末國善己

採れたて本!【歴史・時代小説】
 梶よう子の新作は、明治時代に教育家、翻訳家、作家として活躍した若松賤子の生涯を追った歴史小説である。幕末に京都守護職に任じられた会津藩主・松平容保に従った藩士・松川勝次郎の長女として京で生まれたカシは、鳥羽伏見の戦いで京を追われ、会津城の落城も経験した。早くに母を亡くしたカシは、数え八つで横浜の生糸商の番頭・大川甚兵
採れたて本!【歴史・時代小説】
 菅原道真は、今も〝学問の神〟として信仰されているだけに、漢詩文集『菅家文草』の編纂や、多くの後進を育てた私塾・菅家廊下などが注目されがちだ。これに対し『あるじなしとて』は、政治家としての道真に着目した異色作である。八八六年。文人官吏として順調に出世していた道真は、突然、讃岐の国司に任じられる。地方の国司を数年ほど務め『塞王の楯』で直木賞を受賞した今村翔吾の受賞後第一作は、池波正太郎、司馬遼太郎、火坂雅志らが取り上げた人気の戦国武将・真田幸村を描いている。関ヶ原の戦いに勝利し豊臣家を滅ぼす機会を狙う徳川家康のもとに、二度も煮え湯を飲まされた真田昌幸の息子・幸村が大坂城に入ったとの報告が届く。長男の信之は家康に仕え、第二次上田合戦で徳
採れたて本!【歴史・時代小説】
『塞王の楯』で直木賞を受賞した今村翔吾の受賞後第一作は、池波正太郎、司馬遼太郎、火坂雅志らが取り上げた人気の戦国武将・真田幸村を描いている。関ヶ原の戦いに勝利し豊臣家を滅ぼす機会を狙う徳川家康のもとに、二度も煮え湯を飲まされた真田昌幸の息子・幸村が大坂城に入ったとの報告が届く。長男の信之は家康に仕え、第二次上田合戦で徳
採れたて本!【歴史・時代小説】
 明治末の一九〇八年、木下杢太郎、北原白秋、長田秀雄、吉井勇、石井柏亭ら耽美派の芸術家が、〈牧神の会〉を結成した。宮内悠介の新作は、隅田川沿いの第一やまとで開かれる会合で語られる不思議な話を、〈牧神の会〉のメンバーが推理する多重解決ものの連作集である。団子坂に展示された乃木将軍の菊人形に刀が突き刺されたが、番人は刀を持
採れたて本!【歴史・時代小説】
 源平合戦から鎌倉初期は歴史小説の激戦区の一つになっているが、今年の大河ドラマが人気脚本家の三谷幸喜が手掛ける『鎌倉殿の13人』ということもあり、昨年は、周防柳『身もこがれつつ 小倉山の百人一首』、武内涼『源氏の白旗 落人たちの戦』、奥山景布子『義時 運命の輪』、伊東潤『夜叉の都』など力作の刊行が相次いだ。保元の乱に敗
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 源義経の影武者になった蝦夷を主人公にした『義経になった男』など、生まれ育った東北を題材にした歴史時代小説を発表している平谷美樹の新作は、戊辰戦争の局地戦の一つ、宮古湾海戦に至る歴史を名も無き男女の視
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 月村了衛は、組織に切り捨てられた男の復讐を描く『コルトM1851残月』で大藪春彦賞を受賞した。物語に繋がりはないが、〈コルト〉シリーズの第二弾となる本書は、ノワールだった前作とは一転、正統派の伝奇小
_幕末ダウンタウン
 新撰組ものは人気が高く、これまでも多彩な作品が発表されてきた。第十二回小説現代長編新人賞を受賞した吉森大祐のデビュー作は、新撰組の隊士が漫才師になる奇想天外な物語となっている。  慶応三年の京。新撰
 近年、谷津矢車、大塚卓嗣、簑輪諒ら歴史群像大賞出身の若手歴史小説作家が目覚ましい活躍をしている。『甲州赤鬼伝』でデビューした霧島兵庫も、同賞を受賞した一人である。今後の成長が期待される著者の二作目と
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 武田信玄に仕えた山本勘助を主人公にした短編「鬼惑い」で、第一回「決戦!小説大賞」の奨励賞を受賞した武川佑の初の単行本『虎の牙』は、信玄の父・信虎を軸に戦国初期の東国を描いている。  傷ついた敵将を助
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〈隅田川御用帳〉や〈藍染袴お匙帖〉などの人気シリーズを手掛ける藤原緋沙子の新作は、宇治で碾茶を生産する御茶師という珍しい題材に着目している。  江戸初期。将軍家の茶道指南であり、宇治の御茶吟味役も務め
20170929153410-0001 (3)
 舞台、時代劇の脚本家として活躍する岡本さとるは、二〇一〇年に『取次屋栄三』で小説家デビュー。『剣客太平記』『居酒屋お夏』など、人情味豊かな文庫書き下ろしで人気を集めている。昨年末に刊行された『花のこ
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 桑田真澄が巨人の選手だった時、トラブルに巻き込まれたことがあった。当時のコミッショナーは、新渡戸稲造の著作で人生勉強をするよう諭したとされる。ただ、野球は青少年の心身に悪影響を与えるとする「野球害毒