「北海道の名付け親」の生涯を描く傑作小説
明治十六年、絵師の河鍋暁斎を訪ねた松浦武四郎は、その娘・豊の問いに応じて自らを語り始める…。 武四郎は文化十五年、伊勢国に生まれた。竹川竹齋から〈神足歩行術〉を学び、地図や道中記を…
天才絵師の素顔と技法に迫った長編小説。
若冲没後百年を経た明治37年、セントルイス万博に〈若冲の間〉というパビリオンが出現する。この時〈Jakuchu〉の名を世界に広めたのは誰だったのか? 京都の図案家・神坂雪佳は、若冲の末…
一途な恋の行方を描く江戸っ子鍼師の一代記
ボコボコにされておしゃあのもとに駆け込まれた男は、瀬戸内育ちの漁師で古川庄八といい、幕府の命により水夫となり、江戸にやってきていた。女郎上がりで鍼師となったおしゃあは男嫌いだったが、庄…
書評家絶賛の書き下ろしシリーズ、完結篇!
世間が開国で揺れる中、登鯉の父である人気浮世絵師の歌川国芳は、一門の弟子たちと、相変わらずの江戸っ子の稚気と覇気でのんびりと暮らしている。 国芳の描いた浅草寺の〈一ツ家〉の奉納額は…
遠山の金さんと国芳は、恋のライバルだった!?
黒船来航、団十郎(だんじゅうろう)の謎の自殺と揺れる世の中で、江戸っ子浮世絵師国(くに)芳(よし)は吉原でトロロ事件を巻き起こしたりしながらも、機転とユーモアで話題作を次々と生みだして…
<鬼振袖(おにふりそで)>とは薹(とう)の立った娘の振袖姿のこと。浮世絵師国芳を父に持つ侠風(きゃんふう)な美少女登鯉にも、いつの間にか甘やかな娘時代は過ぎてゆく。初恋の男の凄惨な自死…
〈あだ惚れ〉とは、むなしい恋のこと。登鯉の幼なじみの芸者ちょん太が、亡くなった花魁・髑髏太夫の男に恋心を抱く(「裾風」)。13歳の時に天狗にさらわれ戻ってきたという、国芳の女弟子芳玉。…
前作『笹色の紅』で評論家の絶賛を浴びた新鋭作家の、ほのぼのおかしくて、ちょっとせつない書き下ろしシリーズ第1作。 天保の改革で、贅沢なものが次々と禁止になるさなか、見事な戯画で大人…
激動の幕末から明治、日本の夜明けを切り開いた〈咸臨丸〉使節団に選ばれた二人の青年士官。時節に明と暗を分かつ二人のはざまに揺れる女心。 韮山代官江川太郎左衛門配下の俊鋭たちが、海に陸…