黒田恭一

音楽家への礼状形式で綴った音楽評論の傑作

 カラヤン、バーンスタイン、カルロス・クライバーからマイルス・デイビス、ピアソラまで、36名の音楽家への礼状の形で綴ったエッセイ集。「どのような音楽に対しても、感謝の気持ちを胸にたたんできいていきたい、と思う。感謝の気持ちを忘れてきかれた音楽は、いかなる音楽も、ききてにほほえみかけない」とし、クラシック、ジャズ、ポピュラー、中南米音楽……と、ジャンルを問わず、たえずみずみずしい感性で音楽と向き合い続けた稀代の文章家の名著を文庫化。音楽をきくことをこよなく愛し、音楽の輝きをひとりでも多くの人とわかちあうことを切望し続けながら、惜しまれつつ世を去ったひとりの音楽評論家の音楽への深い愛と洞察に満ちた名著、ながらく絶版となっていたが、待望の復刊。

小学館文庫シリーズ