を「アンダー・サスピション」の番組で取り上げないかとローリーに打診してきた。サスペンスの女王メアリー・ヒギンズ・クラークのアラフェア・バークとの共著4作目、「アンダー・サスピション」シリーズ5作目。
(ベストセラー2週目)


感謝祭(11月23日)が終わるとクリスマス商戦は本格化する。本が一番売れる時期でもある。というわけでおなじみのベストセラー作家の新作が目白押しとなり、激しいベストセラー争いとなっている。結果、新作が目立ち、先月のリストから生き残っているのは1作品だけ、前回レビューしたダン・ブラウンの“Origin”だけだ。

今週このコラムではジャネット・イヴァノヴィッチの“Hardcore Twenty-Four”を取り上げたいと思う。今週初登場のこの本はハードカバー・フィクション部門では2位だが、印刷本とEブックを合わせたフィクション部門では1位になっている。

[1] “A version of this list appears in the December 3, 2017 issue of The New York Times Book Review. Rankings reflect sales for the week ending November 18, 2017. Lists are published early online.”(このベストセラー・リストは2017年12月3日のニューヨーク・タイムズ紙ブックレビュー欄に掲載。リストは11月18日で終わる週の売り上げをもとに作成されている)

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