悲願花

悲願花
著/下村敦史発売日:2021-03-05

あなたの罪は、生き延びてしまったことです

 夜闇に輝くパレード、大好物ばかりのご馳走、笑顔の父と母。 家族で遊園地に行ったあの日、幸子は夢のような時間を過ごした。 そして—— 両親は家に火をつけて一家心中を図り、幸子だけが生き残った。 工場の事務員として働き始めた幸子は、桐生隆哉と出会い、惹かれ合うようになる。しかし、幸子は隆哉に「一家心中の生き残り」であることを告げられずにいた。隆哉の部屋で料理を作ろうとした幸子は、コンロの火を見てパニックを起こしてしまう。 過去に決別しようと両親の墓を訪れた幸子は、雪絵という女性に出会う。 「あたしが、子供たちを殺したんです」 子供たちを乗せた車で海に飛び込み、一家心中を図ったシングルマザーの雪絵は、生き残ってしまったのだという。 彼女は、墓地から蘇った母だった。 雪絵との運命的な出会いにより、幸子の人生が大きく動き出す。 そして、加害者と被害者の思いが交錯した時、衝撃の真実が明らかになる—— 『闇に香る嘘』『黙過』『同姓同名』で最注目の乱歩賞作家が放つ慟哭のミステリー!!

小学館文庫シリーズ