英国つれづれ

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英国つれづれ第5回バナー
どこまで行っても、窓から見えるのはたいてい住宅街。しかし、これまで見てきた街とは、少し様子が変わってきました。ブライトンの街中でよく見る住宅は、いわゆるフラットです。京都の町屋のように、間口が狭く、奥に向かって細長く、裏手に小さな庭がついている……たいてい3階建てくらいの長方体の住宅が密接して並ぶ、なかなか圧迫感のある
英国つれづれ第4回バナー
いやもう、ここはどこ? 住宅街を抜け、牧草地を抜け、また住宅街を抜け……。変わり映えのしない景色を延々と眺めるうち、小1時間が経過したでしょうか。私の不安は、ひとりでは抱えきれないほど大きくなってきました。車内アナウンスは流れるものの、走行音が意外なまでに大きく、ろくに聞き取れないのです。もしかしたら、行くべきおうちの
英国つれづれ第3回バナー
あまりにも呆然としている私が可哀想になったのかもしれません。あるいは、自分の店の中で仁王立ちになったまま動かない東洋人の女の子を、いささか不気味に思ったのかもしれません。お花屋さんの店主は、「あんた、何色の花が好きなの?」と助け船を出してくれました。「ええと……黄色、オレンジ色、かな」幼い頃からキンモクセイの花が大好き
英国つれづれ第2回
「ジーン・リーブさんですか? 私、去年、お宅にホームステイしていたKの友達で……ええと、大学で一緒なんです」こんなに流暢ではないしどろもどろの英語で、とにかく自分の立場を説明しようとする私に、彼女……ジーンは、受話器の向こうでじっと耳を傾け、ときおり、優しく相づちを打ってくれました。大丈夫、ちゃんと聞いてるし、ちゃんと
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私がイギリスに1年間、語学留学することになったのは、22歳のときでした。医学部を4年まで終えたところで1年休学を決め、それまでちまちまアルバイトで貯めたお金をかき集め、現地の語学学校と連絡を取って入学を決め、飛行機のチケットを往復分押さえ(当時は、帰りのチケットを前払いで持っている、つまりちゃんと帰国する意思があると表