今月のイチオシ本

今月のイチオシ本【デビュー小説】
『隣人X』パリュスあや子 講談社 『隣人X』は、第14回小説現代長編新人賞の受賞作(鯨井あめ『晴れ、時々くらげを呼ぶ』と同時受賞)。それぞれに悩みを抱えた3人の女性が小説の軸になる。文
今月のイチオシ本【ミステリー小説】
『売国のテロル』穂波 了 早川書房  アフリカの小さな漁村から世界各地に広まったとされる、従来の抗生物質や成分ワクチンがまるで効かない新型の炭疽菌災禍。漁村からは都市や農村への渡航、空
今月のイチオシ本【ノンフィクション】
『幻のアフリカ納豆を追え! そして現れた〈サピエンス納豆〉』高野秀行 新潮社  前作『謎のアジア納豆そして帰ってきた〈日本納豆〉』(新潮文庫)で納豆は日本人だけの食べ物ではない、と証明
今月のイチオシ本【エンタメ小説】
『口福のレシピ』原田ひ香 小学館  まず最初に言っておきます。本書を読むにあたっては、空腹時を避けるべし! 空きっ腹にしみすぎて悶え苦しむことになります。ほどよく小腹を満たしてから、お
今月のイチオシ本【警察小説】
『トツ!』 麻生 幾 幻冬舎  この夏話題になったTVドラマに『MIU404』がある。MIUとは〝Mobile Investigative Unit〟の略称。すなわち犯罪事件の初動捜査
HouteiYuugi
 現在の日本を舞台にしながら、リアルな法廷シーンで、あっと驚く鮮やかなどんでん返しを決めるのはむずかしい。せっかく裁判員制度が始まったというのに、それと同時に〝公判前整理手続〟が導入された結果、裁判の
Yukihatago
 第二七回鮎川哲也賞を受賞した今村昌弘『屍人荘の殺人』は、各種ミステリ・ベスト一〇の一位を独占するなど高く評価された。同賞の最終候補だったのが、江戸北町奉行所定町廻り同心で「八丁堀の鷹」の異名を持つ戸
Anohi
 物事の表層を一瞥しただけで、つい訳知り顔をしてしまう人間の卑しい浅はかさ。まさきとしか『あの日、君は何をした』は、大鎌を振り被りながら、それはおまえにも当てはまらないか──と終始読み手を問い質すよう
anatahasudakoga-shoei
 時代とともに変わるものもあれば、永久に不変なものもある。新型コロナ禍の自宅自粛生活で、働き方や教育方法などは大きく変容しそうだ。しかし夫婦や家族の問題は逃げ場がないだけ深刻化したように思える。  そ
kain-shoei
 日本社会の闇をも露呈させた新型コロナウイルス禍。貧富の格差も深刻で、政府には早急な補償対策が突きつけられた。社会の歪みを露にするのはしかし、コロナ禍だけではない。刑事事件はその最たるものだ。本書は忌
shojyo-shoei
 タイトルは、今や伝説のロックスターであり、27歳で自らの頭を撃ち抜いて亡くなった、ニルヴァーナのボーカル&ギタリスト、カート・コバーンの言葉からとったもの。めっちゃカッコいい!  物語のプロローグは
Ai_no_Iikae
 2018年に惜しまれつつ解散したベイビーレイズJAPANは、6年の活動期間中に武道館公演も達成した中堅クラスの5人組女性アイドルグループ。ライブは何度か観たことがあるし、テレビの冠番組も観てましたが
Shishinn
 馳星周の初の歴史小説『比ぶ者なき』は、名家の出身ながら政治的には不遇だった藤原史(後の不比等)が、なりふり構わず上を目指すノワール色の強い作品だった。続編となる本書は、前作に登場した不比等の宿敵・長
SilverCountry
 冒頭で、渋谷を混乱に陥れた女性ゲームクリエイターが自ら命を絶つ、『虹を待つ彼女』(第三十六回横溝正史ミステリ大賞受賞作/二〇一六年)。人工知能による作曲アプリが普及した作曲家なき世界で、それでも作曲
HiironoZankyo
 ある短篇が文学賞を受賞、それを収めた本もロングセラーとなる。長岡弘樹にとってそんなブレイク作に当たるのが、『傍聞き』だ。女刑事の親子のドラマを描いた同作はその後シリーズ化されたとばかり思っていたが、
Yosonoshima
 芳朗と蕗子の碇谷夫妻が、友人でミステリー小説家の野呂晴夫と、東京から離島に移住してくるところから、物語は始まる。芳朗、蕗子、野呂、三人はそれぞれに〝秘密〟を隠していて、その〝秘密〟は、物語が進むにつ
Yakuza_tokidoki_piano
 著者は、ヤクザの世界を取材させたら日本一のノンフィクション作家。普段はヒリヒリと緊張を強いられる潜入ルポの世界に身を置いている。  サカナの密漁がヤクザの資金源になっている、という緊迫した取材を終え
Shamonuma
〈しゃもぬまを知っているだろうか。/中型犬くらいの大きさの馬で、見た目はロバに似ている。/体毛は薄橙色がかった灰色で、ところどころ色にムラがある。(中略)/人の言うことは聞かない。荷を引いたり、人を乗