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目利き書店員のブックガイド 今週の担当 広島 蔦屋書店 江藤宏樹さん
 本を読む意味ってなんだろうと考えることがあります。娯楽のため、必要な知識を得るため、仕事に役立てるため、などなどいろいろありますが、私が特に大事だと思っているのは「本を読むことで、私ではない他の人のことを知り、理解しようとすること」ではないかと思っています。私は、私以外の他の人が何を考えているのかわかりません。その人
採れたて本!特別企画◇BEST BOOK OF THE YEAR 2022
 新たな年に期待がふくらむ、この季節。振り返ると、2022年も素晴らしい文芸書に恵まれた一年だった。本誌「STORY BOX」のフルリニューアル以来、「採れたて本!」で紹介してきた本は39冊。毎号ハズレなしのフレッシュな作品に出会えると人気の本コーナーでは、特別企画として、各ジャンルの年間ベスト本を7人の評者に選んでい
むちゃぶり御免!書店員リレーコラム*第5回
 実はわたし共感力にはてんで自信がなくって本を読んで泣くことはめったにありません。しかしそんなわたしさえも落涙せしめた本が一冊ここにありますゆえ、きょうはこちらをご紹介いたしましょう。森絵都さんの『DIVE!!』という作品です。泣ける本が読みたい、そうおっしゃるあなたはこれまで難病モノ、切ない三角関係モノ、動物モノ、家
目利き書店員のブックガイド 今週の担当 文信堂書店長岡店 實山美穂さん
 小説を読むとき、大事にしているポイントはありますか? 泣けること。新たな知識を身につけられること。現実にはできない体験をすること。思いつくだけでも、いろいろありますね。私は文章から色や音、風、匂いなど、五感を刺激されるものが好きです。だからSFや歴史ものが苦手なのかもしれません…。さて今回は、そんな作品から一冊を紹介
『タングル』真山 仁ブックガイド_
シンガポールを舞台に、光量子コンピューター開発をめぐる暗闘を描いた最新刊『タングル』の刊行を記念し、真山仁作品の魅力と軌跡を書評家・末國善己が解説する。 真山仁には、地熱発電を題材にした『マグマ』、日本のロケット開発の問題点に切り込んだ『売国』など、日本経済を復活させる成長産業に着目した作品がある。光量子コンピューター
◉話題作、読んで観る?◉ 第57回「夜、鳥たちが啼く」
 作家・佐藤泰志は41歳の若さで亡くなったが、彼が残した小説は『そこのみにて光輝く』など5本が映画化され、再評価が進んでいる。これまでは佐藤の故郷・函館でのロケ作品が続いたが、城定秀夫監督が映画化した『夜、鳥たちが啼く』は、東京近郊の地方都市を舞台にした大人の男女の物語となった。慎一(山田裕貴)は若くして作家デビューし
「推してけ! 推してけ!」第28回 ◆『恩送り 泥濘の十手』(麻宮 好・著)
評者=細谷正充(文芸評論家) 「第1回警察小説新人賞」受賞作!現世に光明を照らす人情捕物帳 麻宮好の『恩送り 泥濘の十手』に関しては、驚くことばかりだ。まず、「第1回警察小説新人賞受賞作」であることに驚いた。えっ、小学館が主催している警察小説専門の新人賞は、「警察小説大賞」ではなかったのか。慌てて調べてみたら、二〇一七
目利き書店員のブックガイド 今週の担当 八重洲ブックセンター京急百貨店上大岡店 平井真実さん
 書店員になり、新刊を出したりフェアを考えたりする仕事だけではなく、作品のおすすめなど文章を提出する仕事も増えた。学生時代から国語の授業は得意だったし、話すことも大好きだったが読書感想文や日記など、頭にぐるぐるとたくさん浮かんでいることを文章として構築することが苦手であることにいつしか気づいた。そのため詩や短歌など、文
採れたて本!【歴史・時代小説】
 長年、文芸編集者を務めた著者のデビュー作は、「西国無双」と呼ばれた立花宗茂の晩年をクローズアップしている。高橋紹運を父に持つ宗茂は、同じ大友家の重臣・立花道雪の娘・誾千代と結婚して婿養子になり、島津家との戦い、豊臣秀吉の九州平定、文禄・慶長の役で武勲を挙げるが、関ヶ原の戦いでは西軍に加わり敗戦後に改易された。だが長い
田島芽瑠の読メル幸せ
12月になりました 今年は今まで以上に時間が経つのが早かった気がします。アイドルを卒業し、上京して、新たな環境でやりたかったことに思う存分ぶつかっていく日々が、新鮮で楽しくてあっという間でした!そんな今日も稽古終わりに書いています。12月までお芝居が出来ていることがとても幸せだなと改めて感じます。何より、舞台が福岡であ
◎編集者コラム◎ 『都立水商! 2年A組』室積光
 室積光さんの伝説のデビュー作『都立水商!』は、2001年の発売以来ロングセラーを続け、猪熊しのぶさんによるコミックスが大ベストセラーとなった作品だ。テレビドラマ化もされ、二度目のドラマ化となった2019年に、18年ぶりとなる続編『都立水商1年A組』を刊行した。主人公の淳志は、中学時代にいじめられ、仕方なく水商売専門の
◎編集者コラム◎ 『しょったれ半蔵』谷津矢車
 小説を読むと、たびたび自分の常識が覆されることがあって、それが一つの喜びでもあります。本作が生まれたのも、著者の谷津矢車さんと話していて「服部半蔵は一人ではない。じつは代々『半蔵』の名を継いで、12代目までいた」さらに「忍者だったのは初代だけ。その息子は足軽を率いた武士、ちなみに得意武器は槍」という歴史トリビアを聞き
◎編集者コラム◎ 『軋み』エヴァ・ビョルク・アイイスドッティル 訳/吉田薫
 アイスランドといえば、何を思い浮かべますか? 北極圏に迫る氷の国、そして火山の国であり、オーロラも見られるというさながら地球の原始の姿を感じさせる地。そして北欧らしく、アートや音楽などの文化も豊か。あの歌姫、ビョークを思い出す人も多いはず。そう、そのビョーク(Bjorg)と同じ名を持つ作家が、日本初上陸です!エヴァ・
◎編集者コラム◎ 『旅だから出逢えた言葉 Ⅲ』伊集院静
 どうやら、このシリーズを編集している時は、不測の事態が起こるようです。思い起こせば、1年半前、『旅だから出逢えた言葉Ⅱ』を編集していた時はまさにコロナ禍まっただなかで、タレントで作家の加藤シゲアキさんからいただいた解説文から、「(前略)コロナ禍で旅にいくこともままなりません。伊集院さんはどうお考えですか」しかし、よく
目利き書店員のブックガイド 今週の担当 大盛堂書店 山本亮さん
 ちょっとしたタイミングで運命的に出会ってしまった人の存在、普段意識をしていなくても、もしかしたら誰でも心当たりがあるのではないだろうか。恋愛や友情を通じて掛け替えのない人、もしくは自分にとって都合の良い人、羅針盤のようにこれからの生き方を示してくれる人。色々いるだろうけど、その人が自分の大切な心の中へ踏み込んできたと
 一流百貨店の外商部を舞台にした人気のお仕事小説シリーズ『上流階級』も、はや四巻目! ちょっと三巻分の主人公・鮫島静緒を振り返ってみますと! 一巻目で静緒は、パティスリーのバイトから一流百貨店外商部の正社員となって芦屋の個性的なセレブたちを相手に月に1500万円ノルマ達成に奮闘し、大嫌いな同僚の桝家修平(ゲイ)と同居す
採れたて本!【国内ミステリ】
 思い返せば昭和の頃には誘拐事件が頻繁に起きていた記憶があるけれども、昨今は監禁目的の場合はともかく、身代金目当ての誘拐は滅多に起きないのではないか。ちょっと前の刑事ドラマでは、逆探知の時間を稼ぐため犯人からの電話への応答を可能な限り引き延ばす描写がよく見られたが、通信解析技術が発達したため今はその必要がなくなっている
◎編集者コラム◎ 『教場X 刑事指導官・風間公親』長岡弘樹
「信長さま─―!!」沿道からの黄色い声援に、引き締まった表情で応える木村拓哉さん。木村さんが織田信長役を務め、騎馬武者行列が行われた「ぎふ信長まつり」には当日、過去最多の約46万人が訪れたとニュースやワイドショーで繰り返し紹介されていました。木村さんの揺るぎなく高い人気を目の当たりにし、私は気持ちを引き締めたのでした。