夏目漱石×夏川草介文庫第二弾!
曲がったことが大嫌いで負けん気の強い坊っちゃんは、幼いころからいたずらを繰り返し、家族にうとまれ、可愛がってくれるのは下女の清だけ。学校を卒業し、四国の中学校に数学教師として赴任するが、江戸っ子気質に合わない嫌がらせに、辟易している。学校は、教頭の赤シャツをはじめろくでもない奴ばかり。気の優しいうらなり君が意に沿わない転勤をさせられ、唯一意気投合した山嵐が辞職させられそうにいたっては、黙っていられるものか。赤シャツの天下にはさせまいと、坊っちゃんがついに奮い立つ! たぬき、赤シャツ、野だいこ、うらなり、山嵐。登場人物の名前も楽しい、漱石文学の決定版!
本書が『神様のカルテ』を生んだ—夏川草介
“この小説が、(シリーズ100万部のベストセラー)『神様のカルテ』を生んだ。 ——夏川草介 山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。 俗世から離れようと、旅をする画工は、山中の温泉宿に滞在し、那美という女に出会う。出戻りである那美は美しいが、少しエキセントリックなところもある。 画工は、那美に「自分の画を描いてください」と頼まれるが、なかなか気持ちが進まない。那美の従兄弟である久一が満州戦線に徴集されることになり、画工は彼女とともに駅へ見送りに行く。その際の一瞬に見入った画工は、彼女を画にすることができるよう思い始める。 言葉そのものの魅力に満ち溢れた、漱石文学の最高峰!