早見俊

北条忍びの生き残りと若き軍学者の闘い!

 徳川幕府大政参与の保科正之から、「泰平の世の兵学——平学を打ち立てよ」と命じられ、刻苦勉励している若き軍学者の沢村翔馬。 一方、平和な暮らしが長く続き、身心がたるみ切った武士を許せない老中の松平信綱と、信綱が右腕と頼む軍師・朽木誠一郎。 ふたりは、北条忍びである天魔党の生き残りと語る源蔵を使って、江戸を混乱に陥れ、敵の保科と翔馬を葬る策謀を企む。 しかもそこには、翔馬が警固する美しい公家の姫・由布に激しい恨みを持つ、北野川大納言の娘・貴子までもが加わる。 なんと貴子は、最愛の婚約者を、由布のために失っていたのだ……。 弱き者を苦しめて楽しむ悪逆非道の老中に、正義の秘剣を揮え! 沢村翔馬……元摂津国伊丹藩士で、林羅山の弟子。 宝刀「鬼丸」を持つ。由布……書道と和歌、お菓子作りが得意な姫。 朽木誠一郎……林羅山の弟子で、翔馬に敵愾心を抱く。 松平信綱……老中次座。「知恵伊豆」と呼ばれる。政敵の保科正之の失脚を企む。 保科正之……陸奥国会津藩藩主。徳川幕府最高実力者。 天魔源蔵……天魔党の復権を企む忍びの棟梁。元々は北条家に仕えていた。

極悪な老中の陰謀に、姫の守り人絶体絶命!

 面妖な術を遣う美少年が江戸に現れた。美少年は宗門改方からキリシタンを救うと、天草四郎の生まれ変わりを名乗ったという。時を同じくして、伊達政宗の命でイスパニアとローマに派遣された支倉常長の孫・常信が、若き軍学者・沢村翔馬の塾に入門する。一方、公家の美姫・由布の許には、父・飛鳥小路大納言からの文が届く。江戸に下向するので会いたいらしい。翔馬と由布の周りが騒がしくなる中、仙台藩六十二万石を改易に追い込もうと、老中・松平信綱とその腹臣・朽木誠一郎は、政宗直筆の「倒幕の密書」を手にすべく、陰謀を巡らせる。姫の守り人が正義の刃を揮う、人気シリーズ第2弾! 沢村翔馬…元摂津国伊丹藩士。伝家の宝刀「鬼丸」を持つ。 由布…書道と和歌、お菓子作りが得意な公家の姫。 お滝…京都びいきで、江戸の悪口を言う。野郎歌舞伎を観るのが趣味。 朽木誠一郎…林羅山の門下生で、兄弟弟子の翔馬に敵愾心を抱く。 松平信綱…「知恵伊豆」と呼ばれ、政敵・保科正之の失脚を企む。 保科正之…陸奥国会津藩藩主。徳川幕府最高実力者である大政参与を務める。 甚五郎…足利将軍家の忍び「室町組」棟梁。普段は飛脚問屋「室町屋」の主。

巨悪の老中に狙われた軍学者と姫の運命は?

 軍学者の沢村翔馬は、公家の姫・由布の護衛として、江戸の一軒家で暮らしている。口うるさい老侍女のお滝も一緒だ。翔馬が開く私塾は、飢え死にしそうな若い浪人が弟子入りしたり、やくざの親分が講義の邪魔をしたりで、毎日なにかと忙しい。そんなある日、翔馬とお滝は一瞬の隙をつかれ、由布を何者かに誘拐されてしまう。最近、明国復興を目指し、徳川幕府に援軍を要請しているという鄭成功からの使者が江戸市中を荒らしているらしいが、なにか関わりがあるのか。過去に起こった騒動で、翔馬に深い恨みを抱く老中の松平信綱が、腹心の朽木誠一郎へ密命を下したのか?巨悪の権謀術数に伝家の宝刀を一閃、絶体絶命の危機を乗り越えろ! 沢村翔馬……元摂津国伊丹藩士で、林羅山の弟子。宝刀「鬼丸」を持つ。 由布……書道と和歌、お菓子作りが得意な姫。 お滝……京都びいきで、江戸の悪口を言う。野郎歌舞伎を観るのが趣味。 朽木誠一郎……林羅山の弟子で、翔馬に敵愾心を抱く。 松平信綱……老中次座。「知恵伊豆」と呼ばれる。保科正之の失脚を企む。 保科正之……陸奥国会津藩藩主。徳川幕府最高実力者。 高館孝直……伊丹藩藩主高館孝元の嫡男。蛮勇を振るう。

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