発売日:2022-01-07
「初恋の味」はどこからきたのか?
カルピスは、「初恋の味」として知られる国民飲料だ。約百年前、モンゴル高原で遊牧民に食されていた乳製品にルーツがある。発見したのは三島海雲。僧侶にして日本語教師、さらには清朝滅亡で混乱下の大陸を駆け抜けた行商人だ。日本初の乳酸菌飲料を生み出し、健康ブームを起こした。没後、半世紀近く経ち、三島の名は忘れ去られた。会社も変わった。だが、カルピスは今も飲まれ続ける。三島からすれば本望かもしれない。「国利民福」を唱え、会社の利益よりも国民の健康と幸せをひたすら願った。カルピスの聖地・モンゴル高原まで訪ね、規格外の経営者の生涯に迫った傑作人物評伝。――解説・片山杜秀氏