天皇は神にもなるが、怨霊にもなる!
125代に亘る世界最古の王室・天皇家。御簾(みす)の奥で平穏に続いてきたかに思える皇室だが、実は権力闘争や謀略など、壮絶なドラマが絶えなかった。暗殺、呪殺、憤死などで「怨霊」になったと信じられた天皇が何人もいる。歴代天皇はこれら「怨霊になった天皇」が日本国に祟らぬよう祀り、荒魂を鎮めて「神」にし、その絶大な霊力を現世に活かそうと考えてきた。ここには、天皇は民の安寧を祈り、民は皇室の弥栄を願うという他国には見られない王室と国民の近しい関係、つまり日本の国柄が見てとれる。 明治天皇の玄孫である著者が、崇徳天皇を中心に独特の視点から「天皇家の怨霊史」をひもとく。 あなたはご存じだろうか、崇徳天皇の800年式祭に昭和天皇が勅使を送られていたことを。そう、これは現在にまで続く天皇と怨霊の裏の歴史である。 発刊時、話題を呼んだ同書、待望の文庫化。 天皇は神にもなるが、怨霊にもなる!
若き末裔が明かす「皇族論」、文庫版で登場
祖母は明治天皇の第六皇女昌子内親王。祖父はスポーツの宮様として知られた竹田恒徳。祖母は三条実美の孫娘。 著者は、明治天皇の玄孫として、旧皇族・竹田家に生まれた。本書は、自らの生い立ちに始まり、祖父から教えられたこと、さらには、皇室が2000年以上の長きにわたって存続してきた理由についての歴史を繙き、天皇家の血のスペアとして宮家が果たしてきた役割を浮き彫りにする。その上で、現在も引き続き話題を集める皇位継承問題について、「男系維持」を強く主張する。旧皇族家出身の立場を充分に自覚し、その覚悟のほども吐露する。 '05年発表の話題の書の文庫版。