安東能明

消える息子
著/安東能明 発売日:2022-03-04

親子の前世を巡るタイムトラベルミステリー

 妻子をつれて相模湖の遊覧船に乗った日。公務員の日常は、異世界に入り込んだ。「ぼく、あそこで殺されたんだよ」宮津和夫は就学前の息子から謎の言葉を聞いた。息子の首元には縞模様が浮かびあがっている。以来、和夫も水辺で男を絞め殺すという悪夢にうなされる。過去の新聞記事を調べるなか、和夫は三十三年前に相模湖で発見された水死体の存在を知る。息子の発言と事件の間に、奇妙な符合をみた和夫は、こう自問せざるをえない。自分は前世で人を殺めたのではないか?  息子の精密検査のため、病院にいた和夫は、突如身の回りに違和感を覚えた。視界が歪む。足元に亀裂が走る。気づいたときには、バスに乗っていた。 何かがおかしい。駅前にあるはずの高層ビルが存在しなかった。昭和五十年の東京・八王子だったのだ。そこで和夫は、自らの出生に関わる驚愕の真実を知り……。練達の作家が放つ、極上のタイムトラベルミステリー!

小学館文庫シリーズ