殺した夫が帰ってきました

やっと手にした理想の生活だったのに……

 都内のアパレルメーカーに勤務する鈴倉茉菜。茉菜は取引先に勤める穂高にしつこく言い寄られ悩んでいた。ある日、茉奈が帰宅しようとすると家の前で穂高に待ち伏せをされていた。茉奈の静止する声も聞かず、家の中に入ってこようとする穂高。 その時、二人の前にある男が現れる。男は茉奈の夫を名乗り、穂高を追い返す。男は茉奈の夫・和希に間違いなかった。しかし、茉奈が安堵することはなかった。なぜなら、和希はかつて茉奈が崖から突き落とし、殺したはずだったからだ。 戸惑う茉奈をよそに、和希は茉奈の家に上がり込む。改めて話を聞いてみると、和希は過去の記憶を一部なくしており、茉菜と一緒に暮らしたいという。茉菜は渋々それを受け入れる。 かつての和希はとても暴力的な人間だったが、いざ暮らしはじめると、暴力的な影は一切見られず、平穏な日々が過ぎていった。 しかしそんな矢先、茉奈のもとに一通の手紙が届く。手紙には一言だけ「鈴倉茉菜の過去を知っている」と書かれていて…… 記憶をなくし帰ってきた、殺したはずの暴力夫。謎めいた正体と過去の愛と罪を追う、著者新境地のサスペンスミステリー。

小学館文庫シリーズ