あさのあつこ

全ての親娘に。もらい泣き必至の結婚式小説

 「あたし、生まれてきてよかった」 シリーズ1000万部ベストセラー 『バッテリー』完結から12年! ついに辿り着いた あさの文学の最高到達点! 謹啓 光がきらめきを増し、本格的な夏の到来を感じるころとなりました。 この眩しい季節に、わたしたちは結婚いたします。 つきましては、わたしたちの結婚の宴にぜひとも ご臨席をお願いしたく、 招待状をお送りさせていただきます。 わたしたちが、わたしたちの新たな旅立ちを 祝っていただきたいと思う方々だけを ご招待した、ささやかな宴です。 ご多用中とは存じますが、どうか、よろしくお願い申し上げます。                                        謹白 日時  七月一日   午前十一時より 場所  やまべリラホテル  二階 インディゴ 九江 泰樹   瀬戸田 萌恵  「私たち、本物の夫婦になれるかな?」

『バッテリー』著者による、感涙の家族小説

 稲穂が金色に輝き、風に揺れてシャラシャラと唄を奏でる山陰の秋。  娘の奈緒子、孫の嫁・美代子、曾孫・東真、近所の花屋の店員・史明の四人に送られ、九十二歳の松恵は息を引き取ろうとしていた。   松恵は、先だった夫が今際の際に発した残酷な言葉を思い出す。  奈緒子は、だれの子だ…。 「百年近くを生きれば、全て枯れ、悟り、遺す思いもなくなり、身軽に旅立てるとばかり信じておりましたが、どうしてどうして、人間って簡単に軽くはならないようです」  多くの人の心を受けとめ救った大おばあちゃんが、美しい風景に送られ、今日旅立ちます。

小学館文庫シリーズ