推してけ!推してけ!
評者・知念実希人(作家・医師) 現役医師がコロナ禍の地域医療をリアルに描いたドキュメント小説 二〇二〇年の初め、数か月後に予定されているオリンピックを待ち望んでいた日本の「日常」は誰も気づかないうちにゆっくりと、しかし確実に侵食されはじめていた。中国の武漢で報告された原因不明の肺炎の原因は、一月には新型のコロナウイルスによる感染症であると判明し、
評者・後藤謙次(ジャーナリスト) 近未来の国際社会に於ける日本の見取り図 著者との初めての出会いは今から約四十年前に遡る。首相官邸記者クラブでNHKと共同通信の政治部記者同士で、ともに時の鈴木善幸首相のいわゆる総理番だった。著者の前任地はNHK横須賀支局。通称「番小屋」と呼ばれた小部屋で雑談していた時のことだ。著者がさりげなく漏らしたエピソードが今も忘
評者・浅野智哉(ライター・著述家) 南国の果実のように鮮やかな飛躍 何人もの実力派を輩出してきた新人賞『女による女のためのR─18文学賞』で、近年最高の収穫作家と呼べるのが、一木けいだ。2016年、読者賞となったデビュー作を収録した『1ミリの後悔もない、はずがない』が、アーティストの椎名林檎から絶賛され、1作目にして話題をさらった。続けて発表した『愛を知
評者・日野 淳(ライター・編集者) 描かれる表現者の壮絶な業 大ヒット映画『君の名は。』『天気の子』の音楽を担当し、一躍国民的ロックバンドとなったRADWIMPS。本書の著者は彼らのレコード会社担当スタッフ。高校生だったRADWIMPSを知り、野田洋次郎という全く新しい才能が生み出す楽曲に魅了され、以来ずっと共に歩み続けている。
評者・印度カリー子 (スパイス料理研究家)
カレー愛が形作る人生
世界で日本ほどカレーの種類が豊かな国はないかもしれない。一般的なルーのカレーから、ホテルの欧風カレー、
評者・北村 薫(作家) 創造の聖域をかいま見せてくれる本 この本の中心をなしているのは、著者が、映画『すばらしき世界』をいかにして完成させたか――その経過を語る文章です。
評者・藻谷浩介 (地域エコノミスト)
金がないか、心がないか。本当の下層(アンダークラス)はどっちだ?
寒風吹きすさぶ、初冬の秋田県能代市郊外。凍てつく水路に、車椅子ご