前島賢

採れたて本!特別企画◇BEST BOOK OF THE YEAR 2022
 新たな年に期待がふくらむ、この季節。振り返ると、2022年も素晴らしい文芸書に恵まれた一年だった。本誌「STORY BOX」のフルリニューアル以来、「採れたて本!」で紹介してきた本は39冊。毎号ハズレなしのフレッシュな作品に出会えると人気の本コーナーでは、特別企画として、各ジャンルの年間ベスト本を7人の評者に選んでい
採れたて本【エンタメ】
『君の名は。』『天気の子』を大ヒットさせた新海誠監督の新作長編『すずめの戸締まり』が11月11日に全国で公開される。本書『小説 すずめの戸締まり』は、それに先駆け刊行された自身による小説版だ。『秒速5センチメートル』以降、新海は度々自作の小説化を手がけ、特に『君の名は。』からは、映画に先駆けた「原作小説」として刊行、公
採れたて本!【ライトノベル】
 小学館ガガガ文庫は、渡航『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』や今月、アニメ映画版が公開される、八目迷『夏へのトンネル、さよならの出口』など、若い読者の生身の声に寄り添うような青春小説を数多く送り出してきたレーベルだ。その新人賞である、第16回小学館ライトノベル大賞を受賞したのが四季大雅『わたしはあなたの涙にな
採れたて本!【ライトノベル】
 周囲の人間がほとんどそのまま地元で就職するような東北の地方都市に生まれ、「分相応を心がけ」「身の程をわきまえ」て生きることを自分に課してきた高校三年生の真嶋正太。そんな彼が忍び込んだ夜の教室でクラスメイトの月森灯と遭遇するところから本書は始まる。こういう導入の場合、ヒロインの正体が吸血鬼だったり人外の化け物で、日常の
採れたて本!【ライトノベル】
 大迷宮『千年白夜』には、どんな願いもかなえるという秘宝『星命結晶』を求めて数多の冒険者が集う。魔物の襲撃で滅びたマクタロード王国の姫『深紅の姫騎士』アルウィン・メイベル・プリムローズ・マクタロードもそのひとり。彼女の目的は、大秘宝の力で王国を再興すること。それと……彼女は一匹のヒモを飼っている。名前をマシューという。
採れたて本!【ライトノベル】
 夢枕獏『小説 ゆうえんち ―バキ外伝―』が全五巻で完結した。『グラップラー刃牙』から『バキ』『範馬刃牙』『バキ道』と続く板垣恵介の人気格闘マンガのスピンオフとして『週刊少年チャンピオン』で連載された小説だ。ふたりにはすでに、夢枕の格闘小説の金字塔を板垣がコミカライズした『餓狼伝』があるが、今度は逆に夢枕が板垣作品のノ
採れたて本!【ライトノベル】
『KADOKAWA のメディアミックス全史 サブカルチャーの創造と発展』は鎗田清太郎『角川源義の時代』、佐藤吉之輔『全てがここから始まる』に続く KADOKAWA グループ三冊目の社史だ。一九八二年から二〇一八年までの歩みが同社で社長、会長を務めた佐藤辰男によってまとめられている。角川春樹から歴彦への社長交代劇から電子