今月のPick UP

吉田修一さん『続 横道世之介』
「もともと続篇を書くつもりはなかったんです。『横道世之介』は映画にもなりましたし、もう自分の手を離れていろんな人に愛されているイメージでした。だから今回、遠くに行っていた人と久々に会えたという感覚があ
樋口毅宏さん『東京パパ友ラブストーリー』
 それぞれ子どもを保育園に送り迎えするうちに出会った二人の父親が、ほどなく恋に落ちて──樋口毅宏さんの『東京パパ友ラブストーリー』は、意外性のある設定のなかに、現代的な問題が詰め込まれている。  しか
朝倉かすみさん『平場の月』
 約二年前。『満潮』を書き上げた時、編集者に「次はどんなテーマで書きましょうか」と尋ねられた朝倉かすみさんは、「『世界の中心で、愛をさけぶ』みたいなものがやりたい」と答えたのだという。 「あの本をたま
森見登美彦さん『熱帯』
「小説家には"いずれは書いてみたい小説"がいくつかあるものだと思うんです。僕も、たとえば『恋文の技術』はいつか書簡体小説をやってみたいと思って書いたもの。そうした"いずれは書きたいもの"のひとつに、本
藤谷 治さん『燃えよ、あんず』
「小説の中にいっぱい小説を詰め込む、ということをやってみたかったんです」  と、藤谷治さんは言う。新作『燃えよ、あんず』についてだ。 「それにはどうすればいいかということで、自分の持っている話から、久
藤谷治さん
 音楽一家のもとで育ち、チェロの腕前には自信のあった"僕"、津島サトル。しかし東京芸術大学附属高校の受験に失敗し、新生学園大学付属高校の音楽科に進学。普通科は女子のみ、音楽科も男子はたったの6人。挫折
三浦しをんさん 『愛なき世界』
 小説『舟を編む』では辞書編纂、『神去なあなあ日常』では林業の仕事を細やかに描き出し、インタビュー集『ふむふむ:おしえて、お仕事!』ではさまざまな職業に就く女性たちに根掘り葉掘り取材し、ルポエッセイ『
白石一文さん『一億円のさようなら』
 もしも長年連れ添ってきた配偶者が、巨額な資産を隠し持っていると分かったら? そんな現実にはありえなそうな、しかしちょっぴり夢見たくなるような出来事を発端に、意外性に溢れる方向へと話が転がっていく『一
塩田武士さん『歪んだ波紋』
 元神戸新聞の記者として、ジャーナリズムの世界に身をおいていた塩田武士さん。新作『歪んだ波紋』は、現役の新聞記者や元記者たちを主人公に、さまざまな"誤報"とその後を描く短篇集。だが、ネットニュースの存
tsunekawasan
 サラリーマンの鈴上誠一がある日帰宅途中の電車を途中下車すると、そこは見知らぬ小さな町だった。一見普通の住宅街だがどこか勝手が違うその場所が、実は異界だと気づくのに時間はかからなかった。しかし居心地が
yamamotosan
 函館の小さなスナックのママ、野原ゆかりは六十七歳。実は彼女、元はミラクル・ローズという名で売り出していた、昭和ムード歌謡の歌手。ヒット曲のタイトルは『無愛想ブルース』。そんな彼女がある事情で借金を抱
ogawasan
 一行一行を慈しみたくなる。小川洋子さんはそんな小説を書く。新作短篇集『口笛の上手な白雪姫』もまた、そんな文章が詰まっている。おさめられているのは二〇一五年から一七年の間に発表された八篇だ。 「このひ
hoshinosan
 終末的な世界の野原のような場所で、焰を囲む人々が一人ずつ語っては消えていく。彼らが語る九つの物語と、その野原の光景が順番に現れる星野智幸さんの新作『焰』。短篇が繋ぎ合わさってひとつの世界が見えてくる
村山さん
   「どの事実をどの時点で読者に明かすのかは一番考えました。どういう事件がどのように起こり、誰がどう感じたか。作中のどこで書くのかは難しかったけれど、面白くもありました」  と語
川瀬七緒さん
 福島の田舎町の商店街で、一人の老人が改革に乗り出す。仕立て職人の彼が試みたのはコルセット「コール・バレネ」の製造。その美しさに目を留めたのは、一人の男子高校生だった──。川瀬七瀬さんの新作『テーラー
原田ひ香さん
「昔から担当してくれている集英社の編集者に、“今回の本はこれまで書いてきた要素を全部盛り込みましたね”と言われて。確かにそうだなと思って。食べ物の話だし、変わった職業が出てくるし、後ろ暗い過去のある女
かわさきさん
   河﨑秋子さんの職業は作家であり、羊飼いだ。大学卒業後にニュージーランドで緬羊飼育技術を1年間学んだあと、北海道で酪農を営む自宅で緬羊の飼育・出荷をしている。朝は四~五時に起き、夜七~八
池上永一さん
   池上永一さんといえばさまざまなエンターテインメント作品を発表するなかで、石垣島を舞台にしたマジックリアリズム的小説『風車祭(カジマヤー)』や、琉球王朝時代に男性になりすまして行政官とな