女神様の料理帖

気になる人と食べたい、美味しいごはん!

 都内にある出版社で編集の仕事をしている栗原綾乃は、ワケあって食物の女神様「花比売(はなひめ)」と運命共同体のような関係にある。実はかつて重度の食物アレルギーだった綾乃が、今はなんでも食べられるようになったのは、花比売が綾乃の命を繋いでくれるおかげ……なのだが、その代償として綾乃はつねにこの高飛車なグルメ女神のために、美味しいものを食べなければいけない身体になってしまったのだ。  綾乃の属する料理情報誌『食彩記』の編集者は癖のあるメンバーばかり。中でも、社長の息子でルックスも最高だが中身は最低の残念イケメン・新藤悠弥は、やたら綾乃にちょっかいをかけてくるので辟易している。でも妙なスキルの高さで綾乃をフォローしてくれたりもするので複雑……。かくして編集部の内や外で起きる食べ物がらみの事件を解決するため、綾乃は花比売や新藤とともに東奔西走。たとえば、糖尿病治療入院中の病院を脱走した編集長のために特別メニューを開発、老舗和菓子屋さんの後継者問題にからんで名物饅頭を再現、経営不振の焼き鳥屋さんに起死回生の策を授ける、等々。綾乃は早くもおなかいっぱいの予感で……!?

ちっちゃな女神様と一緒にグルメなお仕事!

 栗原綾乃は編集者だ。文芸作品の担当になりたくて憧れの出版社に就職したけれど、仕事で致命的なミスをして、有無を言わさずとばされた先は、よりによって料理情報誌『食彩記』の編集部だった。実は綾乃は重度の食品アレルギーもちで、数ある編集部の中でもここだけは避けたかったのが……。  絶対絶命の綾乃は、これまでのアレルギー人生を呪いつつ、夢うつつの境で食べ物への恨みつらみを盛大にぶちまける。するとその言葉を聞きつけた通りすがりの女神『花比売(はなひめ)』が、「食の素晴らしさを教え、改心させてやる」と綾乃に契約を持ちかけてきた。  強引な展開に困惑するしかない綾乃だったが、一心同体となった花比売のおかげか、あれほどひどかったアレルギー症状が消えてしまって万々歳。しかし自分の中に居候している女神のぶんも大量のカロリー摂取が必要しく、食べても食べても、すぐにお腹がすいて仕方がない。しかし女神は「美味しいものでなくてはイヤ」と言うし……。かくして、ちっちゃい女神様と元アレルギー体質編集者の、グルメ追及二人三脚生活が始まった!

小学館文庫シリーズ