明治時代の女子大三人娘が美味しい食べ歩き
料亭の名は「鈴川」、江戸時代から続いている結構な老舗だ。鈴川八重はその、麻布に立つ料亭の一人娘。店主の父・勇児は明治の末生まれで頑固者だけれど、料理以外は進歩的。母の海子はキリリとした顔立ちで、まるで芸者のように気風がよい。そんな両親と楽しく暮らす八重は、今日も目白の椿山女子大学まで自転車で通っては、同級生で男装の華族令嬢・桜木虎姫、そして美貌の資産家令嬢・桃澤雫と、鯛焼きやかき氷、お汁粉などなど、おいしいあれこれを食べ歩き。店に帰れば、料理には厳しい歳上の板前・洋一郎とふたりで新しいメニューづくり。馬鈴薯トーストにストロベリーカレーに……夫婦丼!?おいしい食べ物、あまい恋愛に目がない、明治時代の女学生三人娘のスイートな日常を描くグルメロマンス。
可愛さ余って憎さ百倍——でも、愛してる!
江戸は柳橋で一番人気の芸者・菊弥は、男まさりで気風がよい。芸は売っても身は売らないを地でいっている。 そんな芸者仲間からの信頼も厚い菊弥だけれど、ただ一つだけ欠点がある。実は、根っからの「ダメ男好き」なのだ。 恋人で岡っ引きの北斗は、誰がどこからどう見ても、「ダメ男」。しかも、自分は「デキる男」と深く思い込んでいる。なのに、菊弥は恋心が全然吹っ切れない。 その「ダメ男」で恋人の北斗が、「菊弥馴染みの大店が盗賊に狙われている」と知らせにやって来た。もちろん、しっかり小遣いをねだるのを忘れないところが、腹が立つ。 事件を解決しようとしているのか、それとも、引っかき回そうとしているのか分からない、飄々とした北斗の姿を見て、菊弥はひとり呟くのだった——。 「世間のみなさま、すみません」 新進気鋭の人気作家が描く、ほのぼのお笑い捕物帖第一弾!
大正時代の女学生、東西でグルメ対決!?
時は大正十四年の秋。 朝香中学男子野球団との因縁の試合を終えた、東邦星華高等女学院に通う女学生たちは、いつもの学園生活に戻っていた。 そんなある日、「公園音楽を演奏する楽隊を桜花会をあげて応援したい」という川島乃枝の思いを叶えてあげたいと、鈴川小梅は教室でうまく立ち回ろうと決意するが、なぜだか結果は、学園一の美貌を誇る月映巴とのランデヴーに。 しかも巴は、不良のたまり場として有名な町・新宿へ市電に乗って行きたいとまで——。 ランデヴー当日、級長の宗谷雪の家で仕立ててもらった、まだ一度も袖を通していない洋服をまとって出かけた小梅は、恐る恐る巴と一緒に市電に乗り、なんとか無事に新宿に到着。 さっそく屋台の団子を楽しんでいると、驚くことに、乃枝とそっくりな女学生が目の前に現れた。 なんと、その女学生は、大阪のアーミナ女学校に通う長滝紅葉で、乃枝の従姉妹というではないか! いったいなぜ、紅葉は上京して来たのか……。 東西「屋台」グルメ対決に、大正モガが熱戦を繰り広げる、話題沸騰のシリーズ第三弾!
名門女子校のモガが男子に野球で真剣勝負!
男尊女卑は許せない! 小笠原晶子の婚約相手で、女子を馬鹿にした岩崎荘介の鼻をあかしてやろうと、男子がすなる野球で仇をとるべく、東邦星華高等女学院の九人が起ち上がってから、早一カ月。 乃枝が考案した人体強化器具や人造投手などを使って、練習試合に合宿にと特訓を重ねてきた女学生たち。 小梅、晶子、乃枝、巴、静、雪、環、鏡子、胡蝶がついに朝香中学の男子野球団と相見える日——大正十四年八月九日がやってきた。 秘密武器の金属バットや西瓜の果汁、バナナチップを携え、しっかりとした決着を誓い、みんなと一緒に桜湯を口にいざ出陣。 アンナ先生はもちろん、学院長をはじめとする、全校生徒の応援を一身に浴びながら一生懸命に奮闘する九人の野球娘たち。 仲間にランデヴーと疑われつつも、敵チームの情報収集までがんばった、試合結果はいかに? 可憐でたおやかな大正モガが、西洋スポーツに洋食グルメ、和菓子にと、ハイカラでロマンあふれる時代を駆け回る、大人気シリーズ第二弾
男子に野球で挑む、名門女子校のモガ9人!
時は、大正十四年七月——。 東邦星華高等女学院に通う鈴川小梅は、洋食屋《すず川》の一人娘で、十四歳。 ある日突然、級友の小笠原晶子に、「一緒に野球をしていただきたいの!」と誘われた!? 親が貿易を営む御令嬢の威厳に圧され、思わず頷いてしまう小梅……。 野球がどんなものかをまったく知らないのに! どうやら、小笠原家のパーティーに出席していた、朝香中学の岩崎荘介に関係している模様。 しかも、晶子と荘介は、なにやら因縁があるらしく——。 なんとか、英語のアンナ先生から野球を教えてもらえることにはなったが、思わぬ壁が立ちはだかって。 大正モガが、野球にグルメにと、ハイカラな時代を奔り回る、シリーズ第一弾!