きみは誤解している

競輪場を舞台に綴る切ない6つの人間ドラマ

 「ねえ聞いてるの? 自分のことを僕って呼ぶ人間がギャンブラーになんかなれるわけないって、あたしは言ったのよ」とマリは婚約者の青年をたしなめる。JRの勤勉な駅員として働く彼の、唯一の趣味…

小学館文庫シリーズ