村田沙耶香
評者=鴻巣友季子(翻訳家・文芸評論家) 日本、シンガポール、中国、タイ、香港、チベット、ヴェトナム、台湾、韓国からの九人の作家による豪華なコラボレーションだ。本来、「アンソロジー」というのは、すでに出版された短編を選んできて(そう、anthologyとは語源的にはギリシャ語で「花を摘む」という意味だ)、いい具合に活ける
ソウルはおそらく十度目くらいの編集かしわばらです。慣れたはずのこの場所も、コロナ禍以後ははじめてとあって、少し緊張していました。が、文学トンネの歓迎のおかげもあってすぐに街に、人に、馴染むことができました。やっぱりこの活気いいなぁ、と胸を高鳴らせつつ、9月23日の村田沙耶香さんとチョン・セランさんの対談日を迎えました
はじめまして。いよいよ今週金曜日に発売となるアンソロジー『絶縁』の編集担当かしわばらのお手伝い編集者です。村田沙耶香さん、ウィワット・ルートウィワットウォンサーさん(福冨渉さん訳)、ラシャムジャさん(星泉さん訳)、グエン・ゴック・トゥさん(野平宗弘さん訳)の作品を担当しました。村田さんとは長くお付き合い(朝からお酒を
日韓同時刊行に向けて、とにもかくにも走り出しました。通常の翻訳出版は、完成した本がまずあって、あたりまえですが確定したテキストを他国向けに翻訳していきます。今回は進行中のテキストを、(日本語から韓国語に)翻訳していくわけで、日本語版のゲラに疑問や修正があるたびに韓国側に共有しなければなりません。ましてや日本語になる前
契約書づくりは難航しましたが、ジタバタするうちに突破口も見えてきました。といっても、私がレベル・アップしたわけではありません。まずは、迷走する私の姿を見かねた社内の人間が、ある方を紹介してくださいました。関連会社に籍を置く米国人女性Tさんです。英国出版社にて契約業務に携わっていた輝かしい経歴をもちながら、私の初歩的な
前回、「絶縁」アンソロジーに参加する9名を紹介しました。ようやくここまできました。あとは原稿を待つだけ、めでたしめでたし、ほぼ完成じゃん、と一瞬たりとも思った私は、その後、本当の地獄を知るのでした。作家との契約問題です。他業界の方に話すと驚かれますが、日本の出版界は社内で企画が通っても著者と出版社の間で契約書が交わさ
翻訳者の皆さんの推薦のもと、実際に編集部で作品を読み作家を選んでいきました。結果、ご執筆いただくことになった9名のみなさんをご紹介します! 村田沙耶香 1979年生まれ。2003年、初めて投稿した小説「授乳」で群像新人文学賞優秀作を受賞してデビュー。2009年『ギンイロノウタ』(新潮社)で野間文芸新人賞、2013年『
村田沙耶香さんから「痺れるテーマですね!」と、それこそ痺れるリアクションをもらった私たちは、さっそくご本人に面会を申し込みました。あるホテルの喫茶ラウンジでのこと。村田さんに企画趣旨をお話しすると、とても面白がってくださいました。そのシーンを思い出すとき村田さんに後光が差していたような絵が浮かびます(単に日当たりがよ
村田沙耶香さんから「痺れるテーマですね!」と、それこそ痺れるリアクションをもらった私たちは、さっそくご本人に面会を申し込みました。あるホテルの喫茶ラウンジでのこと。村田さんに企画趣旨をお話しすると、とても面白がってくださいました。そのシーンを思い出すとき村田さんに後光が差していたような絵が浮かびます(単に日当たりがよ
日本人作家と韓国人作家の共作企画はできまいか。そんなゆる〜い提案に対して、チョン・セランさんからの返信メールは、驚くべきものでした。まずは冒頭、セランさんが構想中の原稿を多く抱えていること、そして日本側の作家も同じく多忙であるだろうということが丁寧に説明されていました。やはり断られるのかな。続きに目をやると、「むしろ
はじめまして、『絶縁』という謎のアンソロジーを担当した編集者です。アジア9都市9名が参加するアンソロジー、そして日韓同時刊行!――と銘打つ本書をこれから紹介したいのですが、いきなりそう煽っても、「なんじゃそれ」感がただよいますよね。大前提として、日本に入ってくる翻訳書は、現地で出版されたものの翻訳がほとんどであり、本
村田沙耶香さん、チョン・セランさんをはじめ、アジアを代表する作家9名によるアンソロジー『絶縁』が12月16日、小社から刊行されます。全編ほぼ書き下ろし、そして日韓同時刊行という前例なきプロジェクトの詳細はこちらから。また、この作品は Amazon オーディオブック Audible にて、三浦透子さん、古川琴音さんをは
韓国の人気作家チョン・セランの掛け声のもと始まった、9都市9名の作家が参加する奇跡のプロジェクト。奇しくもコロナ禍や戦争によって国をまたいだ交流が困難になった時代、作家たちは「絶縁」からいかなる物語を紡ぐでしょうか──。「小説丸」では、12月16日の発売に向けて、作品や著者の紹介、作品の裏側などさまざまな情報を随時発信
〈なにがあってもいきのびること〉を誓った魔法少女がたどり着く先は――? 『コンビニ人間』で芥川賞を受賞した著者が贈る、常識を破壊する衝撃作!【ポスト・ブック・レビュー 著者に訊け!】
生き延びることを
コンビニでアルバイトをしている女性を描いた『コンビニ人間』で、第155回芥川賞を受賞した村田沙耶香。作家として執筆活動をしながら、自身も週に3回コンビニでアルバイトをしているという異色の経歴が話題とな
2016年上半期の芥川賞受賞作は村田沙耶香さんの「コンビニ人間」に決定!皆さんは、候補作を全て読まれましたか?20代〜40代までの3人の読者による候補作のレビューを座談会形式でご紹介します!2016年