仕掛け絵本の少女

少女カイに連れられて平安時代へトリップ!

 歌舞伎町のホストクラブ「アリア」のナンバーワンホスト・碓井ヒカルは、ある日、店の太客から「鬼の腕」なるものをネットオークションに代理出品するよう持ちかけられる。もし売れればそのお金はまるまるヒカルのものにしていいと言われ、なんとなく話に乗ったところ、鬼の腕の干物はなんと一千万円で落札されてしまった。  とき同じくして、道ばたで謎の少女カイに呼び止められたヒカルは、指示されるままに神保町の古書店で仕掛け絵本を購入する。それは偶然にも例の「鬼の腕」が出てくる、平安時代の「渡辺綱の鬼退治」の物語で——。  再び目の前に現れたカイに「これより、平安時代に行きます」と告げられた……と思った次の瞬間、ヒカルは仕掛け絵本の中に入っていた。そこは完全に平安貴族の世界で、あわてて逃げ込んだお屋敷の中にいた美しい女性に、ヒカルは心を奪われてしまう。そう、その女性こそ「源氏物語」の作者・紫式部。あろうことかヒカルは、日本一有名な千年前の女流作家相手に、遅い初恋に落ちてしまったのだった。     大人気「幻想」シリーズのゴールデン・コンビが贈る、オトナとコドモのための元気がでるおとぎ話!

絵本から飛び出した少女は錬金術師の末裔!

 女子中学生の小寺音々は、一学期の終わりの日曜日、近所の神社で開かれていたフリーマーケットで、うっかりお目当ての本と間違えて、一冊の古い絵本を買ってしまった。タイトルは『仕掛け絵本の少女カイ』。ひらくとレトロな洋館が飛び出す、まさに『仕掛け絵本』なのだった。しかもこの本、古書店に売り払っても学校の本棚に置いて帰っても、必ず音々の前に戻ってきてしまう怪奇ストーカー本で、ついには勝手にページがめくれて、中から黒いワンピースの三つ編み少女が飛び出してきた。何を隠そうこの少女こそ、錬金術師の末裔を名乗るカイだった。  独特な理論で現実世界をひっかきまわし、つねに台風の目になるマイペース魔女っ子のカイ。だが、カイの絵本の中はさらにカオスで、伊達政宗などの有名な武将や歴史上の人物たちが時系列関係なしに闊歩している。不思議 だらけのカイと、ついでに、大人の事情で親戚中をたらい回しにされているイトコのタカユキとともに、ネネはご町内の事件や家族トラブルの解決に乗り出すことに……。  はたして多感な女子中学生は、摩訶不思議なひと夏の大冒険で「今よりもうちょっと幸せ」になれるのか!?

小学館文庫シリーズ